こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
アスピリンは心血管イベントの二次予防に用いられる医薬品として、十分に確立されたエビデンスを持っています。
しかし、心血管疾患の「一次予防」としての効果は未知の部分が多く、とりわけ高齢者において明らかではありません。
アスピリンはエビデンスが豊富なだけではなく、安価で副作用も軽度です。
心血管イベントの一次予防にも効果があるという事であれば、ものすごい費用対効果が想定されます。
実際の効果はどうなのでしょうか?
こんな事を調べた臨床試験が報告されています。
参考
【アスピリンジレンマ!?】あなたはどこまで知ってる?バイアスピリンの事を
健康な高齢者における心血管イベントに対するアスピリンの効果とは?
参考文献
Effect of Aspirin on Cardiovascular Events and Bleeding in the Healthy Elderly
臨床試験の方法
2010~14 年に、オーストラリアと米国の地域住民男女で年齢が70歳以上で、心血管疾患、認知症、身体障害のない人が対象。
対象者をアスピリン群とプラセボを投与する群に無作為に割り付け。
主要評価項目
死亡、認知症、持続性の身体障害
副次的評価項目
重大な出血、心血管疾患(致死的冠動脈疾患・非致死的心筋梗塞・致死的非致死的脳卒中・心不全による入院と定義)
結果
試験参加者19114人
アスピリン群(n=9525)、プラセボ群(n=9589)
心血管疾患の発生率:アスピリン群 10.7件/1000人、プラセボ群 11.3 件/1000人(ハザード比 0.95,95%信頼区間 [CI] 0.83~1.08)。
重大な出血の発生率:アスピリン群 8.6 件/1000人、プラセボ群6.2 件/1000人(ハザード比 1.38,95% CI 1.18~1.62,P<0.001)。
結論
高齢者の心血管疾患の一次予防として、低用量アスピリンの使用は、プラセボと比較して心血管疾患のリスクに有意な低下が認められず、重大な出血リスクは上昇した。
あとがき
試験結果はネガティブでした。
一次予防効果が認められれば、アスピリンが夢の薬になるところでしたが・・・残念です。
アスピリンは血液をサラサラにする薬である事は間違いありませんが、血液をサラサラにすることで、どんなメリットがあるのかを知っておくと良いでしょう。
少なくともこの試験の結果では、アスピリンを使って血液をサラサラにしたところで、心血管イベントの一次予防にはならない事が明らかとなりました。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の編集者】
Hitouch「T」
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