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Verzenio (abemaciclib / アベマシクリブ) が欧州で乳がんの適応取得

こんにちはHitouchです。
@hitouch_life

 

つい先日(9月21日)日本で承認取得となりました、Verzenio(アベマシクリブ)が欧州でも適応承認を取得しました。

参考 Eli Lilly’s CDK 4 and 6 inhibitor Verzenios has been approved in Europe for the treatment of certain metastatic breast cancers.

 

適応は、「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」です。

 

アロマターゼ阻害薬もしくはフルベストラントとの併用で使用されます。

 

根拠となったのはMONARCH2試験とMONARCH3試験の2つのPhaseⅢです。

 

MONARCH2試験について

試験対象患者

  • 術前補助療法か術後補助療法としての内分泌療法後12カ月以内に再発・病勢増悪が認められた症例
  • 転移癌に対する1次治療として内分泌療法を受けて進行が認められた症例

*)いずれもホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌患者が対象です。

デザイン

アベマシクリブ+プルベストラント VS プラセボ+フルベストラント

主要評価項目:無増悪生存期間(PFS)

結果

主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)は、アベマシクリブを併用することで有意(p<0.0000001)な差がついた。

アベマシクリブ+プルベストラント群:16.4ヶ月

VS プラセボ+フルベストラント群:9.3ヶ月

MONARCH3試験について

試験対象患者

ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳癌に対する1次治療

デザイン

アベマシクリブ+アロマターゼ阻害薬 VS プラセボ+アロマターゼ阻害薬

主要評価項目:PFS

結果

PFSはp=0.000021で有意にアベマシクリブ群が良い結果だった。

ハザード比:0.543

アベマシクリブ+アロマターゼ阻害薬群:28.2か月

プラセボ+アロマターゼ阻害薬群:14.8か月

CDK4/6阻害薬

通常、細胞は無限に増殖できないように、細胞分裂にストップという指示が与えられます。

この機能によって細胞の数を一定に保つことができています。

 

しかし、がん細胞では、CDK4やCDK6といったサイクリン依存性キナーゼという酵素が発現し、この制御機能を不能にしています。

CDK4やCDK6の活性化は、がん細胞が無秩序に増殖する要因の1つだといわれています。

 

アベマシクリブなどのCDK4/6阻害薬は、細胞の分裂が行われる細胞周期の制御などに関わるCDKを阻害することで、細胞周期の進行を停止させ抗腫瘍効果を発現します。

 

Sincerely,

Hitouch

 

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【この記事の執筆者】

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瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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