こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
高齢者におけるスタチン治療は冠動脈疾患の二次予防効果が期待できる
(推奨グレード A)
高齢者脂質異常症 診療ガイドライン 2017 – 日本老年医学会
高齢者に対するスタチンの2次予防は、ガイドラインで推奨されています。
では、1次予防に関してはどうでしょうか?
前期高齢者(75 歳未満)の高 LDL-C 血症に対する、スタチン治療は冠動脈疾患,非心原性脳梗塞の一次予防効果が期待できる
(推奨グレード A)
高齢者脂質異常症 診療ガイドライン 2017 – 日本老年医学会
前期高齢者の高LDLコレステロール血症の治療に使った場合は、冠動脈疾患の1次予防に貢献できるとの事です。
ではでは、高LDLコレステロール血症がない高齢者に使用するのはどうなのでしょうか?
心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の予防ガイドラインでは、CVDのリスクが年齢と強く関連していることから、高齢者(75歳以上)の大部分をスタチン療法に適格であると評価しています。
しかし、スタチンが冠動脈疾患の1次予防になるというエビデンスは乏しく、高齢者であればスタチンを投与しておけば良いというのは、ちょっとざっくりしすぎなのでは?
ということで、臨床試験がおこなわれています。
スタチンは高齢者冠動脈疾患の1次予防が可能か?
臨床試験の詳細
後ろ向き研究
研究対象者は、アテローム性CVDを有しない高齢者(75歳以上)47,000人。
対象者の16%がスタチンを開始した。
追跡期間の中央値は7.7年。
*)cardiovascular disease:CVD
試験結果
多変量で補正後、糖尿病を有しない参加者において、スタチンはアテローム性CVDおよび全死因死亡のリスクを低下させなかった。
2型糖尿病を有する75〜84歳の参加者においては、スタチンはアテローム性CVDのリスクと全死因死亡のリスクを有意に低下させた。
2型糖尿病を有する、85歳以上の対象者においてはいずれのリスクも低下させなかった。
2型糖尿病患者には利益があるかも!?
スタチンは、75〜84歳の2型糖尿病患者を除き、高齢者における心血管疾患および全死因死亡のリスクを低下させませんでした。
後ろ向き観察研究であり、多変量解析での補正が実施されているとはいえ、多くの交絡因子が存在します。
この研究だけで、スタチンの1次予防効果を結論付けることはできませんが、今後もスタチンは患者個々の病態を把握しながら処方していくという事になりそうです。
間違っても、サプリメント替わりにバクバク食べるというものではありません。
Sincerely,
Hitouch
年収を上げたい薬剤師さんにおすすめ
全国の情報や派遣求人の見通しなど貴重な情報が手に入ります。
情報量がものすごい!こちらも必ず登録すべきです。
派遣以外の求人数がすごい!派遣以外の市場調査もしましょう。
薬剤師さんに人気の記事
【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
医療・投資・自己啓発系のライティングを得意とする医療ライター
オススメ HitouchLIFE