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【インフルエンザワクチン】予防接種の隠された秘密!子供や高齢者を守る集団免疫とは!?

インフルエンザワクチン接種のシーズンが近づいてきています。

 

インターネットで検索すると、インフルエンザワクチンに関する見解は様々です。

 

  • 必ず接種すべき
  • しないよりは接種した方が良い
  • 接種すると体調が悪くなる
  • 接種してもインフルエンザになる
  • 子供だけ接種すればよい

 

どうするのが良いのでしょう。

 

結論を書きます。

 

接種することを強く推奨します。

*)アレルギーがある人、何らかの理由により医師に禁止されている人は除く

 

一般的にインフルエンザワクチンは接種すべきです。

 

また、子供や受験生だけ投与すればよいと思っていませんか?

 

その考えは間違っています。

 

全員が投与することによって「集団免疫」を獲得できるからです。

 

集団免疫は、猛烈なインフルエンザから身を守る盾となります。

 

インフルエンザワクチンは可能な限り接種しましょう。

 

インフルエンザから子供を守る!集団免疫とは?

集団免疫とは?

多くの人が予防接種によって免疫を獲得することで、ウイルスや細菌による感染症の蔓延が防止できる間接的な予防効果のこと。

子どもなど一定割合の集団にワクチンを打つ取り組みを続けると、免疫のない者と感染者の接触する確率が低くなり、社会全体での感染症の流行を防ぐことが可能になる。

免疫力が低いために予防接種を受けられない新生児や免疫不全の人、重症化する可能性がある高齢者などを感染から守ることにもつながるとして、医療関係者から重要性が指摘されている。

コトバンク

集団の中で一定割合以上の人たちがワクチンを摂取し、ウイルスに対する免疫を獲得する事で、集団免疫が発動します。

その結果、免疫を持たない人たち(様々な理由からワクチンを接種できない)もウイルスから守る事ができます。

集団免疫は、社会全体で作り出す大きな免疫機構ともいえます。

集団免疫に関する論文がN Engl J Medに掲載されています。

The Japanese Experience with Vaccinating Schoolchildren against Influenza

参考文献

The Japanese experience with vaccinating schoolchildren against influenza.

背景

日本では1962 ~ 87年までの期間、多数の日本の学童がインフルエンザワクチン接種を受けていた。

学童ワクチン接種は 10年以上法制化されていたが、1987年に緩和され、1994年には廃止された。

これ以降インフルエンザワクチンの接種率は低レベルへと下降した。

ほとんどの学童がインフルエンザワクチン接種を受けていた期間に、日本ではインフルエンザに対する集団免疫が成立していた可能性がある。

もし集団免疫が成立していたならば、この期間には高齢者においてもインフルエンザの発症とインフルエンザによる死亡が低下していたはずである。

方法

1949~98年末までの日本と米国におけるすべての原因による月別の死亡率と、肺炎およびインフルエンザによる月別の死亡率を分析。

さらに、インフルエンザワクチンの接種率に関する国勢調査と統計量データについての分析も行った。

11月の平均死亡率を基準値として、この基準値を超えた月間当りの超過死亡者数を各冬期ごとに推定した。

結果

日本と米国の両国において、肺炎およびインフルエンザによる超過死亡と、すべての原因による超過死亡には、高い相関性が認められた。

米国ではこれらの死亡率は時代を越えてほぼ一定であった。

これに対して日本の超過死亡率は、学童に対するインフルエンザワクチン接種プログラムの開始に伴って、米国と同程度にまで低下した。

日本の小児への予防接種は、1年間に約37,000~49,000人の死亡を防止していたと推測される。

これは、予防接種を受けた小児420人当り約1人の死亡を防止した結果であった。

その後学童への予防接種が中止されたとともに、日本の超過死亡率は上昇した.

