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助産師の年収は?気になる給料や待遇アップの方法を解説します

助産師は命の誕生のお手伝いができるやりがいのある仕事です。

しかし、資格取得の大変さと夜勤もある不規則な勤務、加えて精神的負担も大きいために収入と見合わないと感じる方もいるでしょう。

看護師・保健師のほうが給料が高ければ、転職を考えることもあるのではないでしょうか。

そこで気になる助産師の平均年収と看護師・保健師との年収比較、加えて長く働き続けられるように待遇アップのポイントについても解説します。

助産師の平均年収はどのくらい?

厚生労働省の統計によると助産師の平均年収は約553.9万円、月収は約38.7万円です。

助産師の給料は基本給に加えてさまざまな手当で構成されます。

  • 分娩介助手当:助産師特有の業務であり手当です。
    正常分娩の場合、医師は立ち合いますが助産師が中心となり進めます。
    勤務先にもよりますが、分娩に立ち会うと分娩介助手当として1回あたり1万円前後支給されます。

  • 夜勤手当:二交代制か三交代制か、また勤務先により夜勤手当の金額は幅がありますが、夜勤1回あたり5千円前後の支給が多いです。

  • 待機当番(オンコール手当):緊急時など呼び出しがあればいつでも出勤できるように待機当番がある職場も多く、1回あたり数千円前後支給されます。

  • 資格手当:助産師の資格手当として数万円支給される職場が多いです。

  • その他:残業手当、通勤手当、住宅手当など、勤務先により大きく異なります。
    また経験と技術が上がり役職に抜擢されれば役職手当が支給されます。

看護師・保健師との年収比較

助産師・看護師・保健師の年収を紹介します。

平均年収年収平均月給月給平均年齢平均勤続年数
助産師553.8万円38.7万円37.1歳7.5年
看護師498.6万円34.4万円41.2歳9.2年
保健師480.6万円32.3万円41.8歳8年

平均年齢や勤続年数の差があるため単純に比較はできませんが、看護師・保健師と比較すると助産師の年収は高いといえます。

助産師の平均年収が看護師より高いのは、看護師の国家資格を取得した上でさらに助産師の国家資格を取得する必要があり、看護師より難易度・専門性が高いと評価されているためです。

保健師も看護師と保健師のふたつの国家資格が必要ですが、勤務先が行政機関や、病院勤務でも日勤帯の仕事の場合が多いため、夜勤手当がなく助産師や看護師より年収は低めになる傾向です。

助産師の年代別の平均年収

平均年収平均月給勤続年数
20歳~24歳414.0万円30.3万円1.5年
25歳~29歳502.0万円34.4万円3.9年
30歳~34歳476.3万円33.1万円5.8年
35歳~39歳584.0万円41.0万円7.7年
40歳~44歳619.0万円43.3万円10.3年
45歳~49歳641.9万円46.3万円9.6年
50歳~54歳692.4万円47.4万円20.5年
55歳~59歳712.7万円48.5万円16.2年
60歳~64歳560.3万円37.7万円7.3年

どの職種の仕事でもいえることですが、経験年数や勤続年数にともない昇給していくため、年齢とともに年収は上がります。

20代から30代は結婚や出産などで仕事から離れたり、パート勤務などに勤務形態を変更したりする場合が多いため年収が伸びない傾向です。

また50代後半以降は役職を引退する場合や、体力的に夜勤を減らしたり介護休暇を取得したりと働き方が変わるため年収は下がる傾向です。

助産師の勤務先の病院・企業規模別の平均年収

規模平均年収
10~99人637万円
100~999人532万円
1,000人以上549万円

大規模の病院の方が小規模の病院より年収が高いと思われがちですが、小規模の病院の方が平均年収が高いです。

小規模の病院の方が年収が高いのは、助産師一人あたりの仕事量が多く、残業・待機当番・夜勤が多くなる傾向のためだと考えられます。

大規模の病院は安定した経営状態で十分な人員を確保でき、福利厚生も整っていることが多いです。

しかし規模だけでは待遇や職場環境の判断はできないため、就職・転職する際はよく内情を知ることが大切です。

そのほかにも、勤務する地域によっても年収に差が出ます。

他の職種と同様、東京や大阪などの都市部のほうが地方よりも年収は高い傾向です。
しかし岐阜県、山口県、大分県の助産師の年収が高いとのデータもあります。

調査する年によっても変動しますし、年収のためだけに働く地域を選ぶことは現実的ではない場合も多いため、参考程度に考えましょう。

助産師が待遇アップをめざす方法

やりがいや職場環境はもちろん大切ですが、やはり待遇面も大切です。
自分自身の仕事に見合った収入が得られれば、仕事の満足度も上がり長く働けるでしょう。

夜勤を多くこなせば夜勤手当の分だけ給料も増えますが、夜勤業務は心身ともに負担が大きいため、やみくもに夜勤を増やす働き方は難しいです。

待遇を上げるには下記のような方法が考えられます。

  • 経験・スキルを磨いて役職に就く
  • より待遇の良い職場へ転職する
  • 独立、開業する

経験を積んで役職につく

管理職につくと基本給が上がり、役職手当も支給される場合が多く年収アップが見込めます。

管理職に抜擢されるには経験を積んで、さらに研修や勉強会にも積極的に参加してスキルアップをすることが重要です。

また助産師としてのスキルだけではなくマネジメントや人材育成のスキルも必要です。

より待遇のよい職場へ転職する

現在の職場で経験を積んでも待遇アップが望めない場合は、より良い待遇を求めて転職するのもひとつの方法です。

管理職のポジションの数は限られていますし、経験年数による昇給も勤務先によりさまざまで、なかなか昇給が見込めない職場もあるでしょう。

自分が望む年収と働きやすい職場に転職できれば、安心して長く働くことができます。

また、公務員として働く道もあります。

民間の病院と比べて年収が高いわけではありませんが、定期昇給や退職金まで含めて考えると生涯賃金としては高い傾向です。

公務員としての安定と福利厚生も整っていることから、長く働くことができます。

なお助産師が公務員として働くことができるのは、各都道府県の保健所、各市区町村にある保健センター、特定地方独立行政法人が運営する公立病院です。

保健所や保健センターで公務員として働くには公務員試験に合格しなくてはなりません。
加えて求人数も非常に少ないため狭き門です。

公立病院は公務員試験は不要で、採用試験に合格し採用されれば公務員扱いの助産師として働けます。

独立、開業する

助産師として5年以上の実務経験と、公益社団法人日本助産師会が提示している条件を満たせば助産院を開業できます。

経営を軌道に乗せられれば病院などに勤務するより多くの年収を手にできるかもしれません。また出産のサポートにとどまらず、マタニティヨガや新生児の健康教室など力を入れたい分野に注力することもでき、やりがいも多いでしょう。

助産師は大変ではあるがやりがいもある尊い仕事

本記事では、助産師の平均年収や長く働き続けられるように待遇アップの方法について解説しました。

少子高齢化は加速する一方ですが、子どもが一定数生まれることにはかわりありません。

女性しかなれない助産師は人手不足であり、ニーズは高まっています。

分娩介助だけではなく、不妊治療や高齢出産を支えるためにも助産師の活躍の場は広がっています。

働きやすさ、職場環境も大切ですが、ご自身の経験やスキル、業務内容に見合う収入も大切です。

やりがいと待遇面の両方で満足できれば長く助産師として活躍でき、少子高齢化の日本の社会に貢献できるでしょう。

ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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