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【抗がん剤の副作用対策まとめ‐下痢‐】抗がん剤による下痢を見逃すな!!

抗がん剤の副作用の中でも、QOLに大きく影響する副作用の1つが下痢です。

分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場により、下痢を誘発する抗がん剤は年々増加しています。

本記事では、下痢を起こしやすい抗がん剤を紹介しながら、副作用対策をまとめています。

下痢の重症度はCTCAEで評価するべし!!

抗がん剤の副作用の重症度はどのように判断すればいいのでしょうか?

経験に基づく主治医の判断は尊重されるべきですが、もっと具体的かつ、だれでも同じように評価できる指標が必要です。

その指標がCTCAEです。

Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)とは?

CTCAE( Common Terminology Criteria for Adverse Events)とは、有害事象共通用語規準といい、世界共通で使用されることを意図して作成された有害事象に関する評価規準です。

有害事象の重症度をGrade0(正常)~5(死亡)と定義し、各有害事象の重症度の説明を個別に記載しています。

有害事象の重症度を客観的に捉えることができるので、誰が見ても『どのくらいの重症度なのか?』という事が把握しやすくなります。

CTCAEによってある一定の基準が設けられることで、副作用による減量や休薬のタイミングを明確にすることができます。

参考≫CTCAE

下痢の定義

1日に3回以上の無形便が排泄される状態。

あるいは1日の便中水分量が過剰(200ml以上)になっている状態を下痢と呼ぶ。

下痢の重症度評価(CTCAE)

グレード1

ベースラインと比べて<4回/日の排便回数増加

ベースラインと比べて人工肛門からの排泄量が軽度に増加

グレード2

ベースラインと比べて4~6回/日の排便回数増加

ベースラインと比べて人工肛門からの排泄量が中等度に増加

グレード3

ベースラインと比べて7回以上の排便回数増加

便失禁

入院を要する

ベースラインと比べて人工肛門からの排泄量が高度に増加

身の回りの日常動作の制限

グレード4

生命を脅かす

緊急措置を要する

グレード5

死亡

 

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下痢の副作用に注意する抗がん剤

下痢に注意が必要な抗がん剤を、分類ごとにまとめていきます。

参考にしてみて下さい。

下痢に注意すべき分子標的薬

まずは分子標的薬です。

アファチニブ(ジオトリフ)

ジオトリフを投与すると、下痢が必発します。

必発という言葉が“言い過ぎ”ではないくらい下痢になります。

アベマシクリブ(ベージニオ)

ベージニオも8割近い人に下痢が生じます。

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エルロチニブ(タルセバ)

タルセバも下痢に注意です。

ジオトリフ程ではないにしろ、7割近い人が下痢になります。

アキシチニブ(インライタ)

インライタ投与によって、約半数(50%)程度の割合で下痢の副作用が発現します。

その他下痢に注意する分子標的薬

  • ゲフィチニブ(イレッサ)
  • スニチニブ(スーテント)
  • ソラフェニブ(ネクサバール)
  • レゴラフェニブ(スチバーガ)

下痢に注意すべき免疫チエックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害薬による下痢は、従来の抗がん剤とは対処方法が異なります。

止瀉薬では対応できない場合があります。

必ず適正使用ガイドをご参照下さい。

下痢が起こりやすい殺細胞性抗がん剤

下痢がおこりやすい殺細胞性抗がん剤です。

イリノテカン(カンプト・トポテシン)

下痢といえばイリノテカンですよね。

イリノテカンによる下痢は、コリン作動性に伴う早発性の下痢と、SN38による遅発性の下痢に分けられます。

それぞれ対処方法が異なるので注意しましょう。

早発性の下痢には抗コリン薬遅発性の下痢には半夏瀉心湯や、腸管内のアルカリ化が効果的だといわれています。

S-1 / カペシタビン / 5FU

フルオロウラシル系の抗がん剤は下痢になりやすいです。

その他の副作用も高頻度に発現しますので、下痢のマネージメントがおろそかになりがちですので、注意しましょう。

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抗がん剤による下痢の対応方法

下痢への基本的な対応は、安静、食事内容の変更、水分補給などの対処療法です。

抗がん剤の減量休薬基準は、各薬剤の適正使用ガイドを参考にして下さい。

その際にCTCAEの評価が役に立つはずです。

ロペラミド(ロペミン)の使い方

参考書籍

がん薬物療法副作用管理マニュアル

ASCOガイドラインによると、ロペラミド4㎎で開始し、そのご4時間ごとに2mgを追加する。

下痢が12時間以上止まるまで継続。

24時間以上持続する場合には、2時間ごとに2mgを追加。

48時間以上継続する場合にはオクトレオチド(本邦未承認)を検討。

【要注意】免疫チェックポイント阻害薬は注意!!

免疫チェックポイント阻害薬による下痢に、止瀉薬(ロペミン)で対応すると、適切な対応が遅れて重症化することがあります。

必ず適正使用ガイドをご参照下さい。

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ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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