免疫チェックポイント阻害薬の熾烈な生存競争が続いています。
肺がん領域においては、キイトルーダが圧勝です。
KEYNOTE189とKEYNOTE407という臨床試験で、ものすごい好成績を残したキイトルーダは、肺がんの1次治療から使用することができます。
*)化学療法との併用によって、PDL1の発現率に関わらず使用可能
つまり、2次治療以降にしか使えないオプジーボには、今のところ出番がありません。
『肺がん』という巨大なマーケットでは、キイトルーダの一人勝ち状態ですが、胃がんにおいてはオプジーボが良い成績を出しています。
既治療の進行胃がんに対して、サイラムザ(ラムシルマブ)とオプジーボを併用した試験(NivoRam試験)をご紹介します。
参考記事
肺がんケモコンボの承認取得!!<KEYNOTE-189試験>
Contents
【NivoRam試験】既治療の進行胃腺癌患者に対するRamucirumab+Nivolumab療法の第I/II相試験
参考文献
進行胃がんにおいて、サイラムザはセカンドライン(2次治療)、オプジーボはサードライン(3次治療)に使用されています。
PD1とVEGFR2を同時に阻害することで、相乗的な抗腫瘍効果が得られることが、基礎研究によって確認されています。
PD1阻害作用のオプジーボとVEGFR2阻害作用のサイラムザを組み合わせることで、より効果的な治療を期待して行われたのが、NivoRam試験です。
NivoRam試験の対象と方法
1次治療にプラチナダブレットが施行された、進行再発の胃癌(胃腺がん)患者が対象。
サイラムザ(8mg/kg、2週毎)とオプジーボ(1または3mg/kg、2週毎)が、病状進行もしくは毒性中止まで投与されました。
評価項目
第I相パートにおいて用量制限毒性(DLT)が評価された後、症例が追加され、第Ⅱ相パートが行われています。
主要評価項目
- 6ヵ月無増悪生存(PFS)期間
副次評価項目
- 奏効率(ORR)
- 病勢制御率(DCR)
- 全生存(OS)
- 安全性
NivoRam試験の結果
主要評価項目であるPFSは明らかとなっていません。
ORRは24.4%、DCRは62.2%という結果が出ています。
HER2発現や、PDL1発現の有無を問わず効果が確認されています。
まとめ
オプジーボ+サイラムザというレジメンが、進行再発胃がん2次治療の、標準化学療法になる日も遠くないかもしれません。
日本人にとって胃がんというのは、非常に“一般的”ながんです。
日本人が見つけたオプジーボこそ、日本人の頭を悩ませる胃がんの治療にはふさわしいのかもしれません。
肺がん領域で遅れをとったオプジーボですが、今後は胃がん領域で活躍してくれることを願っています。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
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