こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
フェロミアやフェロ・グラデュメット、インクレミンなど・・・
鉄欠乏性貧血に処方される鉄剤には、内服だけでも非常に多くの種類が存在します。
あまりにも日常的に処方されており、鉄剤に関して意識的に勉強をするということは少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、鉄剤の基本から、それぞれの具体的特徴までを紹介していきます。
たかが鉄剤かもしれないけど・・・
『便が黒くなる』以外の知識も勉強しておこう!
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Contents
【鉄剤の基本】鉄欠乏性貧血の治療薬とは?
各薬剤の詳細を確認する前に、まずは鉄欠乏性貧血について、基本をおさえておこう!
そもそも鉄欠乏性貧血とは?
貧血というのは、何らかの原因によって、血液中の赤血球の量が減少したり、ヘモグロビン(血色素)の働きが悪くなった状態です。
鉄欠乏性貧血とは
ほとんどの貧血は、鉄の欠乏によって発症する、鉄欠乏性貧血だといわれています。
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足した結果、ヘモグロビンの産生が不十分になるために発症します。
その他の貧血として、『再生不良性貧血』や『溶血性貧血』など、自己免疫性の貧血も存在します。
鉄欠乏性貧血治療の基本
鉄欠乏性貧血の治療の基本は、鉄の補充です。
食生活の改善などで、ある程度は鉄摂取量を改善することはできますが、それでも補えない場合に、鉄剤を使用して体内に鉄を補充することになります。
鉄欠乏性貧血では、『鉄が足りないから鉄剤で鉄を補充する』という治療が行われるよ!
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【鉄剤の特徴】クエン酸第一鉄・フマル酸第一鉄・硫酸鉄
鉄剤にはいろいろな種類があります。
ある調査では、7割近い医師が『クエン酸第一鉄(フェロミア)』を選択しているそうです。
参考
クエン酸第一鉄以外にも『フマル酸第一鉄』や『硫酸鉄』など、様々なタイプの鉄剤が存在します。
これらは何が、どのように違うのでしょうか?
徐放性か非徐放性か
鉄剤は、徐放性と非徐放性で分類することができます。
徐放性鉄剤
本剤は徐放性製剤であり,また,本剤の成分が口腔内(歯,舌等)に付着することがあるので,カプセルの内容物を砕いたり,すりつぶしたりしないで,そのままかまずに服用するように指導すること。
フェルム添付文書より
- フェルム(フマル酸第一鉄)
- フェロ・グラデュメット(硫酸鉄)
これらの徐放性鉄剤は、ゆっくりと吸収されるため、胃粘膜への刺激が比較的少ないことが知られています。
非徐放性鉄剤
画像引用)フェロミア添付文書より
- フェロミア(クエン酸第一鉄Na)
- インクレミン(溶性ピロリン酸第二鉄)
胃を切除した人や胃酸の分泌が低下している高齢者、低酸症の人に吸収可能な薬剤です。
徐放性鉄剤と非常性鉄剤の違いは??
徐放性鉄剤と、非常縫製鉄剤には吸収過程以外に大きな違いはありません。
悪心、嘔吐、食欲不振など、消化器系の副作用が発現する点もほぼ同じです。
徐放性製剤の場合、薬剤中止後も、副作用が長期間発現することが考えられるので、注意が必要です。
アレルギーには要注意!!
服用初期には催吐,胃洗浄が有効である.その他に下剤,鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う.血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には,昇圧剤,輸液等による対症療法を行う.
フェロ・グラデュメット添付文書より
アナフィラキシー等の危険があることを考えると、非徐放性の方が安全なのかもしれないね。
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鉄剤を比較!鉄剤の使い分けは?
基本的には投与回数や剤形(錠剤のサイズや内容液など)で、ひとりひとりの患者に合った鉄剤を選択していくことになります。
鉄剤は鉄イオンの刺激により消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振等)が起こり、服用継続が困難になることがある。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)は、非イオン型で胃腸粘膜を刺激する鉄イオンを遊離しないため、胃腸障害が少ないとされる。
フェロ・グラデュメット(硫酸鉄)は徐放性により、急激に高濃度の鉄が胃腸粘膜に接触しないため胃腸障害を軽減する。
しかし、いずれも完全に消化器症状を予防することはできない。
消化器症状は通常用量依存的であり、1日量を減量するか、食直後あるいは就寝前服用により改善できることも多い。
福岡県薬剤師会
フェロミアも、フェロ・グラデュメットも、それぞれに副作用が発現しにくいとのことですが、どちらの薬剤も胃腸障害が起こりやすいのは事実です。
インクレミンシロップは比較的副作用が起きにくいとされていますが、シロップ剤という好き嫌いが分かれる剤形のため、使いやすい薬ではありません。
鉄剤に明確な使い分けはなさそうです・・・
しかし、そういう薬剤こそ!!
患者さんのライフスタイルや、指向性に合わせて、薬剤を選択する必要があります。
いくら処方しても貧血が改善しない場合は、コンプライアンスが悪いのかもしれません。
気持ち悪くなるし、錠剤は大きいし・・・できれば飲みたくないですよね。
鉄剤はコンプライアンス不良になりがちです。
しっかりと服薬確認をしましょう!
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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