静脈血栓塞栓症に対する新規抗凝固剤であるDOAC(direct oral anticoagulants)は、ワルファリンと同等以上の脳塞栓予防効果をもつ一方で、脳出血合併症の発症頻度が低い事が知られています。
DOACっていうは、プラザキサとか、イグザレルトとか、エリキュースとか、リクシアナとかの事だよ。
ワルファリンよりも使いやすく効果があり、おまけに脳出血の合併症が少ないというDOACですが、実は困った問題があります。
消化管出血の頻度がワルファリンよりも高いのです・・・
これには抗凝固作用だけではなく、消化管に滞留する薬剤の局所作用が影響しているといわれています。
DOAC服用中の患者を診る際には、消化管出血に注意する必要があります。
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DOACによる消化管出血の危険因子
- 高用量のDOAC
- 抗血小板薬やNSAIDS、ステロイドの併用
- 高齢者(75歳以上)
- 麺性腎臓病の合併
- ヘリコバクターピロリ感染
- 消化管病変の既往
これらに該当する患者が、高リスク患者であると推測されます。
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消化管障害の予防にはやはりPPIか?
PPIやH2ブロッカーの投与によって、ダビガトランに関連する上部消化管出血のリスクを軽減することが報告されています。
参考文献
しかし、PPIやH2ブロッカーには、DOACによる消化管障害に対する予防的投与の保健適応はありません。
また、抗凝固薬に関連する消化管出血の30‐50%は下部消化管出血であることが報告されていますが、抗潰瘍薬による下部消化管障害の予防効果は証明されていません。
2019年1月現在の見解としては、PPIの予防投与はオススメできません。
上記に記載したリスク因子を加味して、必要な症例にのみ使用していくのが妥当でしょう。
まずはDOACによる消化管出血の副作用を認識し、早期に介入できる体制を構築することが重要だといえます。
Sincerely
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
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