平成 30 年9月 25 日に開催された、『薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会』において、腎機能に異常がある患者に対する、スタチンとフィブラート併用における、「原則禁忌」の解除がされています。
腎機能に異常がある場合、横紋筋融解症のリスクが上昇するということで、従来『スタチン』と『フィブラート』は、原則併用禁忌でした。
しかし、世界では腎機能の低下した症例においても、スタチンとフィブラートの併用は行われており、日本でも両剤の併用可能となるように、日本動脈硬化学会が要望していました。
そのような背景の中、国内外のガイドラインの状況や最新の知見を踏まえた上で、添付文書上の原則禁忌の文言が削除となっています。
参考
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知
横紋筋融解症のリスクに注意すること!
添付文書上『原則禁忌』の文言が削除されたとはいえ、横紋筋融解症のリスクが減少したわけではありません。
引き続き有害事象発現にじゅうぶん注意しながら、処方する必要があります。
HMG-CoA 還元酵素阻害薬(スタチン)
スタチンはコレステロールの合成を阻害する薬剤です。
コレステロール低下作用は強力で、高LDLコレステロール血症に対する第一選択薬として使用されています。
プラーク安定化作用
スタチンが持つ効果は、コレステロール低下作用だけではありません。
動脈硬化が進むと、血管内に『プラーク』が形成されます。
*)プラークはドロドロの塊みたいなもの
プラークが破れたり、大きくなったりすると、血管を詰まらせてしまいます。
スタチンには、このプラークを安定化させる作用があるといわれています。
高感度CRPを低下させる
スタチンによって高感度CRPが低下する事が報告されています。
これにより抗炎症作用も期待でき、多面的に心血管イベントを抑制すると考えられます。
代表的なスタチン
- プラバスタチン
- シンバスタチン
- フルバスタチン
- アトルバスタチン
- ピタバスタチン
- ロスバスタチン
フィブラート系
VLDLの異化促進作用や、合成阻害作用により、主にTG(トリグリセリド)を低下させます。
ワーファリンとの相互作用に注意!
フィブラートとスタチンの相互作用は誰しもが知っていても、ワーファリンとの相互作用を知っている人はどれくらいいますか?
フィブラート投与により、ワルファリンの作用を増強する可能性があります。
本剤による抗凝血薬の作用部位の親和性の増加による抗凝血薬の作用増強が考えられる。
ベザトール添付文書より
腎機能に注意!!
腎排泄型ですので、腎機能に注意しましょう。
血清クレアチニン≧2mg/dlは要注意です!!
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
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