介護職

【ケアマネ試験2022】合格率下がっている!?狭き門を突破するためにやるべきこと

2022年度の第25回ケアマネ試験の合格率は19.0%でした。
2021年度の合格率23.3%と比べると4%も低い結果となりました。

もともと合格するのが難しいケアマネ試験。

「年々合格率が低くなり、さらに狭き門となってしまうのではないか」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。

本記事では、過去の合格率・合格点の推移から2022年度試験の特徴を分析し狭き門であるケアマネ試験を突破するために何をやるべきかを紹介します。

試験に一度落ちてしまった方や、ケアマネになりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ケアマネ試験の概要

ケアマネ試験の正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」といい、毎年10月、各都道府県ごとに実施され、5万人前後が受験し20%前後の人が合格します。

●受験資格:

該当する国家資格(医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士など)の業務や相談業務(生活相談員や支援相談員など)で5年以上(900日以上)の実務経験が必要です。

●試験時間:120分

●試験問題:60問

「介護支援分野」25問「保健医療福祉サービス分野」35問に分かれます。

●合格に必要な得点:約7割

合格には約7割の得点が必要で、各分野ごとに合格最低点が設定されます。合格最低点は試験の難易度によって毎年変動します。

●試験の形式:マークシート複数選択形式

全問マークシートで5択の中から2問から3問正解を選ぶ形式です。

ケアマネ試験  合格率・合格点の推移

ケアマネの歴史は浅く、ケアマネ試験がはじまってからまだ25年しか経っていません。

第1回の合格率がもっとも高く44.1%でした。

第7回までは合格率は30%を超えていましたが、その後は10%~20%前後で推移しています。

過去6年の合格率・合格点は以下の通りです。

受験者数合格者数合格率介護支援合格点 (25点中)保健医療福祉サービス合格点 (35点中)合格基準正答率
第25回(2022年度)54,406 人10,328 人19.0%18点26点73%
第24回(2021年度)54,290 人12,662 人23.3%14点25点53%
第23回(2020年度)46,415 人8,200 人17.7%13点22点66%
第22回(2019年度)41,049 人8,018 人19.5%16点25点62%
第21回(2018年度)49,332 人4,990 人10.1%13点22点56%
第20回(2017年度)131,560 人28,233 人21.5%

