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【2018年最新版】分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害剤の薬理作用総まとめ!!

こんにちは!

フリーランス薬剤師のはいたっちです!!
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従来の抗がん剤による治療(がん化学療法)は、『殺細胞性抗がん剤』とよばれる、細胞障害性の薬剤が主に使用されていました。

さらに時代が進むと、『分子標的薬』とよばれる標的分子(ターゲット)を明確にした治療薬が数多く開発され、がん治療の重要な部分を担っています。

さらにさらに、近年『免疫チェックポイント阻害剤』という薬剤が登場したことで、がん化学療法は劇的に変化しています。

  • 殺細胞性抗がん剤
  • 分子標的薬
  • 免疫チェックポイント阻害剤

これら3種類の抗がん剤を組み合わせたり、順番に使ったりしながら、がんの進行を抑え込みます。

がん治療の選択肢が増えることは、とても素晴らしい事です。

とはいえ…抗がん剤はとにかく種類が多い!!

ということで本記事では、抗がん剤の中でも、特に複雑な『分子標的薬』と『免疫チェックポイント阻害剤』をカテゴリー毎に分類し、できるだけシンプルに分かりやすく紹介します。

Contents

分子標的治療薬(低分子化合物編)

*)一般名(商品名)にて記載

参考書籍によって詳細分類は異なる。

キナーゼ阻害薬

がん細胞が増殖する際に必要とする『キナーゼ』を阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。

  • EGFR阻害薬
  • BCR-ABL阻害薬
  • ALK阻害薬
  • などなど

ゲフィチニブ(イレッサ)

EGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害することで、抗腫瘍効果を発揮する。

  • EGFR変異陽性肺がん

»イレッサの詳細

イマチニブ(グリベック)

Bcr-abl、c-KIT等のチロシンキナーゼ活性を阻害する。

  • 慢性骨髄性白血病など

エルロチニブ(タルセバ)

EGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害する。

  • 非小細胞肺がん
  • 膵がん

ソラフェニブ(ネクサバール)

C-Raf、B-Raf、VEGFなどの活性を阻害する。

  • 腎細胞がん
  • 肝細胞がんなど

»ネクサバールの副作用や有効性を分かりやすく紹介

スニチニブ(スーテント)

PDGFR-β、VEGFR、KIT、FLT3等のリン酸化を阻害する。

  • 腎細胞がん
  • GISTなど

ダサチニブ(スプリセル)

Bcr-ablのみならず、様々な酵素活性を阻害する。

  • 慢性骨髄性白血病など

»スプリセルの作用機序から副作用までを徹底解説!

ニロチニブ(タシグナ)

より選択的にBcr-ablを阻害する。

  • イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病など

ラパチニブ(タイケルブ)

EGFRおよびHER2チロシンキナーゼの活性を可逆的に阻害する。

  • HER2過剰発現が確認された乳がん

クリゾチニブ(ザーコリ)

ALK融合蛋白質のチロシンキナーゼ活性を阻害する。

  • ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん

アレクチニブ(アレセンサ)

ALK融合蛋白質のチロシンキナーゼ活性を阻害する。

  • ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん

ルキソリチニブ(ジャカビ)

JAK2活性を阻害し、シグナル伝達を抑制する。

  • 真性多血症
  • 骨髄線維症

アキシチニブ(インライタ)

VEGFのリン酸化を阻害し、下流へのシグナル伝達を阻害する。

  • 腎細胞がん

パゾパニブ(ヴォトリエント)

VEGR、PDGFR、c-KITなどのリン酸化を阻害する。

  • 腎細胞がんなど

レゴラフェニブ(スチバーガ)

VEGFはじめ、様々なキナーゼ活性を阻害する。

  • 結腸・直腸がん

アファチニブ(ジオトリフ)

EGFRだけではなく、HER2、HER4を阻害することで、ErbB受容体ファミリーが形成するホモ及びヘテロダイマーの活性を阻害する。

  • EGFR変異陽性の非小細胞肺がん

ボスチニブ(ボシュリフ)

Bcr-abl遺伝子陽性の腫瘍増殖を抑制する。

  • 前治療に抵抗性の慢性骨髄性白血病

バンデタニブ(カプレルサ)

VGFR、EGFR、RET等様々なチロシンキナーゼを阻害する。

  • 甲状腺髄様がん

イブルチニブ(イムブルビカ)

