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しびれ(末梢神経障害)の評価方法と原因薬剤
しびれの原因薬剤はいくつか存在しますが、オキサリプラチンによるしびれに焦点を当てて、その対応方法をまとめます。
しびれの評価はCTCAEを使って行う
画像引用≫消化器がん広場様
一般的にはGrade3以上で休薬を選択することが多いですが、術後補助化学療法など、治癒を目的とした治療の場合はこの限りではありません。
しびれ(末梢神経障害)に対する薬物療法
減量・休薬が最も有効な手段です。
FOLFOX療法の場合はストップ&GOを検討しましょう。
参考記事≫OPTIMOX1
Ca/Mg静注→効果なし
牛車腎気丸→効果なし
牛車腎気丸はオキサリプラチンによるしびれに対して効果がないことが証明されていますが、他の薬剤に認められる眠気などはなく、使用しやすいといえます。
臨床現場では『効いた』という患者もおり、プラセボ効果も捨てがたい部分もあります。
とはいえ、エビデンスはありませんので推奨できるものではないです。
参考文献≫GENIUS trial
デュロキセチン(サインバルタ)→効果あり
デュロキセチンは抗がん剤による末梢神経障害に対して、疼痛軽減効果が認められました。
トラマール/アセトアミノフェン(トラムセット)→効果あり
トラマールとアセトアミノフェンの合剤(トラムセット)が、オキサリプラチンによるしびれに有効であったという報告があります。
プレガバリン(リリカ)→効果あり
プレガバリンがオキサリプラチンによる末梢神経障害に有効性を示したという報告があります。
参考文献≫Role of pregabalin in treatment of oxaliplatin-induced sensory neuropathy.
上記の方法はどれもエビデンスがじゅうぶんではないため、漫然と支持療法薬を追加することは避けましょう!
オキサリプラチンによるしびれは『減量・休薬』で対応が基本!
オキサリプラチンのしびれ対策において、なによりも大切なことは、適切な減量・休薬です。
サインバルタやリリカなどにはポジティブな報告もありますが、それそのものによる副作用も無視することはできません。
繰り返しますが、まずは適切な減量・休薬です。
オキサリプラチンによるしびれを緩和するその他の方法
オキサリプラチンによるしびれは冷感刺激に反応することが知られているため、『冷たいもの』に触れないように指導することが重要です。
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