本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2又は0.22μm)を使用すること。
オプジーボ添付文書より
注射用抗がん剤投与時に『インラインフィルター』を必要とする薬剤は少なくありません。
昨今、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の市場が拡大したことで、投与ルート(ライン)の構築はより複雑になっています。
それなのにもかかわらず!
フィルターがいるかいらないかは、添付文書に“ちょろっと”書かれているだけで、非常に分かりにくい!
ということで、本記事ではフィルターが必要な抗がん剤をまとめています。
- 添付文書
- 適正使用ガイド
【ご注意】
最新情報は添付文書やインタビューフォームでご確認下さい。
記載漏れや記載ミスがあると思います、投与の際はご自身で添付文書をご確認ください。
インラインフィルターが必要な抗がん剤のまとめ
投与時に『インラインフィルター』が必要な抗がん剤をまとめています。
一般名(商品名)にて記載
*)2018.12.3作成
パクリタキセル(タキソール)
本剤の希釈液は、過飽和状態にあるためパクリタキセルが結晶として析出する可能性があるので、本剤投与時には、0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
テムシロリムス(トーリセル)
本剤を投与する際には、孔径5μm以下のインラインフィルターを使用すること。
本剤を投与する際には、可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含む輸液セット等を使用しないこと。
トラスツズマブエムタンシン(カドサイラ)
0.2又は0.22μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン製又はポリスルホン製)を通して投与すること。
パニツムマブ(ベクティビックス)
本剤の投与にあたっては,インラインフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を使用すること。
ラムシルマブ(サイラムザ)
本剤の投与にあたっては、蛋白質透過型のフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を使用し、他の薬剤と同じラインを使用しないこと。
なお、本剤投与終了後は、使用したラインを日局生理食塩液にてフラッシュすること。
ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ)
本剤の投与にあたっては、孔径1.2μm以下の蛋白結合性の低いメンブランフィルター(ポリエーテルスルフォン製等)を用いたインラインフィルターを通し末梢静脈又は中心静脈ラインを使用すること。
同一の点滴ラインで他の薬剤を使用しないこと。
カバジタキセル(ジェブタナ)
0.2又は0.22μmのインラインフィルターを通して投与すること。
アフリベルセプトベータ(ザルトラップ)
本剤は0.2ミクロンのポリエーテルスルホン製フィルターを用いて投与すること。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製又はナイロン製のフィルターは使用しないこと。
イプリムマブ(ヤーボイ)
本剤は、0.2~1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
ニボルマブ(オプジーボ)
本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2又は0.22μm)を使用すること。
ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
本剤は、インラインフィルター(0.2~5μm)を使用して、30分間かけて静脈内投与する。本剤の急速静注は行わないこと。
アテゾリズマブ(テセントリク)
0.2又は0.22μmのインラインフィルターを使用すること。
イットリウム(90Y)イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン)
イットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液の投与は0.22ミクロン径の静注フィルター(蛋白低吸着性)を介して10分間かけて静注すること。
急速静注はしないこと。
その後10mL以上の生理食塩液を同じ注射筒及び静注ラインを通じて静注すること。
抗がん剤によって必要なフィルターが違うので注意!!
必要なインラインフィルターのサイズや素材は、抗がん剤によって異なります。
レジメンや薬剤ごとに、必ずご確認下さい。
転職を考えている薬剤師さんへ
転職というのは大きな人生の転機となる出来事のひとつです。
転職を繰り返している人に対するネガティブな評価があったというのはもうすでに過去の話であり、現在では「転職経験がない人」こそ厳しい評価を受けてしまう時代に突入しています。特に医療業界や薬剤師業界では、「転職経験がない人」に対する厳しい評価が表面化しています。
一部の大規模病院などでは、その病院に“骨を埋める”ように長く働くことが良しとされています。しかし、転職経験のない30代・40代の病院薬剤師がいざ転職しようとしても、転職先からの評価は厳しいものになります。たとえその病院での実績がどのようなものであろうと、それはあくまでもそこの病院内のみの評価であり、“専門薬剤師”を持っていたところで転職先からの評価は冷たいものになりかねません。
ひとつの会社、ひとつの病院に勤務し、人脈を活用したキャリアプランを考えている人は別として、一般的な薬剤師が転職によって活動拠点を変えるのであれば、「転職の経験」というものが非常に重要になります。
薬剤師の転職市場そのものも激動の時代を迎えており、日々めまぐるしく状況が変化しています。転職を考えている人は、自分で迷わずに、専門家である転職コンサルタントの話を聞いてみると良いでしょう。
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理由は何であれ、「転職したほうがいいのかな?」と感じているのであれば、コンサルタントとはなしてみるのが良いでしょう。
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きっと心が軽くなるはずです。