【ケアマネ試験2022 の特徴】合格率

上記の表で2018年度 第21回の受験者数と合格率が大きく落ち込んでいるのは、ケアマネ資質向上のため受験資格が厳しくなったことが原因です。

過去の合格率と比較してみると、2022年度ケアマネ試験の合格率は20%を下回るものの、取り立てて低いというわけではありません。

2021年の合格率が高かったので、余計に合格率が下がったという印象が強いのかもしれません。

【ケアマネ試験2022 の特徴】合格基準点

2022年度の試験で注目すべきは合格基準点の高さです。

合格基準の正答率を見ると73%となっています。
73%以上正解しないと合格できないという結果は、受験者も出題者も想定外だったのではないでしょうか。

2021年度の合格基準が53%なので1年でかなり高くなったことが分かります。

2021年、2022年と連続で受験された方の中には、前回よりかなり手ごたえを感じたのに不合格だったという方も多いでしょう。

2022年度の試験では、たくさんの人が合格ボーダーライン上にいて、1点足りなくて涙を飲んでいるのです。

ケアマネ試験と合格率の低さの原因

ケアマネ試験の合格率は20%前後と、介護福祉士などの他の介護資格と比較するとかなり低いことが知られています。

資格試験の合格率は社会的な需要の影響を受けることがあります。

第1回ケアマネ試験の合格率が44.1%と高かったのも、ケアマネ制度が始まるにあたり一定数のケアマネを確保する必要があったからです。

しかしケアマネ不足は今も生じており、有効求人倍率は4倍を超えています。

ではなぜ、なかなか合格率が上がらないのでしょうか。

働きながら勉強時間の確保が難しい

まず前提条件としてケアマネ試験はケアマネの資質を担保するために行われます。

ケアマネは介護業界の中でも上位資格であるため、幅広い知識が求められ合格基準は厳しくなります。

またケアマネ資格は学生が試験を受けて取得できるコースはないため、ほとんどの受験者は働きながら試験勉強をすることになります。

仕事やプライベートで思うように勉強時間が確保できず、中途半端な理解のまま試験に臨み不合格になる人も多いのです。

ケアマネ以上に介護スタッフが人手不足である

もう一つ考えられるのは、ケアマネ以上に介護スタッフの人手不足が深刻であるという現状です。

直近の求人状況で比較してみます。

【福祉分野の求人数】(令和5年5月報告)
・ケアマネージャー     2148人
・介護職(ヘルパー以外)  27,708人 
・ホームヘルパー      6,459人 

ケアマネ受験者の約6割が介護福祉士なので、ケアマネ合格者の増加は介護スタッフの数に影響を与えます。

「ケアマネは増やしたいが介護スタッフは減らしたくない」というジレンマの中でケアマネ試験の合格率は10%~20%前後で揺れ動いているといえるでしょう。

ケアマネ試験を突破するためにやるべきこと

ここまではケアマネの合格率が低い理由についてお伝えしましたが、ケアマネの仕事は間違いなく社会から必要とされているので、合格率が下がり続けることはないでしょう。

試験の内容も特別難しいわけではありません。

時間をかけてしっかり学習すれば、十分合格できる試験です。

合格率に惑わされず大きく構えて試験に向き合うことが大切です。

そこで、以下の方法を試してみてください。

  • 毎日勉強する習慣を身につける
  • ストレスを溜めないようにする
  • 本質を理解する勉強をする

それぞれ説明していきます。

毎日勉強する習慣を身につけよう

受験者がまずやるべきことは、毎日勉強する習慣を身につけることです。
当たり前のことですが、毎日継続するのは簡単なことではありません。

習慣化するコツとして時間と場所を固定する方法があります。

「就寝前の10時から12時、リビングのテーブルで勉強する」

「仕事の前にカフェで1時間勉強する」

など時間と場所を決めてしまうとスイッチが入りやすいといわれています。

一度習慣ができてしまうと、勉強しないと落ち着かないようになり、継続して勉強ができるようになります。

ストレスをためないようにしよう

仕事をしながら勉強するためには、効率的に時間を使う必要があります。

ストレスがあると効率的な時間管理ができなくなります。

マイナス思考になったり、体調を崩して寝込んだり、優先順位が決められなくなったり、時間管理どころか勉強する気力さえ失ったりしてしまうかもしれません。

そこで、自分の中でルールを決めて極力ストレスをためないようにしましょう。

例えば以下のようなルールを作ってみましょう。

  • 極力残業はしない
  • 行きたくない飲み会は断る
  • 家事や育児が負担なら誰かに頼る
  • 睡眠をしっかりとる

何がストレスとなりやすいか自分に問いかけ、ストレスがない状態を作ることが大切です。

本質を理解する勉強をしよう

「過去問は完璧だったのに試験では全然できなかった」という人がいます。
このような人は「過去問の落とし穴」にはまっている可能性があります。

過去問の落とし穴とは、本質を理解せず過去問だけを繰り返し解いて「勉強したつもり」になっている状態かもしれません。

大事なのは、本質を理解することです。

  • なぜこの選択肢が正解なのか?
  • この問題はどの部分が間違いなのか?
  • 他に似たような意味の言葉はなかったか?

解説やテキストを読んだり、過去に覚えたことと結び付けたり、単元ごとに整理したりという作業が本質を理解する勉強につながります。

過去問の落とし穴にはまっていないか、一度自分の勉強法を振り返って考えてみましょう。

小さなことの積み重ねが合格に近づく道

高齢化社会の中でケアマネは高い需要があり、人から感謝されるやりがいのある仕事です。

ケアマネの合格率は確かに低いですが、時間を確保して効率的に勉強すれば合格することは十分可能です。


試験勉強にフライングはありません。

早めに始めて毎日コツコツ勉強し、ケアマネの狭き門を突破し合格を勝ち取りましょう!

ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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