こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
延命なのか?
救命なのか?
ひとつの医療行為に対して、それが救命なのか延命なのかを決めることは難しい。
医療スタッフにとってのDNR(do not resuscitation)と、個々の患者や家族にとってのDNRは、イメージが異なっているかもしれません。
DNRとは尊厳死の概念に相通じるもので,癌の末期,老衰,救命の可能性がない患者などで,本人または家族の希望で心肺蘇生法(CPR)をおこなわないこと。
日本救急医学会救命救急法検討委員会
延命や救命の境界線を知ろうとすると、『人の尊厳』という、神のみぞ知るような世界に足を踏み入れることになります。
『尊厳死』という概念は、『医療』という神をも恐れぬ行為を手にした、我々人類に立ちふさがる壁なのでしょうか。
自分らしい生き方
人類に与えられた尊厳は、生き方だけではありません。
どんな最後を迎えるか・・・
自分らしい最後の迎え方
『自分らしい最後』を迎えるために、『リビングウィル』という方法があります。
Contents
リビングウィル(LW)とは何か?
リビングウィル(LW)とは、「生前に発効される遺書」のことです。
リビングウィルは、「生前意思」という訳され方をします。
生きていても意思表示のできない状態になり、その回復が見込めなくなったときに適応される「意志」の事です。
医学の進歩によって、劇的な延命が可能になりました。
人工呼吸器を使えば、自分で呼吸ができない人にも酸素を供給できます。
胃に穴をあける胃ろうを装着すれば、食事ができない人にも栄養を与え続けることができます。
本人に意識がなくても、たとえ本人が家族に負担をかけたくないと願っていたとしても、伝える事ができなければ、一度取り付けた人工呼吸器を外すことは容易ではありません。
自分の意識があるうちに、『自分の最後を思う』事こそが、リビングウィルです。
安楽死とは?尊厳死とは何か?
死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。
延命措置を行わないこととは、明らかに異なりますし、日本では患者を安楽死させた事件では、いずれも医師の有罪判決が確定しています。
日本尊厳死協会
『安楽死』や『尊厳死』というのは、非常にデリケートなテーマであり、多くの考え方がある部分だろうと思います。
現在の日本では安楽死は認められていません。
世界に目を向けてみると
「個人の自由を最大限尊重し、人生は自己決定に委ねられるべき」
世界には、こんな考え方が一般的な国々もあります。
同じ人間であっても、国によって『死』に対する向き合い方も異なります。
尊厳死とは?
尊厳死とは、人間が人間としての尊厳を保って死に臨むことであり、インフォームド・コンセントのひとつとされる。
ウィキペディア
尊厳死は安楽死とは大きく異なります。
インフォームド・コンセントというのは、医師と治療内容を話し合う事です。
尊厳死は、インフォームド・コンセントの1つとされているように、自らがどのような『治療』を受けた上で、死を迎えるかという考え方です。
痛みを緩和するために生命を絶つのではなく、延命や救命に対する自らの考えを治療に反映させ、その上で自分らしい死を選ぶという事です。
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リビングウィルが扱うのは尊厳死
リビングウィルは、最期まで自分らしい意思を尊重した治療を行うためのツールです。
意思表示ができなくなった時に、自分がどのような治療を受けたいのかを事前に意思表示しておく必要があります。
そのためには・・・
- 人工呼吸器の装着はどうするか?
- 心臓が止まった時に、心臓マッサージはどうするか?
- 胃瘻を作って栄養を送るような治療をうけたいか?
- 高カロリー輸液による栄養補給は受けたいか?
- などなど
このような質問にひとつひとつ回答していく事になります。
リビングウィルが扱うのは『尊厳死』です。
自分らしい最後を迎えるための『治療』を決定する事です。
安楽死を希望するための同意書ではありません。
リビングウィルの作成方法
インターネットで検索を行えば、多くのテンプレートがあります。
どのテンプレートでも良いので、1つ選んで実際にご覧ください。
リビングウィルを作成する際には、自分にとって書きやすいものを真似して書くと良いと思います。
そして、かかりつけの医師には書いたことを伝えておきましょう。
入院や施設に入所する際にも、主治医に提出しましょう。
参考までに、インターネットで閲覧可能なリビングウィルの書式を添付しておきます。
参考資料
聖路加国際病院リビングウィル
医療用語解説
人工呼吸器とは
様々な要因により、自分の力では呼吸ができなくなった時に使用する機械です。
人工呼吸器を使用するときは、管を口から気管まで挿入します。
ドラマでよく見るような、マスクを口に当てて『シューシュー』しているのは『酸素吸入』であり、人工呼吸器ではありません。
『人工呼吸』という医療行為に関しても、医療従事者と患者の間に、認識の隔たりがないように、しっかりと説明する必要があります。
人工呼吸器の使用を一度開始すると、呼吸状態が改善するまで器械を外すことは困難になります。
胃瘻(胃ろう)とは
口から食事がとれない場合に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法です。
体外から直接、胃に水分・栄養を入れるために、皮膚と胃の間に穴を作ります。
その穴の事を、胃瘻といいます。
胃瘻からチューブを通して、直接栄養を流し込むことができます。
栄養だけではなく、内服薬を投与することも可能になります。
胃瘻を使った経管栄養によって、長期間の十分な水分・栄養補給が可能になります。
高カロリー輸液とは
中心静脈とよばれる、普通の静脈よりも太い静脈を使うことで、より高濃度の栄養を点滴から補給することができます。
通常の点滴では投与できないレベルの栄養を投与可能にすることで、長期生存が期待できます。
点滴ですので、生きるためにじゅうぶんな量の水分を供給することも可能になります。
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自分の最後を見つめるということ
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)
もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?
これは、世界を変えたスティーブジョブズの名言です。
自分の最後を見つめるという事は、自分の『今』を輝かせる方法の1つです。
リビングウィルがくれるものは『自分らしい死』だけではないと思います。
自分らしい人生
自分の人生を光り輝くものにし、自分らしく最後まで『生きる』ために・・・
リビングウィルという方法を知って下さい。
Sincerely,
Hitouch
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【記事原案提供者】
DADAさん/保健師
現在は病院勤務の保健師
多くの現場での勤務経験を持つ
【執筆者/編集者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
医療・投資・自己啓発系のライティングを得意とする医療ライター
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