生活習慣病

チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)で浮腫が起こるメカニズムは?

糖尿病診療ガイドライン2019

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糖尿病治療薬の中でも、インスリン抵抗性改善薬として知られる、チアゾリジン系ピオグリタゾン(商品名:アクトス)は、浮腫が起こることが知られています。

ピオグリタゾンは浮腫に注意、ということを知っている薬剤師は多くても、なぜ浮腫が起こるのか?ということを知っている薬剤師は少ないでしょう。

そこで今回は、ピオグリタゾンの薬理作用に加えて、浮腫が起こるメカニズムを紹介します。

おまけとして、一時期話題となった、チアゾリジン系と膀胱癌の関係も紹介します。

ピオグリタゾン(アクトス)の作用機序は?

ピオグリタゾンは、脂肪細胞の核内転写因子であるPPARγのアゴニストとして作用します。

ピオグリタゾンによって脂肪細胞の分化が促進され、脂肪前駆細胞は小型脂肪細胞に分化し、大型脂肪細胞はアポトーシスが促されます

加えて、TNF-αの発現を抑制することで、インスリン抵抗性を改善することも分っています。

このように、ピオグリタゾンの作用機序は単一ではなく、様々な側面からアプローチして、結果的にインスリンの抵抗性を改善します

ピオグリタゾンで浮腫が起こる薬理作用とは?

ピオグリタゾンの特徴の1つとして、尿細管でNaと水の再吸収を促進するという作用があります。この特徴が浮腫の原因となります。

尿細管でNaと水を再吸収することにより、体液貯留傾向を示します

つまり、体液の貯留傾向により、全身性に浮腫が発現する可能性がありますので、特に心疾患を合併している患者には注意が必要です。

ピオグリタゾンは太るのか?

ピオグリタゾンによる体重増加は有名ですが、この原因の多くは体液の貯留にあります。

そのため、利尿剤を使用するなど、適切な対応を行うことで、体重をコントロールすることも可能です。

体重増加を嫌う患者には、しっかりと説明することが大切です。

チアゾリジンと膀胱癌との関係は?

ピオグリタゾンの服用によって膀胱癌のリスクが上がるという、センセーショナルなデータが出たのは、つい数年前のことです。

フランスでは、このデータが出たことによって、製品の回収措置等も行われました。

一方で、アメリカで行われた研究では、統計的に有意なリスク上昇は認められず、現在は日本も含めて『注意喚起』という状況です。

詳しくはPMDAのウェブサイトをご確認ください。

PMDA

ピオグリタゾン|アクトスのDI情報

アクトスのDI情報を記載しておきます。

効能効果

2型糖尿病

用法用量

SU/αGI/ビグアナイドと併用

通常、成人にはピオグリタゾンとして15〜30mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、45mgを上限とする。

インスリンと併用

通常、成人にはピオグリタゾンとして15mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、性別、年齢、症状により適宜増減するが、30mgを上限とする。

禁忌

  • 心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
  • 重篤な肝機能障害のある患者
  • 重篤な腎機能障害のある患者
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人

薬価

薬 品 名規 格薬 価
アクトス錠1560.6
アクトス錠30112.7
アクトスOD錠1560.6
アクトスOD錠30112.7

参考書籍

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