抗がん剤は混注後どのくらい放置しても大丈夫なの??
臨床現場でがん化学療法に携わっていると、こんな疑問を感じます。
そこで!!
溶解時や溶解後の安定性に注意を要する薬剤をまとめておきます。
参考資料
- 添付文書
- 適正使用ガイド
【ご注意】
最新情報は添付文書やインタビューフォームでご確認下さい。
Contents
- 1 溶解後(混注後)の安定性に注意が必要な抗がん剤一覧
- 1.1 ビダーザ(アザシチジン)
- 1.2 アルケラン(メルファラン)
- 1.3 コホリン(ペントスタチン)
- 1.4 トレアキシン(ベンダムスチン)
- 1.5 サイラムザ(ラムシルマブ)
- 1.6 イホマイド(イホスファミド)
- 1.7 ハラヴェン(エリブリン)
- 1.8 ベクティビックス(パニツムマブ)
- 1.9 ピソルビン(ピラルビシン)
- 1.10 ジェブタナ(カバジタキセル)
- 1.11 パラプラチン(カルボプラチン)
- 1.12 ブスルフェクス(ブスルファン)
- 1.13 テモダール(テモゾロミド)
- 1.14 ジェムザール(ゲムシタビン)
- 1.15 エボルトラ(クロファラビン)
- 1.16 ノバントロン(ミトキサントロン)
- 1.17 マブキャンパス(アレムツズマブ)
- 1.18 アリムタ(ペメトレキセド)
- 1.19 ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)
- 1.20 アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)
- 1.21 サンラビン(エノシタビン)
- 1.22 マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)
- 1.23 トーリセル(テムシロリムス)
- 1.24 ザルトラップ(アフリベルセプトベータ)
- 1.25 キイトルーダ(ペムブロリズマブ)
- 2 調製時(混注時)に注意が必要な抗がん剤
溶解後(混注後)の安定性に注意が必要な抗がん剤一覧
*)詳細は添付文書等でご確認下さい
ビダーザ(アザシチジン)
皮下投与では、懸濁液を冷蔵条件下(2~8℃)で8時間まで保存することができる。
冷蔵条件から取り出した懸濁液は、30分以内に投与すること。
アルケラン(メルファラン)
溶解後、室温では経時的に安定性が低下するので速やかに投与を開始し、投与量と投与速度を勘案し遅くとも調製から1.5時間以内に投与を終了すること。
調製後の溶液は、沈殿することがあるので冷蔵しないこと。
コホリン(ペントスタチン)
本剤はpH6以下では安定性が低下するので、点滴静注の場合は、調製後2時間以内に投与すること。
トレアキシン(ベンダムスチン)
調製後は、3時間以内に投与を終了すること。
*)点滴時間は1時間です
サイラムザ(ラムシルマブ)
調製後は、速やかに使用すること。
なお、やむを得ず保存を必要とする場合、冷蔵保存(2~8℃)では24時間以内、室温保存(30℃以下)では12時間以内に投与を開始すること。
イホマイド(イホスファミド)
溶解後はなるべく速やかに使用し、保存する必要がある場合には、冷所保存では24時間以内、室温保存では6時間以内に使用すること。
ハラヴェン(エリブリン)
本剤をシリンジに入れ、室温で保存した場合は6時間以内、冷蔵で保存した場合は24時間以内に投与すること。
ベクティビックス(パニツムマブ)
本剤は保存剤を含有していないため、希釈後は6時間以内に使用すること。
やむを得ず希釈後すぐに投与開始しない場合は溶液を冷蔵保存(2~8℃)し、24時間以内に投与開始することが望ましい。
ピソルビン(ピラルビシン)
やむを得ず保存を必要とする場合には、室温保存では6時間以内に使用すること。
ジェブタナ(カバジタキセル)
やむをえず保存する場合は、室温で8時間、冷蔵保存で48時間(いずれも点滴に要する1時間を含む)以内に使用すること。
パラプラチン(カルボプラチン)
生理食塩液等の無機塩類(NaCl,KCl,CaCl2等)を含有する輸液に混和するときは、8時間以内に投与を終了すること。
ブスルフェクス(ブスルファン)
希釈後は、安定性が低下するので、室温においては希釈調製から8時間以内に投与を終了すること。
テモダール(テモゾロミド)
調製後は14時間以内に投与を終了すること。
ジェムザール(ゲムシタビン)
