薬剤耐性菌の出現が人類にとっての驚異となりつつあります。
耐性菌感染症の『切り札』とされた、カルバペネム系抗菌薬に対しても耐性を獲得した細菌も発見されています。
人類と細菌との“イタチごっこ”は続いており、新規抗菌薬を望む臨床家も少なくありません。
そんな中、プラゾマイシンという新たな抗菌薬が開発されました。
プラゾマイシンは、アミノグリコシド系でありながら、アミノグリコシド耐性菌にも効果があるという、ユニークな薬剤です。
そんなプラゾマイシンの有効性を調査した臨床試験を紹介します。
複雑性尿路感染症に対する 1 日 1 回のプラゾマイシンの有効性は?
参考文献
Once-Daily Plazomicin for Complicated Urinary Tract Infections
グラム陰性尿路病原菌における多剤耐性菌が増加し、重篤な感染症に対する新しい治療が必要になっている。
耐性菌にも有効とされるプラゾマイシンの有効性を調査した。
試験の方法
急性腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症(UTI)患者 609 例。
1:1 の割合でプラゾマイシンを静脈内投与する群(15 mg/kg 体重を 1 日 1 回)とメロペネムを静脈内投与する群(1 g を 8 時間ごと)に無作為に割り付け。
計 7~10 日の治療。
*)静脈内投与を 4 日以上行ったあと経口でのステップダウンを選択できる
MEPM1g8時間毎ってかなり高用量だよ!!
結果
主要有効性評価項目に関して、プラゾマイシンはメロペネムに対する非劣性を示した。
プラゾマイシン群はメロペネム群よりも、微生物学的再発(3.7% 対 8.1%)や臨床的再発(1.6% 対 7.1%)が少なかった。
高用量のメロペネムに対して非劣勢を証明するというのは、すごいことだと思う。
でも・・・高用量のメロペネムでなくても、治療可能だったかもしれないし。
クラビットでも治療可能だったかもしれない。
プラゾマイシンはメロペネムに対する非劣性を示した。
これ以上でも以下でもないよ。
1日1回投与はメリットが大きいよね!
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【参考】プラゾマイシン(plazomicin)とは?
プラゾマイシン(plazomicin)は、多剤耐性(カルバペネム耐性を含む)腸内細菌科細菌に対して殺菌活性を有するアミノグリコシド系薬です。
アミノグリコシド修飾酵素により不活化されにくい構造になっており、ゲンタマイシンに耐性を示す細菌のみならず、カルバペネマーゼ産生菌に対しても広く抗菌力があることが分かっています。
しかし、一部のカルバペネマーゼには効果がなく、実臨床でどの程度有効性を発揮できるかは、まだまだこれからという感じです。
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
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