派遣薬剤師って聞いたことがありますか?
派遣薬剤師は薬剤師の中でもかなり希少な存在です。
正社員でもなくパートでもない。
しかし調べてみると異常に時給が高い。
そんな派遣薬剤師として働いている「Kさん」に、働き方や私生活、年収も聞いてきました!
派遣薬剤師という働き方に興味がある人は、ぜひ最後までお読み下さい。
参考 薬剤師の仕事内容大公開!
本日の対談相手
- Kさん
- 30代男性
- 派遣薬剤師
- 妻と子供の3人暮らし
Contents
ワークライフバランスを選んだ派遣薬剤師の生き方とは!?
派遣薬剤師はいわば「プロ」の薬剤師。
急な人事異動で薬剤師が不足した場所に颯爽と現れ、即戦力として勤務をこなす能力が求められます。
その分時給はべらぼうに高い。
そんな派遣薬剤師とういう生き方を選んだ「K」さんにインタビューをしてきました。
自己紹介
派遣薬剤師として働いている「K」です。
大学卒業後、調剤併設のドラックストアで勤務し、社会人としての姿勢や調剤のノウハウ、ドラックストアならではの在庫管理等の技術を学びました。
その後病院に転職し、病院薬剤師として臨床経験を積み、多くの疾患や薬の勉強をしました。
そして現在は派遣薬剤師として働いています。
現在の仕事内容
今は3ヶ月契約という形で、いろいろな調剤薬局を転々としています。
多くの薬局を見ていますので、薬局を「査定」する目は人一倍もっています(笑)。
派遣会社のエージェントと交渉を重ねながら、次の職場を決めていくプロセスがなかなか面白いですよ。
『エージェントと交渉するとか、薬剤師じゃないみたいですね。 』
確かにそういった意味では、薬剤師としてのスキルだけではなく、ビジネスマンとしての交渉力が必要になるかもしれません。
しかし毎日やっている仕事は調剤ですよ。
普通の、一般的な薬剤師と同じです。
『なんだか面白いなー。今の勤務時間はどれくらいですか?』
今は週40時間という契約で働いています。
土日祝日は完全に休みです。
残業は1分単位で申請できます。
『1分の残業ってすごいですね!でもそれこそプロ意識ですよね。』
そのとおりです。
派遣薬剤師は「個人」としてやっていく度胸が必要です。
1分であれ残業は残業です。
その代り仕事は全力でこなします。
派遣薬剤師として働く理由
『ぶっちゃけなんで派遣薬剤師を選んだのですか? 』
自分が派遣薬剤師を選んだ最大の理由は「ワークライフバランス」です。
病院薬剤師として勤務していた頃は、残業が当たり前でした。
加えて転勤によって長距離通勤が余儀なくされていました。
妻と2人の時は良かったのですが、子供が生まれてからというもの「これでいいのかな?」という思いが日に日に募ってきました。
子供と過ごす時間が減っていくのが自分にとってはとてもつらかったのです。
そこで転職を考えました。
自分の強みは、調剤やドラックストア、病院などの幅広い経験がある事です。
技術はもちろん知識も磨いてきました。
そこで、少しでも「時給単価」の高い派遣という道を選びました。
『なるほど・・・時給が高ければ、年収を維持しながら子供のための時間が作れる という事ですね。』
仰る通りです。
派遣の最大のメリットは、「自分で時間を決められる」という事だと思います。
現役派遣薬剤師に聞いた!派遣薬剤師のメリットとは?
