こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
ノーベル賞受賞で世間に広く知られることになった免疫チェックポイント阻害薬。
その効果はさることながら、高い安全性が注目されている薬剤です。
従来の抗がん剤のような骨髄抑制や脱毛などの細胞毒性が少なく、体力の低下した患者にも投与しやすい薬剤です。
しかし、副作用がないというわけではありません。
自己免疫のブレーキを外すというその独特な薬理作用によって、従来の抗がん剤では発現しないような副作用が出現する事が知られています。
そんな免疫チェックポイント阻害薬に関連する副作用のメタ解析のデータを見つけましたのでご紹介します。
参考文献
Fatal Toxic Effects Associated With Immune Checkpoint Inhibitors
Contents
自己免疫疾患関連副作用(irAE)とは?
irAEとは免疫関連副作用(immune-related Adverse Events)のことです。
免疫チェックポイント阻害薬は、自己免疫のブレーキを外すことによってがん細胞を攻撃します。
ブレーキの外れた自己免疫が暴走することによって独特な副作用が発現することが知られています。
専門家は、従来の抗がん剤とは全く違う副作用マネージメントをしなければなりません。
特徴的なIrAE
- 間質性肺疾患
- 大腸炎
- 甲状腺機能低下症
- 肝障害
- 発疹
- 下垂体炎
- 筋炎
- 糖尿病
- 腎機能障害
- 末梢神経障害
- 重症筋無力症
- などなど
骨髄抑制や脱毛、悪心嘔吐やしびれ等とは全く違う副作用が出現します。
血糖値や甲状腺機能など、従来の抗がん剤では測定しなかったような検査項目にも気を配る必要があります。
免疫チェックポイント阻害薬による治療関連有害事象のメタ解析
掲載論文:JAMA Oncology
詳細は参考文献をご参照ください。
対象となる免疫チェックポイント阻害薬
- イピリムマブ(ヤーボイ)
- トレメリムマブ
- ニボルマブ(オプジーボ)
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
- アテゾリズマブ(テセントリク)
- アベルマブ(バベンチオ)
- デュルバルマブ(イミフィンジ)
試験の概要
2009年から2018年にVigilyzに報告された、16,000,000件以上の有害事象をレトロスペクティブに検証したメタ解析。
試験の結果
免疫チェックポイント阻害薬関連の致死的な治療関連有害事象は613件であった。
致死的な治療関連有害事象は合計87件であった。
- 大腸炎37%(32件)
- 心筋炎25%(22件)
- 肝炎22%(19件)
治療レジメンによって有害事象発現時期や発現内容に違いが認められた。
あとがき
ノーベル賞受賞は本当にすごい事だと思います。
想像すらできません。
同じ日本人として本当に誇らしいニュースです。
しかし、あいまいな知識で免疫療法に誤解が生まれている事も事実です。
根拠のある治療を受けられるように自分でリテラシーを磨く努力が必要です。
もちろん、医療関係者はより一層の努力が必要になります。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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