こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
読者様からご質問をちょうだいしました。
スプリセルという薬のことがよくわかりません。
服薬指導のポイントを教えて下さい。
ご質問ありがとうございます!!
薬に関してのご質問はこちらまで!
いつもご質問ありがとうございます!
順番に回答させていただきます。
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Contents
【DI情報】スプリセル(ダサチニブ)の基本
まずはスプリセルの基本情報から確認します!
*)2019年4月現在
スプリセルの効能効果
- 慢性骨髄性白血病
- 再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
スプリセルの用法用量
スプリセルの用法用量は、疾患と病期(病態や治療ライン)によって異なります。
詳細は添付文書をご確認下さい。
スプリセルの禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
スプリセル(ダサチニブ)の薬理作用と作用機序
スプリセルの作用機序を紹介します!
スプリセルはBcr-abl阻害薬
スプリセルは第二世代のBcr-abl阻害薬だとされています。
同様の薬効を持つ薬剤としては、グリベック(イマチニブ)がメジャーです。
Bcr-abl阻害薬とは?
慢性骨髄性白血病(CML)では、染色体に変化が生じており、異常なタンパク質が作られています。
この異常なタンパク質が、Bcr-ablです。
Bcr-Ablチロシンキナーゼとよばれる物質が産生されることで、細胞は無秩序に増殖を繰り返してしまします。
Bcr-ablは、ATPという物質が結合することで活性化するため、ATPの結合を阻害してあげれば、Bcr-ablの活性化を妨げることができます。
ATPが結合できないように『フタをする』のがBcr-abl阻害薬だよ!
Bcr-abl阻害薬によって、Bcr-ablの活性化を抑制することができれば、白血病細胞の異常な増殖を防ぐ事ができるので、病気の進行を妨げることができます。
スプリセル(ダサチニブ)の副作用
スプリセルの代表的な副作用を紹介します。
服薬指導時のポイントをおさえておきましょう!
血液毒性(骨髄抑制)
- 血小板数減少:75.3%
- 好中球数減少:74.0%
- 白血球数減少:64.9%
*)添付文書より
スプリセルは、イマチニブなど他のBcr-abl阻害薬と比較しても、骨髄抑制が発現しやすいです。
感染予防や外傷(アザなどができていないか)に注意しましょう。
感染予防の方法はこちら
体液貯留(胸水貯留)
スプリセルの特徴的な副作用が、胸水貯留です。
内服開始初期だけではなく、治療効果が安定している維持期においても、じゅうぶんな注意が必要な副作用です。
- 息が苦しい
- 胸が苦しい
- なんだか呼吸しづらい
- 動くとしんどい
- などなど
胸水の初期症状は、がん患者の疲労感や倦怠感と鑑別が難しいような場合も少なくありません。
しっかりと患者の話を聞き取りましょう。
【相互作用】スプリセル(ダサチニブ)の使用の注意点!
スプリセルを使用する際の注意事項です。
【制酸剤】H2ブロッカーやPPIとの併用に注意!
H2受容体拮抗剤又はプロトンポンプ阻害剤との併用は推奨されない。
ファモチジン投与10時間後に本剤を投与したときの本剤のCmax及びAUCはそれぞれ63%及び61%低下し,オメプラゾールを4日間投与し,最終投与22時間後に本剤を投与したときの本剤のCmax及びAUCはそれぞれ42%及び43%低下した。
本剤投与中は,これらの薬剤に替えて制酸剤の投与を考慮すること。
添付文書
スプリセルは、イマチニブほど消化器症状が出現するわけではありませんが、制酸剤との併用でAUCが低下(吸収が低下)してしまいます。
他科で併用されている場合は、疑義照会をしよう!
同一診療科の場合は、ケースバイケースです。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
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