アフィニトール(エベロリムス)は、mTOR阻害剤というカテゴリーに分類される抗がん剤です。
内服薬ですので、調剤薬局でも取り扱う事があります。
アフィニトールはどのような作用機序の薬で、どんな“がん”に処方されるのでしょうか?
また、アフィニトールは抗がん剤であり、副作用が必発します。
どのような副作用が出現するのでしょうか?
アフィニトールについてまとめてご紹介します。
この記事に書いてある事
①アフィニトールの作用機序
②アフィニトールの適応がん種
③アフィニトールの副作用
*)2019年2月現在の情報です
Contents
mTOR阻害剤とは?アフィニトールの作用機序
アフィニトールはmTOR阻害剤とよばれる分子標的薬です。
mTOR(エムトール)というターゲット分子を阻害するという作用があることから、『mTOR阻害剤』と呼ばれています。
なんの“ひねり”もないネーミングだね。
mTOR(エムトール)って一体なに?
アフィニトールがmTORを阻害するという事は分かりました。
mTORってなに!?
mTORというのは細胞の中に存在するタンパク質で、細胞分裂や細胞増殖を調節するスイッチの役割を果たしています。
ある種のがん細胞では、mTORの機能に異常が生じており、スイッチとして正しく働かなくなっています。
スイッチが壊れてしまっている(常にONの状態)ので、細胞は無制限に増殖してしまいます。
アフィニトールを内服することで、壊れたmTORの働きを止める事ができるので、がん細胞の増殖を抑制することができます。
基本的に抗がん剤治療は、がんの増殖をくいとめるという目的で行われるよ。
アフィニトールは、mTORを阻害するというアプローチでがんの増殖を止めるんだね。
アフィニトールの作用は?と聞かれたら、『がん細胞の増殖を抑制する』と答えれば間違いないよね。
それ以上詳しい話は・・・
google先生に聞いてもらったほうが良いかもしれないね。
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アフィニトール(エベロリムス)の国内適応がん種
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 神経内分泌腫瘍
- 手術不能又は再発乳癌
- 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫
- 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
*)添付文書より
アフィニトールは5種類のがんに適応があります。
少しだけ紹介します。
手術不能又は再発乳癌
*)添付文書より引用
非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による治療歴のない患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
アフィニトールを乳がんに使用する際には、非ステロイド性アロマターゼ阻害薬(レトロゾール又はアナストロゾール)による治療歴が必要です。
ということは?つまりどういう事?
ER陽性・HER2陰性・閉経後乳癌患者
アフィニトールが使用される乳がん患者さんは、ホルモン受容体が陽性で、閉経後乳がんである事が分かります。
じゃないとレトロゾールもアナストロゾールも使えないからね。
Her2陰性である必要はありませんが、Her2陽性の場合であれば、Her2をターゲットにした治療が優先されることが多いです。
*)併用という臨床試験も行われているようです
アフィニトールは乳がんに使用できるか?という質問は、YESでもあり、NOでもある。
アフィニトールは『がん』に使用できるか?と聞かれても困るよね。
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アフィニトール(エベロリムス)の副作用
ここからは、アフィニトールの副作用について簡単にご紹介します。
副作用が発現しても、適切に対応(減量・休薬・支持療法)することで、症状の悪化を食い止める事が可能です。
副作用が起こる事を前提とした、徹底的な対策を行いましょう。
間質性肺炎
アフィニトールで特に注意すべき副作用が間質性肺炎です。
致死的な副作用となる可能性があり、じゅうぶんに注意する必要があります。
口内炎
アフィニトールを服用した方の、約半数に口内炎が発生します。
口内炎の対策は別にまとめていますので、こちらの記事をご確認ください。
抗がん剤による口内炎の対策
骨髄抑制や感染症にも注意が必要です。
Sincerely
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
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