白血病と聞くとどんなイメージを持つでしょう?
身内に白血病を発症した家族がいたり、友人が白血病だったり。
白血病の患者さんに接したことがあれば、なんとなくイメージがあるかと思います。
しかし、多くの人は『白血病』がどんな病気かという事は知りません。
たとえ白血病の患者さんと接する機会がなくても、医療スタッフであれば、ある程度の知識は必要です。
普段白血病患者さんと接する機会がなくても、白血病の病態をイメージできるように、簡単に白血病についてまとめていきます。
おすすめ読者様
- クリニックで勤務する看護師
- 調剤薬局で働く薬剤師
- 血液疾患に接する機会が少ない医療スタッフ
この記事に書いてあること
白血病の基本
白血病の診断
白血病の治療
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【注意】2019年2月現在の情報です。
Contents
【白血病の基本】白血病ってどんな病気!?
- 白血病の主な症状は、感染・貧血・出血
- 白血病は急性白血病と慢性白血病に分類される
白血病の病態や症状
白血病では、骨髄の中で白血病細胞(がん細胞)が異常に増殖しています。
そのため、赤血球や白血球、血小板などの正常な血液(血球)を作る場所が無くなってしまいます。
正常な血球が減少することで、貧血や感染症(免疫の低下)、出血などの症状が起こります。
白血病は大きく4つに分類できる
白血病は大きく4つに分類することができます。
A:病気の進行速度
病状が急速に進行する急性白血病
病状がゆっくりと進行する慢性白血病
B:起源となる細胞
骨髄系の細胞に由来する骨髄性白血病
リンパ系細胞から発生するリンパ性白血病
AとBを組み合わせて分類
骨髄系細胞を起源として、急速に進行する白血病は、急性骨髄性白血病。
リンパ系細胞を起源として、ゆっくりと進行する白血病は、慢性リンパ性白血病。
白血病の略語まとめ
これら4つに分類した白血病は、それぞれ『略語』でよばれています。
カルテや診療情報には略語で記載されていることが多いよ。
AML: acute myeloid leukemia
急性骨髄性白血病
ALL: acute lymphoblastic leukemia
急性リンパ性白血病
CML: chronic myeloid leukemia
慢性骨髄性白血病
CLL: chronic lymphoblastic leukemia
慢性リンパ性白血病
APL: acute promyelocytic leukemia
急性前骨髄性白血病
APLはAMLの1つだけど、治療や予後が違うから、APLは区別されることが多いよ。
白血病の好発年齢
それぞれの白血病には好発年齢があります。
AML
成人(60-65歳):75%
小児(10歳前後):25%
ALL
成人(50歳以降):20%
小児(2-5歳):80%
あくまでも目安だよ。
白血病の予後はどれくらい?
AML
5年生存率40%
APL
5年生存率80%以上
ALL
成人の場合:5年生存率30~40%
小児の場合:5年生存率80%
CML
6年生存率88%(IRIS-study)
白血病によって生存率に違いがあるんだね。
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白血病の治療とは?化学療法?それとも移植?
白血病の治療は、白血病のタイプによって異なります。
それだけではなく、患者の年齢や体力など、様々な要因によって変化します。
AMLの治療戦略
AMLでは、寛解導入療法を行った後に、寛解後療法を行うという流れで治療が行われます。
寛解導入療法とは?
末梢血や骨髄の中に白血病細胞がいない状態にするための治療です。
超強力な化学療法(抗がん剤)を使って、白血病細胞を根絶させることを目標としています。
寛解後療法(地固め療法)とは?
寛解導入療法で生き残った、少数の白血病細胞を完全に根絶し、寛解状態を維持するために行う治療です。
同種造血幹細胞移植とは?
超強力な抗がん剤や、放射線を使って骨髄破壊的な処置を行います。
その後、造血幹細胞という細胞を移植するという治療です。
移植にはリスクがあり、生命の危険も伴う可能性があります。
非常に有効な治療方法ですが、どの患者にとっても第1選択となるわけではありません。
APLの治療戦略
APLも、寛解導入療法を行った後に、寛解後療法を行うという流れで治療が行います。
使用する薬剤がその他のAMLとは異なり、トレチノイン(活性型ビタミンA)を使用します。
これがものすごく効くことが分っており、APLの第1選択はトレチノインです。
CMLの治療戦略
CML治療の基本は、チロシンキナーゼ阻害薬と呼ばれる分子標的薬を使った治療です。
イマチニブやニロチニブなど、様々なチロシンキナーゼ阻害薬が存在します。
これらは内服薬ですが、確かな効果が立証されています。
様々な副作用があるため注意が必要です。
白血病は分類や治療方法が細かく、非常に難解なイメージがありますが、1つ1つ勉強していきましょう。
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Hitouch
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【この記事の執筆者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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