こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
インフルエンザシーズンが近づいています。
ワクチンの予防接種は可能な限り行いましょう。
関連記事 予防接種の隠された秘密!子供や高齢者を守る集団免疫とは!?
インフルエンザに関する知識を吸収することは、自分自身や患者さんを守る事になります。
今年のインフルエンザ対策を適切に行うためにも、インフルエンザの知識を向上させましょう。
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Contents
インフルエンザの感染経路は?飛沫・接触・空気感染??
インフルエンザの感染経路は基本的に「飛沫感染」と「接触感染」です。
「インフルエンザは空気感染する」という問題は、医療系の国家試験ではよくあるひっかけ問題です。
空気感染するのは結核、水痘、麻疹です。
インフルエンザは空気感染しないと思われていたのですが・・・。
*)換気がじゅうぶんな場合
インフルエンザが空気感染するの“かも”しれないという考え方が出てきました。
参考文献 Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community
文献を紹介する前に、まずはそれぞれの感染経路について復習しておきましょう。
参考サイト 標準予防策と感染経路(接触・飛沫・空気)別予防策のまとめ
接触感染とは?
接触感染は、直接手から手にウイルスや細菌が伝播していく感染様式です。
接触感染は、直接接触感染・関節接触感染の大きく2つに分類することができます。
直接接触感染
皮膚や粘膜の直接的な接触によって病原体が伝播する感染様式です。
感染者との直接接触により感染します。
関節接触感染
医療従事者の手や医療器具、手すりやタオルなど、物体の表面を介して間接的に接触することで、病原体が広がっていきます。
感染者のケアをする健常者の手に病原体が付着していると、直接感染者に触れていない第3者が感染することになります。
接触感染の代表疾患
- インフルエンザ
- プール熱
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- MRSA
- 腸球菌
- 結膜炎
- 乾癬
- などなど
接触感染予防策
接触予防策で重要なのは手指衛星(手洗い)です。
手袋やエプロンなど、医療スタッフは患者ケアの際に「接触予防策」を行いますが、誰でもできる最も効果的な方法が「手洗い」です。
排泄物の処理にも注意が必要です。
飛沫感染とは?
飛沫感染咳は、咳やくしゃみ、近距離での会話など、病原体を含む飛沫が直接短距離にある結膜や鼻粘膜、道粘膜などに付着して感染する感染様式です。
飛沫は直径5μm以上とされており、拡散範囲は1メートル以内だといわれています。
飛沫は大きくて重たいので空気中にとどまる事はできません。
ただし、咳やくしゃみの飛沫は約 2メートル飛散します。
飛沫感染の代表疾患
- インフルエンザ
- マイコプラズマ
- 百日咳
- 風疹
- おたふく
- などなど
飛沫感染予防策
飛沫感染を予防するには、手洗いうがいはもちろんの事、サージカルマスクを適切に着用することが大切です。
マスクは患者だけではなく、患者に接触する人も着用しましょう。
患者との至近距離(1メートル)での接触を避ける事も必要です。
飛沫感染では特別な空調(陰圧室)を必要とはしませんが、適切な換気を行うことは重要です。
空気感染とは?
病原体を含む飛沫は、水分が蒸発した後に5μm以下の「飛沫核」となり、その飛沫核が空気の流れにそって広く拡散します。
飛沫核は軽いので長時間広範囲にわたって病原体を広げます。
この飛沫核を吸引することで感染するのが、空気感染です。
空気感染の代表疾患
- 結核
- 水痘
- 麻疹
空気感染予防策
空気感染を予防するには特別な空調(陰圧)や特別なマスク(N95)が必要です。
それだけではなく、豊富な知識や経験が必要です。
病原体が最も広く拡散するので、最も厄介な感染様式であるといえます。
インフルエンザは空気感染する“かも”しれない
参考文献 Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community
インフルエンザの感染様式は飛沫感染や接触感染だといわれています。
5μm以上の大きさの「飛沫」が患者から飛び出し、直径1~2m範囲にウイルスが広がると考えられています。
しかし新たな研究により、長期間空中で浮遊可能な5μm以下の微小粒子によっても伝播するのではないかと懸念されいます。
論文紹介:Infectious virus in exhaled breath of symptomatic seasonal influenza cases from a college community
2012~2013年のインフルエンザシーズン中に、インフルエンザ感染が確認されたボランティア142例が対象。
インフルエンザ発症後最初の3日間に、鼻咽頭スワブと、参加者が普通に呼吸しているとき、話しているとき、咳やくしゃみをしたときに採取した30分間の呼気(微小および粗大)に含まれるインフルエンザウイルスの有無を評価。
*)鼻咽頭スワブとは、インフルエンザの診断時に使う「鼻につっこむ綿棒」の事
結果
感染性ウイルスは、鼻咽頭検体の89%と微小エアロゾル検体の39%に存在した。
微小エアロゾル検体と粗大エアロゾル検体ではそれぞれ30分あたり3.8×104と1.2×104であった。
鼻咽頭スワブでは1検体あたり8.2×108であった。
微小エアロゾル検体中のウイルス排出量は、発症後の日数とともに減少した。
「男性」もしくは「咳をすること」がエアロゾル増加の要因であった。
インフルエンザはいったいどれほどの脅威なのか?
インフルエンザの恐ろしさはその感染力と速さです。
小学校で1人が発症すると、あっという間にクラス全体に広がり学級閉鎖になります。
その要因が「空気感染」にあるのだとしたら、大幅な対策の見直しが必要になるかもしれません。
Sincerely,
Hitouch
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