BTKの活性部位にあるシステイン残基と共有結合し、BTKのキナーゼ活性を阻害。

  • 慢性リンパ性白血病
  • マントル細胞リンパ腫

オシメルチニブ(タグリッソ)

活性型変異(L858R等)を有するEGFRチロシンキナーゼ並びに活性型変異及びT790M変異を有するEGFRチロシンキナーゼに対して阻害作用を示す。

  • EGFR変異陽性の非小細胞肺がん

ポナチニブ(アイクルシグ)

ABLのチロシンキナーゼ活性を阻害する。

  • 慢性骨髄性白血病など

パルボシクリブ(イブランス)

CDK4/6とサイクリンDの複合体の活性を阻害し、網膜芽細胞腫(Rb)タンパクのリン酸化を阻害する。

  • 手術不能又は再発乳癌

マルチキナーゼ阻害薬

レンバチニブ(レンビマ)

血管内皮増殖因子(VEGF)受容体(VEGFR1-3)、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1-4)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、幹細胞因子受容体(KIT)、Rearranged During Transfectionがん原遺伝子(RET)等の受容体チロシンキナーゼを阻害。

  • 根治切除不能な甲状腺癌

»レンビマとキイトルーダの併用が凄い!?

セリチニブ(ジカディア)

ALK融合タンパクのチロシンキナーゼ活性を阻害する。

  • ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

プロテアソーム阻害薬

ボルテゾミブ(ベルケイド)

腫瘍細胞のプロテアソームを阻害することにより、その増殖を抑制しアポトーシスを誘導する。

  • 多発性骨髄腫

カルフィルゾミブ(カイプロリス)

カルフィルゾミブは、プロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害することにより、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制する。

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫

イキサゾミブ(ニンラーロ)

20Sプロテアソームのβ5サブユニットに結合し、キモトリプシン様活性を阻害する。

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫

mTOR阻害薬

エベロニムス(アフィニトール)

エベロリムスとFKBP12の複合体がセリン・スレオニンキナーゼであるmTORを選択的に阻害する。

  • 手術不能又は再発乳がん
  • 腎細胞がんなど

»アフィニトールを詳しく分かりやすく紹介!

シロリムス(ラパリムス)

LAMでみられるmTORの恒常的な活性化を阻害することによって、LAM平滑筋様細胞増殖シグナル伝達を阻害し、細胞周期のG0/G1からS期への進行を抑制することで細胞増殖を抑制する。

  • リンパ脈管筋腫症

テムシロリムス(トーリセル)

mTORの活性化を阻害し、その結果、細胞周期のG1からS期への移行を抑制する。

  • 腎細胞がん

BRAF阻害薬

ベムラフェニブ(ゼルボラフ)

活性化変異型のBRAFキナーゼ活性を阻害する。

  • BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫

ダブラフェニブ(タフィンラー)

BRAF変異型(V600E、V600K及びV600D)のキナーゼ活性を阻害する。

  • BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫
  • BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

MEK阻害薬

トラメチニブ ジメチルスルホキシド(メキニスト)

MEK1及びMEK2の活性化並びにキナーゼ活性を阻害する。

  • BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫
  • BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

VEGF阻害薬

アフリベルセプトベータ(ザルトラップ)

血管内皮増殖因子(VEGF)-A、VEGF-B及びVEGFファミリーに属する胎盤増殖因子(PlGF)とVEGFRとの結合を阻害する。

  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

 

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モノクロナール抗体

マウス抗体

イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)

CD20抗原に結合し、アポトーシスの誘発及び90Yからのベータ線放出により、細胞傷害を誘発する。

  • 低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫
  • マントル細胞リンパ腫

キメラ抗体

リツキシマブ(リツキサン)

CD20抗原を有する細胞に対して補体依存性細胞傷害作用を有する。

  • CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
  • など

セツキシマブ(アービタックス)

EGFR発現細胞のEGFRに対して高い親和性で結合する。

  • EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • 頭頸部癌

ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)

細胞障害活性を有するMMAEと抗CD30IgG1型キメラ抗体をプロテアーゼで切断されるリンカーを介して結合させた抗体薬物複合体(ADC)。

  • ホジキンリンパ腫
  • 未分化大細胞リンパ腫

ヒト化抗体

トラスツズマブ(ハーセプチン)

