医薬品解説

【2019年最新版】ニキビの治療薬(医療用医薬品)についてまとめる【尋常性挫瘡】

【注意】

本記事では「ニキビ」という言葉を多用しています。

悩んでいる方には、つらい思いをさせるかもしれません。

その言葉を見たくない場合は、本記事の閲覧はお控え下さい。

 

こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life

 

ニキビ

 

ニキビは青春の象徴と表現されることがあります。

 

しかし・・・

 

ニキビというものは、そんなに生易しいものではありません。

 

ほんの小さな皮膚の変化で始まるニキビは、次第に大きく成長し、人の心を深くえぐり、人の心を醜く侵食します。

 

ニキビのせいで外出できない

 

ニキビのせいで人と話せない

 

ニキビのせいで鏡が見れない

 

ニキビのせいで生きるのが辛い・・・

 

ニキビというのは、こういう病気です。

 

人生を変えてしまう病気です。

 

・・・

 

あなたなら、ニキビに悩んでいる患者さんに、どんな言葉をかけますか?

 

言葉の選択をひとつでも間違えると・・・

 

その患者さんは二度と家から出られなくなるかもしれませんよ。

 

はいたっち

プライバシーが守られにくい場所では特に注意しよう!

患者さんは「ニキビ」という言葉そのものに恐怖を持っている可能性があるよ!!

 

他の患者さんや、他の医療スタッフに聞こえるような場所で、服薬指導する時には注意です。

 

はいたっち

これは「ニキビ」の薬ですね!!

他の患者さんの前でこんなデリカシーのないことは言わないように!!

 

本記事ではニキビ(尋常性挫瘡)の治療薬をまとめています。

 

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ニキビ(尋常性挫瘡)の病態の基本

治療薬の説明の前に、まずはニキビの病態について知っておきましょう。

 

ニキビは、面皰(コメド)とよばれる、『ニキビの素』が形成されることによって始まります。

面皰(コメド)が作られる

コメドというのは、皮膚に存在する毛穴が、何らかの要因によって閉塞し、毛穴が膨らんだ状態です。

 

皮脂分泌が多かったり、汗や角質が溜まってしまったり、原因は人によってまちまちですが、毛穴が詰まるというのが、ニキビの最大の要因です。

丘疹(ニキビ)ができる

丘疹とよばれるものが、いわゆる『ニキビ』です。

 

詰まった毛穴が炎症を起こし、赤く腫れ上がります。

 

毛穴にはたくさんの『皮脂』が詰まっているので、アクネ菌がどんどん繁殖します。

膿疱炎症が広がり膿ができる

炎症に細菌感染(皮膚にはたくさんの細菌がいます)が合併し、膿を持ったニキビが形成されます。

 

痛みや熱を持ったニキビになります。

ニキビができる要因

 

はいたっち

① 皮脂の分泌やターンオーバーが乱れる

② 過剰な皮脂で毛穴が詰まる

③  最近が繁殖する

 

このようなプロセスを経て、ニキビが繰り返される事になります。

【ニキビの治療薬まとめ】医療用医薬品(病院でもらえる薬)

画像引用元;尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016

 

ここからは、ニキビに対する医療用医薬品を解説していきます。

 

ニキビの治療薬は、大きく3つに分けることができます。

 

  • 炎症を抑える薬
  • 毛穴の詰まりを減らす薬
  • 体質を改善する薬

 

はいたっち

この3つの薬を組み合わせて治療するよ!

抗菌薬(抗生物質)で炎症を抑える

すでに炎症を起こした状態のニキビに対して、抗菌薬が用いられます。

外用抗菌薬

  • ダラシン(クリンダマイシン)
  • アクアチム(ナジフロキサシン)

これらの抗菌薬は、細菌を死滅させ、ニキビの炎症を抑える薬です。

 

炎症を起こしたニキビに塗布する必要があります。

 

皮膚全体に塗るものではありません。

内服抗菌薬

  • ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
  • ミノマイシン(ミノサイクリン)

化膿しており、炎症性のニキビには内服の抗菌薬を使用します。

 

抗菌薬なら『何でもいいといえばなんでもいい』のですが・・・

 

ガイドラインでの推奨度が高いものは、ビブラマイシンとミノマイシンです。

【面皰に効く】毛穴の詰まりを取り除く

抗菌薬を使って、炎症性のニキビだけを退治していても、次から次へと面皰が形成されれば、ニキビは治りません。

 

ニキビを撃退したければ、毛穴の詰まりを取り除く必要があります。

 

毛穴の詰まりを取り除く外用薬を紹介します。

ディフェリンゲル(アダパレン)

アダパレンが登場してから、ニキビ治療が大きく変化しました。

 

アダパレンは、毛穴の詰まりを改善させ、面皰ができにくくする薬です。

 

面皰ができにくくなれば、次第にニキビの量は減っていきます。

過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)

ベピオゲルは、角質を取り除き、面皰を作りにくくする作用だけではなく、アクネ菌(ニキビ菌)に対する抗菌活性も持ち合わせる薬剤です。

 

ガイドラインにおいて、面皰と炎症性皮疹(炎症を起こしたニキビ)の両方で推奨されている薬剤です。

クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル配合(デュアック)

抗菌薬クリンダマイシンと、毛穴の詰まりを取り除く過酸化ベンゾイルの配合剤が、デュアックです。

 

炎症ニキビから面皰まで、複数のニキビが混在しているような場合には、配合剤が有効です。

アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオゲル)

毛穴の詰まりを取り除く、アダパレンと過酸化ベンゾイルを配合したものが、エピデュオです。

 

エピデュオは2剤の混合剤であり、非常に強力な分、副作用(皮膚への刺激)も強く発現します。

 

まずは各薬剤での治療を優先させる必要があります。

 

本剤はアダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤であり、各単剤よりも皮膚刺激が発現するおそれがあるため、本剤よりも先に各単剤による治療を考慮すること。

添付文書より

体質や皮膚を改善させる薬

薬を使って、ニキビの炎症を抑えたり、面皰の形成を抑制することは、重要な治療戦略です。

 

しかしそれ以上に、体質改善や、皮膚の改善が大切です。

 

食生活や運動などの、生活習慣を見直した上で、皮膚のケアや体質改善を行いましょう。

ヒルドイド(クリーム・ローションなど)

ヒルドイドは、必ずといっても良いほど処方される保湿剤です。

 

あくまでも保湿剤ですので、ヒルドイドを塗ったからといって、劇的に症状が改善されるわけではありません。

 

しかし、地道に肌や皮膚のケアをすることが、回り道のようで、ニキビ治療の唯一の道です。

漢方

ニキビに対して漢方薬が用いられることがあります。

 

ひとりひとりの病態や体質に応じて、漢方薬が決められます。

 

 

はいたっち

皮膚科では、大きく分けて3つのアプローチでニキビを治療するよ!

ニキビ治療は簡単じゃありません!

真剣に患者さんと向き合う姿勢が必要です。

 

 

Sincerely,

Hitouch

 

 

参考資料

尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016

 

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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
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瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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