PARP阻害薬の『リムパーザ(オラパリブ)』って知ってますか?
リムパーザは卵巣がんや乳がんに使用する分子標的薬(経口薬)です。
いつ処方箋がきてもいいように勉強しておきましょう。
Contents
リムパーザ(オラパリブ)ってどんな薬?
*)2018年11月26日現在
リムパーザは、BRCA遺伝子変異によってDNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、がん細胞死を誘導する世界初の経口ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、本邦初の遺伝性乳がんの治療薬です。
アストラゼネカ
BRCA遺伝子というのは、損傷したDNAの修復に関わるタンパク質を生成する遺伝子です。
BRCA遺伝子に変異(異常)があると、細胞が癌化しやすいことが分かっています。
BRCA遺伝子に変異があるタイプのがん細胞に作用するのが、リムパーザです。
リムパーザ(オラパリブ)の保険適応
- 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
- がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
リムパーザ(オラパリブ)の薬理作用
DNAの修復を助ける、PARP(poly ADP-ribose polymerase)という酵素を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制する。
リムパーザ(オラパリブ)の副作用
特に注意すべき副作用を記載しておきます
- 貧血、好中球減少、血小板減少
- 悪心・嘔吐
- 間質性肺疾患
国際共同第Ⅲ相試験(OlympiAD試験)
参考文献
Olaparib for Metastatic Breast Cancer in Patients with a Germline BRCA Mutation
目的
がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌を対象として、リムパーザの有効性と安全性を、医師が選択した単剤での化学療法と比較・検討する。
対象
BRCA遺伝子変異陽性で、アントラサイクリン系およびタキサン系化学療法薬既治療のHER2陰性の手術不能または再発乳癌患者302例
結果(PFS)
無増悪生存期間(PFS)は、化学療法群に比べリムパーザ群で有意に延長した。
(ハザード比=0.58、p=0.0009)
PFS中央値:リムパーザ群7.0ヵ月に対し化学療法群4.2ヵ月。
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PARP阻害薬って何??
PARPという酵素は、DNA修復を助ける働きがあります。
がん細胞のDNAを切断することができても、PARPがDNAの修復を助けます。
その結果、傷ついたがん細胞も元通りになり、がん細胞は益々成長することになります。
そのため、DNA修復を助けるPARPを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制することができます。
リムパーザはPARPを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
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