こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
『今年から薬局で働き始めた』という、新人薬剤師の読者様から、ご質問をちょうだいしました。
私の努めている薬局では、MRさんが行う勉強会が定期的に開催されます。
上司から1つは質問をするように言われているのですが、何を質問すればよいか分かりません。
話の内容がベテラン向けのような気がします。
アドバイスをお願いします。
ご質問ありがとうございます!
結論としては・・・
ただ疑問に感じたことを素直に聞くことが一番だと思います。
・専門用語が多くて分からない
・結局なにがいいたかったのか分からない
・なんでこの薬の方がいいの?
・好きな食べ物はなんですか?
・などなど
自分が疑問に思ったことを聞くのが質問です。
とはいえ、「彼氏はいますか?」なんて聞いたら、上司に怒られますよね。
少しでも『良い質問』をするためのコツを紹介します。
薬に関してのご質問はこちらまで!
いつもご質問ありがとうございます!
順番に回答させていただきます。
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Contents
【勉強会を理解しよう!】批判的思考とは?
批判的思考という言葉を聞いたことがありますか?
批判的思考(クリティカルシンキング)とは?
「論理的・合理的思考であり、規準(criteria)に従う思考」であり、「より良い思考をおこなうために、目標や文脈に応じて実行される目標志向的思考」であって、決して他者を攻撃するというようなネガティブな思考ではない。
ベネッセ教育総合研究所
批判的思考というのは、他社のあら捜しをして批判することではありません。
論理的、合理的思考に基づいて、考えるということです。
なんだか難しそうですが、批判的思考は、誰でも普段からやっていることです。
本当にこの人の言っていることは正しいのか?
「最安値」と書いてあるけどこっちのほうが安い?
このセリフはなにかの伏線なのでは?
・・・
批判的思考というのは、ある物事に対して、『あれ?ちょっとまてよ』と考える力のことです。
ただ頭の中で考えるだけではなく、それを適切な言葉に変えて質問する力も必要です。
知識武装して、MRさんをただ闇雲に『いじめる』先輩がいたら注意しよう。
それは批判的思考ではなく、『おれはできる』というアピールであり、縄張り意識です。
それを客観的に見て、『この人はなぜこんなに縄張り意識が強いのだろう』と考えることこそ、批判的思考です。
勉強会で批判的思考を活用する方法
MRさんが行う勉強会や、メーカー主催の講演会、学会など、すべての場所でこの『批判的思考』を活用することができます。
それぞれの主張に対して、『なんでこの人はこういう主張をしているのだろう?』と考えるだけで、今まで以上に考えが膨らむはずです。
その人の立場や、利益相反など、いろいろな角度からその主張を捉えることは大切です。
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【本質を理解する力】良い質問をするには幅広い教養や経験が必要
教科書的な質問よりも、その人独自の感性から生まれる質問のほうが、『良い質問』だと思います。
アジルバの血圧の臨床試験データをどう見る??
アジルバという血圧の薬があります。
MRさんが、血圧の日内変動のデータを見せて、『ほら!こんなに日内変動が小さくなるんですよ!』と、自社医薬品をアピールしたとしましょう。
これはすごい!!
と驚くのはまだ早いです・・・
よく考えて下さい。
血圧の日内変動を小さくすることや、血圧を基準値を目標に安定させることで、『予後がよくなる』ということが大前提としてあるからこそ、このデータには意味があるわけです。
血圧の日内変動が小さくなるということが大切なわけではなくて、『予後が改善する』ということが大切なのです。
アジルバで血圧を下げると、『なぜか心疾患が増える』では、何の意味もないのです。
*)こんなデータはないので安心して下さい
勉強会を理解するためには、何よりも、疾患の背景を知るということが大切です。
統計がどうとか、なんとか検定とか、そんなことを詳しく知っている人はほとんどいません。
勉強会を理解しようとして、多くの人が統計を学ぼうとしますが、それは大きな間違いです。
真に学ぶべきは『背景』です。
血圧を下げるとどうなるのか?
なぜ日内変動を抑えることが大切なのか?
アジルバで血圧を下げると予後はどうなるのか?
そういうことを考えることが大切です。
その勉強会は『誰が』『誰に向けて』話しているのか?
薬の背景を考えると同時に、その勉強会の『背景』を考えると、面白い構図が見えてきます。
例えば、メーカー主催の講演会があります。
こういう講演会では、『座長』という席が設置されているはずです。
講演会で最も真剣に話を聞くのはだれでしょう?
新人ですか?
製薬メーカーですか?
・・・
座長ですよね!
座長は、会全体の進行を行い、適切に質問をする必要があります。
ということはどういうことですか??
自社医薬品をアピールしてくれる演者を見つけて、自社医薬品を『使ってほしい』医師を座長にする。
一般の医療関係者向けの勉強会であったとしても、『本当に聞かせたい相手』や『聞いて欲しいターゲット』が存在します。
勉強会はそもそも新人のためのものではない
この構図を理解すると、『わざわざ弁当までだして』新人薬剤師のために、『勉強会の勉強会』をしてくれるMRさんが少ないのも頷けます。
勉強会で『話を聞いてほしい相手』というのは、新人薬剤師ではありません。
ターゲットは処方権のある医師です。
医師に間接的なアプローチをかけるために、『影響力の大きな』薬剤師がターゲットとなる場合もありますが、基本的にMRさんは、新人薬剤師に薬の効果を理解してもらうために、勉強会をやっているわけではありません。
可愛い新人薬剤師と話がしたい!
だから医師をターゲットに『見せかけて』勉強会を主催しよう・・・
なんていう下心がある人も、中には存在するから注意しよう!!
適正使用のためにという経済活動
もちろん製薬メーカーは、医薬品を『適正に使用するため』に情報提供活動を行います。
しかし、経済活動という特性上、そこには『狙い』が存在します。
ボランティアでやっているわけではありません。
いくらきれいごとを言おうが、これが本質です。
勘違いしてはいけませんが、これは悪いことではありません。
資本主義だからこそ、より高みを目指すからこそ、新たなデータが生まれ、医療が発展していくのも事実だよ。
まとめ
話の内容がベテラン向けのような気がします。
という読者様の着眼点が素晴らしい!!
ほとんどの勉強会は、影響力の大きなベテラン薬剤師、もっといえば、処方権のある医師に向けられたものです。
それをいきなり新人に『理解しろ』ということに無理があります。
無理に理解しようとするのではなく、無理に背伸びした質問を考えるのではなく、自分が本当に疑問に思ったことを聞いてみて下さい。
それが一番です。
薬のことを学んでいるだけでは『良い質問』は難しい
血圧の薬の使い分けとか、相互作用とか、副作用とか・・・
これらは薬剤師にとって大切な知識です。
しかし、これだけでは患者は診れません。
血圧が下がったからなんなの?
この患者さんの予後を規定するのは血圧なの?
頭痛にバファリン、便秘にはコーラック、血圧にアジルバという考え方ではなく、患者の全身状態を捉えられるようになると、医師と話が通じるようになるかもしれません。
そのためにも、日々の勉強会では、その背景を見て、『なんでこのデータを出すんだろう?』、『なんでこの薬剤とくらべているのだろう?』、『なんで?なんで?』という疑問をもちましょう。
それを素直に聞いてこそ、良い質問です。
恥ずかしがる必要はありません。
ベテランのする『テンプレ』のような質問のほうがよっぽど恥ずかしいです。
Sincerely,
Hitouch
薬に関してのご質問はこちらまで!
いつもご質問ありがとうございます!
順番に回答させていただきます。
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
医療・投資・自己啓発系のライティングを得意とする医療ライター
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