現代の生活環境はメンタルケアが必須と言っても過言でありません。
人間関係や職場でなどで心に負荷がかかることは多く、メンタルケアの仕事は日々需要が高まっています。
しかし需要が高まっているのにも関わらず臨床心理士の年収は思っているよりも低い傾向にあります。
この記事では臨床心理士の年収や職務内容についても詳しく解説をしていきます。これから臨床心理士を目指される方は、ぜひ参考にしてみてください。
臨床心理士の職務内容
まずは臨床心理士の仕事内容について解説します。
臨床心理士とは、心理カウンセラーとも呼ばれる職業で臨床心理学の知識や技術を用い利用者さんの心の支援をします。
国家資格である公認心理士という資格もありますが、臨床心理士は民間資格になっていて資格区分がわかれています。しかし公認心理士も臨床心理士も内容としては大きな違いはありません。どちらも心のケアをすることを目的にしています。
臨床心理士の資格の取得方法について
臨床心理士の資格は民間資格ですが合格率は低く、受験も誰もができるわけではありません。厚生労働が定める下記の条件をいずれか1つを満たす必要があります。
- 指定の大学院を修了すること
- 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了すること
- 諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、終了後に国内で心理臨床経験が2年以上あること
- 日本で医師免許を取得して心理臨床の経験が2年以上ある
上記条件の4つのうち、いずれか1つに該当している人のみが受験資格の対象となります。
臨床心理士の平均年収
臨床心理士の平均年収はフルタイムで働く常勤か、パートなどで働く非常勤かによって大きく異なります。勤務先によっても給与額は他と差が出ます。
臨床心理士として働く場所は病院や一般企業や公的施設などで働くのが一般的ですが、ある程度経験を積んで年収をあげたいと思う方は独立をされる方もいます。
下記では臨床心理士が働く形態に関しても詳しく解説をしていきます。
常勤の場合の年収
常勤の場合は相場の平均年収が300〜500万円くらいが相場となります。初任給は約20万円で年収にすると約350万円が平均です。
常勤の勤務先は病院や一般企業などの勤務先が挙げられますが、公務員として勤務する場合は、公務員の査定になることが特徴です。
非常勤の場合の年収
非常勤の場合は常勤とは違い、月給制ではなく時給制で考えている場所が多いです。
時給換算すると平均1,000円〜10,000円が相場とされており、実績経験が多いほど高い時給になります。
非常勤の中でも特に安定しているのがスクールカウンセラーです。
学校に通う子どもたちを対象にして行われるカウンセラーで、平均時給は5,000円に設定されているところが多いです。
非常勤の場合も常勤と同様、勤務先によって給与額は変わります。
独立開業の場合の年収
常勤や非常勤でもなく独立開業をしている場合も年収は異なります。
独立開業の場合は年収が高くなることもあり、多ければ1,000万円を超える場合もあります。しかし、独立開業の場合は集客が難しく、うまく集客ができないと年収は低くなることもあるので注意が必要です。
高収入になるケースは自身で講演会を開催することや書籍を出すなどで副収入として利益を生み出し、臨床心理士以外での収入を増やすことです。
臨床心理士の年収が低い理由
一般的な医師資格を持つ医師と比べると臨床心理士の年収は高いとは言えません。
なぜたくさんの人の心の健康を支えるために欠かせない臨床心理士は年収が低いのかというと、有資格者が増えたからです。
有資格者が増えたことにより、臨床心理士は正規雇用の求人が少なくなりました。
現在、臨床心理士の求人は、正社員雇用の病院や機関は現状ほとんどなく、非正規雇用で募集をかけていることが多いです。
そして、臨床心理士の資格は一時期人気が高く、多くの医療従事者が取得したので臨床心理士の資格を持つ医師が増えたことも原因です。そのため、臨床心理士が活躍できる場が少なくなっています。
臨床心理士で気をつけないといけないこと
ここまで臨床心理士の年収について解説をしてきましたが、仕事をする上で大切にしなければいけないことについても解説をしていきます。年収アップにもつながりますので、ぜひ参考にしてください。
人脈を作る
臨床心理士として収入をアップさせるために独立開業をする方も多いです。
顧客を確保することに注力される方が多いですが、仕事を得るために重要となるのは人脈です。
臨床心理士の人脈とは自分と同じ立場の人や病院や医師のことを指しますが、一度関係ができたらお客様を紹介してもらえるケースが多いため、独立をする前には必ず医師の知り合いも増やしておくことをおすすめします。
この部分を怠ると顧客集めに苦労しますので、周辺の関係者とコミュニケーションを取ることは大切です。
スキルを磨き続ける
現代社会では、人の体と心は日々変化を続けています。臨床心理士の仕事も同じで、現在使っている知識や技術が全く使えなくなる場面に遭遇することがあります。
臨床心理士はカウンセリングが中心となることから観察力が大切になります。仕事を頂いても結果を出せなければ意味がありません。知識と技術を日々磨き続けお客様に満足いただけるスキルが必要不可欠です。
並行して業務をしなければいけない
医師や会社員が臨床心理士の資格を取得して就職をしても、非正規雇用が多いため、ほとんどの人は別の業務を掛け持ちしながら臨床心理士として活動をすることになります。
ある程度仕事に慣れれば問題はありませんが、初めのうちは2つの業務を覚えなければならないので苦労します。それぞれの仕事を覚え始めたら臨床心理士としての知識を深めていきましょう。自分のストレス管理もしっかりすることが重要です。
臨床心理士としての責務を果たす
臨床心理士の資格は一度取得したら、定期的に更新する必要があります。
資格は5年ごとに資格の再認定を受ける必要があり、更新時に専門家のスキルを満たしていないと判断された場合は資格が認定されないので注意しましょう。
更新を忘れないためにも定期的にセミナーへの参加や外部講習を受講することで知識を深めることができます。加えて、他の臨床心理士を見ることが自身への刺激になるでしょう。
臨床心理の年収はアップが見込める
臨床心理士の平均年収は労働形態によって異なります。
現代を生きる方々にとって、メンタルケアの需要は高まっており必要とされる方が多いです。
独立開業した臨床心理士の年収は上がりやすい傾向にありますが、一般企業や公的施設に就職した場合は低い収入で働く可能性も少なくありません。
ですが、臨床心理士の需要は年々高まっており、スキルが高い臨床心理士の場合はメディアなどで取り上げられることもあります。
知名度が上がると自然と年収も上がるので、臨床心理士の収入は自分の力量次第で大きく伸ばすことができる職業です。ある程度の収入を確保できるようになれば宣伝活動に力を入れていきましょう。認知度を上げ自身のブランドを高めることができれば、単価を上げることが可能です。そして、短い稼働時間でも高収入を狙うことが可能です。
これから臨床心理士を目指す方で高収入を目指したい方は、将来の独立に向けて技術と知識の向上はもちろん、同業の方々とのつながりを広げていくことも大切です。