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【BRCA検査の倫理的側面?個人情報の保護?】BRCA遺伝子と乳癌の関係とは?

遺伝性の腫瘍は、腫瘍(がん)全体の約5%を占めると考えられています。

 

がんという病気は、遺伝する可能性があるということです。

 

本記事では、乳がんの発生に大きく関わる、BRCA遺伝子について、簡単に解説します。

 

そもそも遺伝子と病気の関係は?

遺伝子は遺伝するの?

BRCA遺伝子と乳癌の関係は?

BRCA乳癌の治療薬リムパーサって?

BRCA検査に伴う倫理とは?

 

*)2019年2月現在の情報です

 

遺伝子とがんの関係とは?

人の体の大部分はタンパク質で構成されており、このタンパク質の設計図となるのが遺伝子です。

 

この遺伝子に変異(異常)が起こることで、様々な病気の原因となります。

 

遺伝子の変異によって起こる病気の1つが『がん』です。

遺伝子変異は遺伝するのか?

『遺伝』子というだけあって、遺伝子は『遺伝』します。

 

では、遺伝子の変異は遺伝するのでしょうか?

生殖細胞系列変異と体細胞変異

遺伝子変異の中でも、生殖細胞系列変異は、子孫に遺伝します。

 

仮に自分がその遺伝子を持っているとしたら、自分の両親や祖父母も、その遺伝子を持っている可能性があります。

 

一方で、体細胞変異というのは非遺伝性です。

 

体細胞変異は、生まれた後の環境によって、後天的に獲得する変異です。

 

つまり、遺伝子変異の中でも、生殖細胞系列変異によって発生する癌は、『遺伝する』可能性があるという事になります。

 

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BRCA遺伝子と乳癌の関係性

 

米国人女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(39)が、卵巣がんを予防するために、2015年3月、両側の卵巣・卵管を切除する手術を受けた。

2013年5月には、乳がんを予防するために、健康な両乳房を切除して再建する手術を受けており話題となった。

プレジデントオンライン

 

アンジェリーナ・ジョリーさんが、乳房を切除したニュースは大きな話題となりました。

 

なぜ彼女はこんなことをしたのでしょうか?

BRCA遺伝子変異で発がんリスクが上昇する

Estimated Cumulative Risks of Breast and Ovarian Cancer in Mutation Carriers

参考文献

Risks of Breast, Ovarian, and Contralateral Breast Cancer for BRCA1 and BRCA2 Mutation Carriers

 

BRCA遺伝子変異を持つと発がんリスクが上がることが分っています。

 

彼女は、BRCA遺伝子に変異を持つことが分ったために、『予防的』に乳房を切除したということです。

 

BRCA1またはBRCA2に変異をもつ女性の場合、70歳までの乳癌発症リスクは57%と49%です。

 

卵巣がんにおいては、40%と18%と推定されています。

 

この数字は、一般女性(BRCA変異なし)よりも、かなり高い数字です。

 

はいたっち

BRCA遺伝子変異があるからといって、100%がんになるわけではないよ。

乳がん患者の7%~10%が遺伝性

遺伝性乳がんは、乳がん患者の7~10%を占めることが分っています。

 

さらに、それらの遺伝性乳がんの原因のうち、約50%にBRCA遺伝子が影響しています。

 

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BRCA遺伝子変異陽性乳癌の治療薬リムパーザ(オラパリブ)とは?

BRCA遺伝子変異陽性の乳癌に対して有効とされる薬が、リムパーザ(オラパリブ)です。

 

リムパーザは、BRCA遺伝子変異をもつ癌細胞を、細胞死(アポトーシス)へ誘導することで、抗腫瘍効果を発現します。

 

より詳細なリムパーザの効果はこちら

【PARP阻害薬】BRCA陽性乳がんにはリムパーザ(オラパリブ)!

 

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BRCA遺伝子検査の倫理的側面

最後に、BRCA遺伝子検査が持つ、慎重に検討すべき倫理的側面について紹介します。

 

乳がん患者さんがBRCA遺伝子検査を行うということは、『リムパーザが使えるかどうか』を検査するということです。

 

BRCA遺伝子変異が陽性であれば、リムパーザの適応となり、治療の選択肢が増えます。

 

しかし・・・

 

BRCA検査で判明することはこれだけではありません。

 

はいたっち

BRCA遺伝子変異があるということは、本人が癌になりやすいだけではなく、その家族(血縁者)も、癌になりやすい可能性があることを示しているよ。

 

検査の結果によっては、本人またはその血縁者が、『遺伝性腫瘍になりやすいかどうか』ということが、判明してしまいます。

 

本来は『薬が効くかどうか』の検査をしていたにもかかわらず、『遺伝性腫瘍になりやすいかどうか』が分ってしまうという事です。

 

しかも、場合によっては、この情報は血縁者にも影響を及ぼします。

 

もちろん、遺伝子の情報が分っていれば、早めのがん検診を受けるなど、事前の対策が可能になります。

 

このように、遺伝子検査で分かる個人情報というのは、本人を越える情報となる場合があります。

 

患者さんとのインフォームドコンセントはもちろん、情報の取り扱いは慎重に検討しましょう。

 

 

Sincerely,

Hitouch

 

 

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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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