溶解後は速やかに投与すること。溶液を冷蔵庫に保存すると結晶が析出することがあるので、保存する場合でも室温(15~30℃)で保存し、24時間以内に使用すること。
エボルトラ(クロファラビン)
希釈後やむをえず保存する場合は、15~30℃で保存し、24時間以内に使用すること。
ノバントロン(ミトキサントロン)
希釈した注射液は調製後24時間以内に使用すること。
マブキャンパス(アレムツズマブ)
本剤は保存剤を含有していないため、希釈後は8時間以内に使用すること。
なお、希釈後、やむをえず保存する場合は2~8℃で遮光して保存すること。
アリムタ(ペメトレキセド)
保存する場合は冷蔵(2~8℃)にて保存し、24時間以内に使用すること。
ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)
希釈後は2~8℃で保存し、24時間以内に投与すること。
アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)
溶解後速やかに希釈しない場合は、2~8℃(凍結させないこと)で保存し、24時間以内に投与すること。
サンラビン(エノシタビン)
本剤の水溶液(輸液希釈前)をやむを得ず保存する場合は、5℃以下で保存し、48時間以内に使用すること。
マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)
保存を必要とする場合、遮光下常温で16時間以内に投与を開始すること。
トーリセル(テムシロリムス)
調製後6時間以内に投与を終了すること。
*)30~60分間かけて投与です
ザルトラップ(アフリベルセプトベータ)
希釈後やむを得ず保存する場合は、2~8℃では24時間、25℃では8時間以内に使用すること。
キイトルーダ(ペムブロリズマブ)
25℃以下で6時間以内又は2~8℃で合計24時間以内に使用すること。
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調製時(混注時)に注意が必要な抗がん剤
*)記事執筆者(はいたっち)が独自にピックアップしています
アブラキサン(アルブミン懸濁型パクリタキセル)
1バイアルあたり生理食塩液20mLで懸濁し、希釈せず使用する。
アドリアシン(ドキソルビシン)
注射用水または生理食塩液に溶解すること。
生理食塩液で溶解する場合は、1mL以上ですみやかに行うこと。
ランダ(シスプラチン)
クロールイオン濃度が低い輸液中では活性が低下する。
必ず生理食塩水に混和すること。
パラプラチン(カルボプラチン)
イオウを含むアミノ酸輸液中で分解するため、これらのアミノ酸輸液との混合は避けること。
エルプラット(オキサリプラチン)
塩化物含有溶液により分解する。
生理食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けること。
5%ブドウ糖液で溶解する。
アクプラ(ネダプラチン)
アミノ酸輸液,pH5以下の酸性輸液(電解質補液,高カロリー輸液用基本液,5%果糖注射液等)を用いると分解が起こるので避けること。
ラステット(エトポシド)
溶解時の濃度により、結晶が析出することがあるので0.4mg/mL濃度以下になるよう生理食塩液等の輸液に溶解して投与すること。
ビダーザ(アザシチジン)
皮下投与:1バイアルあたり注射用水4mLで懸濁する。
点滴投与:1バイアルあたり注射用水10mLで溶解する。
ハーセプチン(トラスツズマブ)
溶解時には添付溶解液を使用すること。
リツキサン(リツキシマブ)
生理食塩液または5%ブドウ糖注射液にて10倍に希釈すること。
トレアキシン(ベンダムスチン)
1バイアルあたり注射用水40mLで溶解する。
トーリセル(テムシロリムス)
1バイアルに添付希釈用液1.8mLを加え、バイアルをよく振り混和する。
ジェブタナ(カバジタキセル)
本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解したとき、カバジタキセル濃度10mg/mLのプレミックス液が調製される。
プレミックス液(カバジタキセル濃度10mg/mL)の必要量を抜き取る。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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