こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
大腸がん・胃がん・乳がんなど様々ながん腫で活躍する抗がん剤、ゼローダ(カペシタビン)には、手足症候群という特徴的な副作用があります。
手足症候群の特徴からその対策方法までをまとめておきます。
日常臨床にお役立ていただければ幸いです。
抗がん剤の副作用のまとめ一覧
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Contents
【手足症候群】ハンド・フット・シンドローム(HFS)って?
手足症候群は手のひらや足の裏に生じる皮膚病変で、ゼローダや一部の分子標的薬など、さまざまな抗がん剤で出現する副作用です。
重症化するとQOLが著しく低下するだけではなく、治療継続がむずかしくなり(抗がん剤が使えなくなってしまう)、患者の生命予後を悪化させます。
そのため、徹底的に副作用のマネージメントを行い、より早期から手足症候群に対応する必要があります。
手足症候群(HFS)の症状は?
手足症候群では、指先や手のひら、足の裏などの四肢末端に、しびれ、知覚障害、発赤、疼痛、腫脹、水疱形成、などの症状が出現します。
痛みがあるレベルのHFSが出現する前に副作用対策をしていくことが重要です。
使用している抗がん剤によって、HFSの症状が違うのも特徴的です。
ゼローダ(カペシタビン)による手足症候群の特徴は?
ゼローダのようなフッ化ピリミジン系薬の手足症候群では、早期にしびれやピリピリ感が出現しやすいといわれています。
更に進行すると疼痛を訴え、角化や亀裂を伴い、水疱形成に至ります。
参考書籍»がん薬物療法副作用管理マニュアル
手足症候群が出現しやすい抗がん剤は?
ゼローダの手足症候群と分子標的薬の手足症候群では症状が違うよ。
ゼローダの手足症候群の好発時期は?
ゼローダによる手足症候群の発現時期までの日数は、A法:43日、B法:30日、C法:57日と報告されています。
とくに2コース目あたりは注意が必要であるといえるでしょう。
手足症候群の重症度分類(CTCAE)
Grade1
疼痛を伴わない僅かな皮膚の変化または皮膚炎
Grade2
疼痛を伴う皮膚の変化
身の回り以外の日常動作の制限
Grade3
疼痛を伴う高度な皮膚の変化
身の回りの日常生活動作の制限
Grade4
規定なし
【支持療法】手足症候群におすすめな副作用対策
手足症候群に対する副作用対策の基本中の基本は、保湿や保護、刺激の除去です。
これは患者さん自身が意識して実行するしかありません。
しかも毎日毎日繰り返す必要があります。
普段からケアに慣れている患者さん(女性や若年層)にとっては普通のことでも、高齢の男性の方になると、ハンドクリームを塗るという行為に嫌悪感を感じ入る患者さんもいます。
上手く自分でケアができるようにサポートすることが大切です。
ステロイド外用薬
手足症候群の副作用対策は確立しているわけではありません。
一般的にはステロイド外用薬を使用しながら対処療法を行うことになります。
ビタミンB6(ピドキサール)
ビタミンB6の投与によって症状が軽減するという報告もありますが、エビデンスレベルに乏しく、推奨することはできません。
実臨床では投与されている場合があります。
【重要】カペシタビンの手足症候群のマネージメント
カペシタビンの手足症候群において最も重要になる副作用対策は、適切な減量と休薬です。
グレード2の手足症候群(痛みがある)が発現したらすぐに休薬です。
休薬して症状が安定してから、再度治療再開をします。
この減量と休薬が、ゼローダを使いこなすためには最も重要です。
抗がん剤の副作用のまとめ一覧
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【この記事の執筆者/編集者】
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