こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
アボルブカプセル(デュタステリド)という薬をご存知ですか?
PTPシート(外観)の独特なパッケージで、見覚えがあるという方は多いでしょうが、その薬効や副作用については、あまり知られていません。
アボルブカプセルというのは、デュタステリドという一般名の薬剤です。
5α還元酵素阻害薬というカテゴリーに分類され、前立腺肥大症に用いる薬剤です。
効果発現までに時間がかかる薬剤です。
経皮吸収される薬剤のため、女性や小児は触らないように注意が必要です。
代表的な副作用は、性欲減退、女性化乳房などです。
こんな感じの薬剤です。
ということで・・・今回は、アボルブ(カプセル)について紹介していきます。
アボルブは抗がん剤とはちょっと違うんだ!
気をつけよう!
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Contents
【5α還元酵素阻害薬とは?】アボルブ(デュタステリド)の作用機序
まずはアボルブの作用機序から確認してみましょう。
5α還元酵素阻害薬
アボルブは5α還元酵素阻害薬です。
って言われてもあまりピンときませんよね。
ざっくり言ってしまうと・・・
アボルブは『前立腺を小さくする』薬です。
前立腺肥大症の病態
アボルブの適応となる前立腺肥大症は、前立腺が肥大することで尿管を圧迫し、尿の通り悪くなり、尿閉や残尿感など、各種排尿障害が出現します。
つまり、前立腺肥大症を改善するには、前立腺を小さくしてあげれば良い、という事になります。
それを可能にするのがアボルブです。
テストステロンの活性化を抑制する
前述したように、アボルブは5α還元酵素阻害薬とよばれています。
その名の通り、1型および2型の5α還元酵素を阻害する作用を持っています。
5α還元酵素を阻害するとどうなるの?
アボルブによって5α還元酵素が阻害されることで、テストステロン(男性ホルモン)から、より活性の高いDHT(ジヒドロテストステロン)への変換が抑制されます。
男性ホルモンの活性化が抑制されるため、結果的に肥大した前立腺が縮小します。
アボルブは“なんやかんや”して、男性ホルモンの活性化を抑制することで、肥大した前立腺を縮小させるよ!
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アボルブは効果発現に時間がかかる!?
投与開始初期に改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。
アボルブ添付文書より
アボルブは、ゆっくりと時間をかけて、薬効を発現します。
飲んですぐ効くような薬ではないので、しっかりと患者さんに説明することが大切です。
アボルブの半減期は?
そんなアボルブの半減期は、3週間から5週間だといわれています。
参考 添付文書
効果発現だけではなく、副作用発現時にも、『中止したからといってすぐに改善するわけではない』という認識が大切です。
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【女性や小児は注意!】アボルブは経皮吸収される
本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。
添付文書
アボルブは経皮吸収されることが分かっています。
女性や小児が不用意に触らないように注意しましょう。
女性や小児は禁忌だよ!
アボルブを触ってしまった場合の対応!
アボルブを触ってしまった場合は、直ちに流水で洗い流し、石鹸でしっかりと手を洗いましょう。
どうしよう…どうしよう…
慌てなくても大丈夫!
落ち着いて、すぐに、しっかりと手を洗いましょう。
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アボルブの副作用は?
アボルブはアンドロゲン(男性ホルモン)を抑制するために、様々な性腺系の副作用が発現します。
アボルブの副作用① 性欲(リビドー)減退
アボルブによって、性的衝動が抑制されることがあります。
リビドー減退といったりします。
アボルブの副作用② 勃起不全
国内臨床試験では3%程度の症例に発生しています。
3%っていうのは『まぁまぁ起こる』副作用です。
アボルブの副作用③ 女性化乳房
アボルブによって、女性化乳房だけではなく、乳頭痛や乳房不快感など、様々な乳房障害が発現する可能性があります。
合わせて読みたい
↓女性化乳房が起こる意外な薬剤とは??
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【PSAへの影響】アボルブの使用上の注意!!
アボルブは前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下させます。
PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして知られており、臨床上非常に有効な検査方法です。
アボルブによってPSAが低下するということは・・・
前立腺がんになりにくくなる!?
・・・
というわけではありません!!
アボルブによってPSAが低下してしまうことで、本来早期に発見できたであろう前立腺がんが見落とされるケースが考えられます。
そういった意味でも、専門医が処方するのがベターな薬剤でしょう。
アボルブが前立腺がんを抑制するわけではないことに注意しよう!
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
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