【ニューモシスチス肺炎の内服治療】サムチレール（アトバコン）について紹介！

こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life

ニューモシスチス肺炎の内服治療といえば…ST合剤（バクタ）ですよね！！

では…バクタでの治療が困難な場合は？

注射や吸入での治療が難しく、内服治療をしたい場合はどうするか…

ニューモシスチス肺炎の内服治療における第２選択薬が、サムチレール（アトバコン）です。

サムチレールに関して分かりやすくご紹介します！

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順番に回答させていただきます。

【アトバコン】サムチレールとはどんな薬？

はいたっち

まずはサムチレールの基本から確認しましょう！

参考：添付文書

【DI】サムチレール（アトバコン）の効能効果

適応菌種

ニューモシスチス・イロベチー

適応症

ニューモシスチス肺炎

ニューモシスチス肺炎の発症抑制

効能効果に関する使用上の注意

本剤は、副作用によりスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤（ST合剤）の使用が困難な場合に使用すること。

はいたっち

あくまでも第２選択薬であるということを忘れてはいけません。

【DI】サムチレール（アトバコン）の用法用量

サムチレールは治療と予防で投与方法が異なります。

注意しましょう！

治療の場合

通常、成人には1回5mL（アトバコンとして750mg）を1日2回21日間、食後に経口投与する。

発症抑制の場合

通常、成人には1回10mL（アトバコンとして1500mg）を1日1回、食後に経口投与する。

【必ず食後に投与】サムチレールの食事の影響！

絶食下では吸収量が低下します。

必ず食後に投与しましょう。

食後に投与できない患者では、代替治療を検討する必要があります。

下痢で吸収が低下する！

投与開始時及び投与中に下痢が認められている場合には、吸収が低下して、効果が減弱する可能性があります。

下痢が認められている患者では、代替治療を検討しましょう。

はいたっち

カリニ肺炎に注意する患者ということは、免疫抑制患者（コンプロマイズド・ホスト）です。

抗菌薬や抗真菌薬など多くの薬剤によって、慢性的に下痢の可能性があります。

慢性的な下痢に慣れている患者さんは、自分から『下痢です』とは言いません。

必ず確認しましょう。

サムチレール（アトバコン）の薬価

サムチレール内用懸濁液15%750mg5mL：1727.6円

2019年6月現在

【薬理作用】サムチレール（アトバコン）の作用機序

アトバコンの作用部位はミトコンドリア呼吸鎖であることが示唆されており、P. cariniiミトコンドリアの電子伝達系複合体III（complex III）を0.015μMのIC50で抑制した。

アトバコンは、ミトコンドリア内膜蛋白質ユビキノンのチトクロームb（complex IIIの構成成分）への結合を阻害し、その結果としてATPレベルを顕著に低下させることにより、抗P. jirovecii活性を示すと考えられている。

添付文書

【安全性】サムチレール（アトバコン）の副作用は？

サムチレールの主な副作用は、下痢、発疹、悪心、頭痛などです。

＊）添付文書参照

サムチレールを使用する際の注意点！

サムチレールが処方される患者さんは、免疫抑制患者です。

何らかの原因で免疫機能が低下しているからこそ、PCP（ニューモシスチス肺炎）の予防や治療が必要になります。

免疫機能が低下している患者さんであれば、抗菌薬や抗真菌薬の多剤併用状態になっている可能性があります。

免疫抑制薬やステロイドを使用されている患者さんであれば、腎機能にも気をつけたいところです。

つまり…サムチレールの対象は“こういう患者”さんであるということです。

併用薬や原疾患に注意しながら、サムチレールを有効に活用しましょう。

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ABOUT ME

瀬古高行

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。