倦怠感や疲労感というのは患者主観的なものであり、客観的に評価をするのが難しいです。
とはいえ、倦怠感や疲労感は、がん化学療法において非常に高率に発生する副作用の1つであり、適切なマネージメントが必要です。
主観的な患者の訴えを、いかに客観的な評価に置き換えるかがポイントだよ!
倦怠感や疲労感は、確立された対処方法や、予防方法は存在せず、対策が難しい副作用です。
抗がん剤による倦怠感や疲労感の評価方法や、その対策をまとめておきます。
この記事に書いてあること
- 倦怠感や疲労感の評価方法
- 倦怠感や疲労感の副作用対策
Contents
がん化学療法の副作用対策:倦怠感・疲労感の評価方法
倦怠感や疲労感という症状は、大きく3つに大別できます。
- 身体的倦怠感
- 精神的倦怠感
- 認知的倦怠感
抗がん剤による倦怠感や疲労感は、直接的な副作用だけではなく、他の副作用(悪心嘔吐や下痢・貧血など)による副次的な症状の場合も多いので注意が必要です。
身体的倦怠感
- だるい
- 疲れやすい
- 体が重い
- など
精神的倦怠感
- やる気が出ない
- 興味が持てない
- など
認知的倦怠感
- 忘れっぽい
- 注意力が散漫
- 言い間違いの増加
- など
スポンサーリンク
倦怠感・疲労感の重症度分類
客観的評価が難しい副作用ですが、抗がん剤の減量や休薬を含めた適切なマネージメントを行なうためには、チームで共有できる評価を行なう必要があります。
CTCAE(疲労)
Grade1
休息により軽快する疲労
Grade2
休息によって軽快しない疲労;身の回り以外の日常動作の制限
Grade3
休息によって軽快しない疲労;身の回りの日常動作の制限
Grade4
定義なし
CTCAE(倦怠感)
Grade1
だるさ、元気がない
Grade2
だるさ、元気がない;身の回り以外の日常動作の制限
Grade3
定義なし
Grade4
定義なし
その他の重症度評価
- 0-10 scale
- Cancer Fatigue Scale (CFS)
- Brief Fatigue Inventory (BFI)
スポンサーリンク
倦怠感・疲労感の対策方法まとめ
原因(要因)の探索と情報提供
倦怠感や疲労感の原因を可能な限り抽出し、治療可能であれば介入します。
倦怠感によって、病勢増悪の懸念を示す患者は少なくないので、適切な情報提供を行なうことが重要です。
倦怠感や疲労感は、あくまでも抗癌剤の副作用で、病気が悪化したわけじゃないと説明することが大切です。
エネルギーや脱水の管理
化学療法に伴う栄養状態の悪化をさけるために、エネルギー補給や電解質補正に注意しましょう。
メンタルケア
運動や音楽鑑賞など、気分転換を行なう事も効果的な場合があります。
理学療法や作業療法・ヨガなどを取り入れ、多面的にアプローチしましょう。
補中益気湯
補中益気湯・十全大補湯・人参養栄湯などが有用であったという報告があります。
作用機序は不明。
ステロイド
終末期患者の倦怠感を緩和する可能性が示唆されている。
倦怠感や疲労感の対策としては、なによりも無理をしないことが大切だよ!
Sincerely,
Hitouch
参考書籍
分りやすくておすすめです!
年収を上げたい薬剤師さんにおすすめ
全国の情報や派遣求人の見通しなど貴重な情報が手に入ります。
情報量がものすごい!こちらも必ず登録すべきです。
派遣以外の求人数がすごい!派遣以外の市場調査もしましょう。
薬剤師さんに人気の記事
【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
医療・投資・自己啓発系のライティングを得意とする医療ライター
オススメ HitouchLIFE