派遣薬剤師のメリットをもう少し教えて下さい。
【メリット】自分で時間を管理できる
勤務形態を決める際に、細かく時間を調製できます。
子供の保育園に合わせて、昼から夜まで働くという時期もありました。
今は土日完全休みにすることで、子供の喜ぶ顔が見れています。
3ヶ月一生懸命働いて、1か月間丸ごと休んで旅行に行くという事も可能です。
妻の時間や子供の時間に合わせて、自分の時間を変えられるのが最大のメリットです。
【メリット】高い時給
やはり時給が良いというのは外せないメリットです。
詳しい時給は都合上申し上げられませんが、今の働き方で年収は1000万を超えています。
『年収1000万(笑)!?すごいですね!!』
ありがとうございます。
自分が自慢したいところは、土日完全休みの残業なしで年収1000万というところです(笑)。
『たっ・・・たしかに・・・。僕は毎日夜中まで記事を書いて・・・年収・・・ちょっとムカつくので考えるのをやめます(笑)。』
現役派遣薬剤師に聞いた!派遣薬剤師のデメリットとは?
逆にデメリットとは?
【デメリット】退職金がない
派遣薬剤師には退職金なんてものはもちろん存在しません。
そのため、1000万を超える年収があっても、それを使ってしまうのは考えものです。
『確かにそうですね。どのように管理されているのですか?』
以前は貯金をしていましたが、今は資産運用を意識しています。
【デメリット】次の仕事が保障されてない
基本的に契約終了の1か月前に次の案件の打ち合わせをします。
そこで案件がないという事は今まで一度ももありませんでした。
おそらくこれからも紹介案件がゼロという事はないと思います。
しかし、自分の希望にあった案件がないという事はじゅうぶん考えられます。
派遣薬剤師のキャリアプラン
『今後のキャリアプランはどのように考えていますか?』
派遣として働く中で多くの薬局を見てきました。
雰囲気の良いところや、そうでない場所。
経営者の考え方も様々です。
そんな中で社員にならないか?という誘いを頂くこともあります。
非常に嬉しい事です。
今はまだ派遣として多くの経験を積んでいきたいと思っていますが、いつかはどこかの店舗で落ち着くのかなと思っています。
どうなるかは分かりませんが、派遣だからこそ学べる事を今は学ぼうと思っています。
派遣薬剤師だからこそ学べること
多くの店舗を見て、多くの薬剤師と接するからこそ、気が付くことがたくさんあります。
「人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、派遣になってから大きく成長できていると感じています。
どのようにして派遣薬剤師になるの?
『どうやって派遣薬剤師になったのですか?』
自分は大手の派遣会社に登録しています。
大きな声では言えませんが、何社も登録して時給を比較することも非常に重要です。
案件の数や時給を考えると、やはり大手派遣会社の方がベターかなと考えています。
派遣薬剤師として働くなら、全国案件が確認できる大手派遣会社は必ず登録すべきです。
どこの派遣会社と契約するにしても、案件の数や情報は多いほうが良いに決まっています。
全国の情報が手に入るのは本当に強みになります。
加えて、派遣求人以外の情報も頭に入れておくべきです。
時給相場や求人数で、薬剤師の需給のバランスが把握できます。
派遣会社への登録はもちろん無料ですので、登録しない理由はありません。
こういうことにも頭を使わねばならないのが「派遣薬剤師」の苦労でもあり面白さです。
メッセージ
『最後に何かメッセージはありますか?』
派遣求人は時給が高く魅力的ですが、時給だけに飛びつくのはやめましょう。
自分はドラッグストア、病院、調剤、全ての経験があります。
これは本当に強みです。
時給交渉をするにも有利に働きます。
派遣薬剤師に求められるのは即戦力です。
新卒でいきなり派遣というのは、あまりおすすめできません。
しかし、自分のスキルに自信があるのであれば、派遣という生き方はとても自由です。
自分は今の働き方をとても気に入っています。
実際の派遣薬剤師にインタビューしてみて
Kさんは「個人事業主」のような感性の持ち主でした。
僕もフリーランスですのですごく共感する部分がありました。
派遣薬剤師は確かに高時給で魅力的ですが、エージェントとの交渉や税金対策など、一般的な薬剤師であれば考える必要のない事にまで頭を使わねばなりません。
これができるからこそKさんは派遣薬剤師として成功しているのだと思います。
完全土日休みで1000万という年収の裏には、Kさん自身の人徳や今までのキャリアがあります。
凄い生き方だなと、あらためて感じました。