つまり・・・

子どもにワクチンを接種したことが、子どもたち自身のインフルエンザ発症や重症化を抑えていただけでなく、高齢者の発症をも抑える役割を果たしていたことが分かった。

集団免疫に対する考察

ワクチンに関してのネガティブな意見は今でもたくさんあります。

 

  • ワクチン株と流行株が違う
  • 摂取してもインフルエンザにかかる
  • 摂取することで副作用が出る
  • 接種費用が高い
  • 自分は健康だから打つ必要はない
  • 別にインフルエンザになったっていい

 

たしかにワクチンは個人を守るために存在します。

 

しかし、集団免疫という形で社会全体を守るためにも、ワクチンは接種することを勧めます。

 

アレルギーや病気などの様々な理由でワクチンを接種できない人はたくさんいます。

 

その人たちをインフルエンザの脅威から守るためにも、集団免疫は重要な役割を果たします。

 

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インフルエンザ予防接種率を向上させるコツ

社会全体を守る集団免疫を発現させるためにも、より多くの人に予防接種を受けてもらう必要があります。

どうすればインフルエンザ予防接種率を向上させることができるでしょう?

 

  • 不安をあおる?
  • 強制する?
  • お願いする?

 

違います!

とても面白い方法があります。

集団免疫の教育をすることが社会を守る!?

集団免疫について説明することは、インフルエンザの予防接種を受ける重要性をより多くの人々に納得させる可能性がある。

 

こんな論文を見つけましたので紹介します。

参考文献
‘What have you HEARD about the HERD?’ Does education about local influenza vaccination coverage and herd immunity affect willingness to vaccinate?

論文紹介

米国では、生後6か月から、毎年インフルエンザ予防接種をほぼ全員が受けることを推奨しているが、このアドバイスに従っているのは米国人の半数未満である。

 

毎年のインフルエンザ予防接種を受けない人は集団免疫を低下させるため、医療上の理由で予防接種を受けることができない少数の住民にウイルスが広がることを防ぐ効果を弱めている。

 

地域社会における集団免疫を獲得するには、少なくとも70%の人々が毎年のインフルエンザ予防接種を受ける必要があると、研究者らはオンライン版Vaccine 誌で発表された論文の中で指摘している。

 

今回の研究では、554名の成人に、毎年のインフルエンザ予防接種をどのくらいの頻度で受けているか、地域社会において毎年インフルエンザ予防接種を受けている人々の割合はどのくらいか、そして、集団免疫について知っているかどうかを尋ねた。

 

全体で、参加者の37%が集団免疫について知らなかった。

 

予防接種を受ける予定であると回答したのは、集団免疫について知っている参加者では79%であったのに対し、集団免疫をよく知らない人々では68%だけであった。

 

集団免疫に関する教材を研究者らが人々に渡した後、進んで予防接種を受けようとする人々の割合は増加した。

 

教育により、当初は集団免疫について知らなかった人々の75%が予防接種を受けるつもりであると述べ、調査開始時に集団免疫についてよく知っていると述べた人々の80%も同様に述べた。

考察

この研究はあくまでもアンケート調査で、「インフルエンザ予防接種を受ける意欲」を判定しているにすぎません。

 

「予防接種を受けるつもり」だと回答した人たちも、実際に受けたかどうかはわかりません。

 

なにせ・・・

 

予防接種にはお金がかかります。

病院に行く必要があります。

痛い思いをします。

 

インフルエンザ予防接種を受ける意欲が高まったからといって、接種率が向上するかどうかは分かりません。

 

しかし、医療教育は人々の意識を変える事ができます。

 

意識が変われば行動が変わります。

 

集団免疫について説明することで、インフルエンザ予防接種を受ける重要性を、より多くの人々に納得させる可能性があります。

 

社会全体の意識を変えて、集団免疫をより強固なものにするためには、集団免疫に対する教育を行っていく事が大切だと思います。

あとがき

少しでも多くの人に「集団免疫」について知ってほしいと思ってこの記事を書いています。

 

社会を守るためには個人個人の行動が大切です。

 

今年のインフルエンザシーズンはもうすぐそこまで来ています。

 

今年あなたはインフルエンザの予防接種を受けますか?

 

Sincerely,

Hitouch「T」

 

参考書籍

 

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【この記事の執筆者】

Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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