本薬はHER2に特異的に結合した後、NK細胞、単球を作用細胞とした抗体依存性細胞障害作用(ADCC)により抗腫瘍効果を発揮する。

  • HER2過剰発現が確認された乳癌
  • HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

»【VELVET試験】ハーセプチン+パージェタ+ビノレルビン

»【ToGA試験】XP+ハーセプチン

ベバシズマブ(アバスチン)

ヒトVEGFと特異的に結合することにより、VEGFと血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体との結合を阻害する。

  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • 進行・再発の非小細胞肺癌
  • など

ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)

本剤はヒト化抗CD33抗体hP67.6と抗腫瘍性抗生物質であるカリケアマイシンの誘導体を結合した抗悪性腫瘍薬で、CD33抗原を発現した白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれた後に、遊離したカリケアマイシン誘導体が殺細胞活性を発揮して抗腫瘍作用を示す。

  • 再発又は難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病

モガムリズマブ(ポテリジオ)

モガムリズマブは、主に抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を介して、CCR4陽性細胞を傷害すると考えられる。

  • CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫
  • など

ペルツズマブ(パージェタ)

HER2のダイマー形成に必須な領域である細胞外領域のドメインIIに特異的に結合し、リガンド刺激によるHER2/HER3のダイマー形成を阻害する。

  • HER2陽性の乳癌

»【VELVET試験】ハーセプチン+パージェタ+ビノレルビン

»【ToGA試験】XP+ハーセプチン

トラスツズマブエムタンシン(カドサイラ)

トラスツズマブと同様に、HER2及びFcγ受容体との結合活性を示し、HER2細胞外ドメインの遊離(シェディング)抑制、PI3K/AKT経路のシグナル伝達阻害及び抗体依存性細胞傷害活性を示す。

また、本剤は、HER2に結合して細胞内に取り込まれた後、DM1含有代謝物を遊離し、G2/M期での細胞周期停止及びアポトーシスを誘導する。

  • HER2陽性の手術不能又は再発乳癌

アレムツズマブ(マブキャンパス)

慢性リンパ性白血病細胞の表面のCD52抗原に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性と補体依存性細胞傷害(CDC)活性を介した細胞溶解を起こす。

  • 再発又は難治性の慢性リンパ性白血病

ペムブロリズマブ(キイトルーダ)

PD-1とそのリガンド(PD-L1及びPD-L2)との結合を阻害することにより、腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞を活性化させ、腫瘍増殖を抑制する。

  • PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
  • など

»キイトルーダが!がん種の壁を越えた!

»キイトルーダ+パクリタキセル+カルボプラチン

エロツズマブ(エムプリシティ)

骨髄腫細胞膜上のSLAMF7に結合し、Fc受容体を介したナチュラルキラー(NK)細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することにより、腫瘍増殖抑制作用を示す。

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫

アテゾリズマブ(テセントリク)

PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害すること等により、がん抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強し、腫瘍の増殖を抑制する。

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

ヒト抗体

パニツムマブ(ベクティビックス)

ヒトEGFR発現細胞のEGFRに対して特異的かつ高親和性に結合し、EGFRに対するリガンドの結合の阻害及びEGFRの内在化を誘導し、抗腫瘍効果を発現する。

  • KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

オファツムマブ(アーゼラ)

補体依存性細胞傷害(CDC)活性及び抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性によりB細胞を溶解する。

  • 再発又は難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病

ニボルマブ(オプジーボ)

PD-1とそのリガンドであるPD-L1及びPD-L2との結合を阻害し、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強等により、腫瘍増殖を抑制する。

  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • など

»【NivoRam Study】オプジーボが活躍する場所は胃か!?

»【CheckMate-451】オプジーボ+ヤーボイ有効性示せず

ラムシルマブ(サイラムザ)

VEGF-A、VEGF-C及びVEGF-DのVEGFR-2への結合を阻害することにより、VEGFR-2の活性化を阻害する。

  • 治癒切除不能な進行・再発の胃癌
  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

イピリムマブ(ヤーボイ)

CTLA-4とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)分子との結合を阻害することにより、活性化T細胞における抑制的調節を遮断し、腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制する。

  • 根治切除不能な悪性黒色腫
  • 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

ダラツムマブ(ダラザレックス)

補体依存性細胞傷害(CDC)活性、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性、抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性等により、腫瘍の増殖を抑制する。

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫

アベルマブ(バベンチオ)

PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害し、腫瘍抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強すること等により、腫瘍の増殖を抑制する。

  • 根治切除不能なメルケル細胞癌

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瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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