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フリーランス薬剤師のはいたっちです!!
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ミネブロ(エサキセレノン)は、2019年5月に新発売となった新規高血圧治療薬です。
ミネブロは、選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー(MRB)という、新しいタイプの高血圧治療薬です。
そんなミネブロについて知っておきたいことを、分かりやすくまとめます。
薬剤師や看護師さんだけではなく、多くの医療スタッフの方のお役に立てれば幸いです。
参考≫添付文書
- ミネブロの作用機序
- 特徴1:非ステロイド骨格
- 特徴2:高いMR選択性
- ミネブロの基本(DI情報)
Contents
ミネブロの作用機序|ミネラルコルチコイド受容体ってなに?
エサキセレノンは非ステロイド構造を有するミネラルコルチコイド受容体ブロッカーであり、核内受容体であるミネラルコルチコイド受容体に選択的に結合し、レニン-アンジオテンシン系等により生成が促進される副腎皮質ホルモンのアルドステロンによるミネラルコルチコイド受容体の活性化を阻害する。
過剰なミネラルコルチコイド受容体の活性化により、尿中ナトリウム及び水分の再吸収の促進などによる血圧上昇が起こり、心臓、血管、腎臓などの組織障害を促進することが知られている。
エサキセレノンはミネラルコルチコイド受容体の活性化を抑制することで、降圧作用を発揮するものと考えられる。
添付文書より
ミネラルコルチコイド受容体(MR)の活性化するとどうなるの?
MR受容体は全身の様々な臓器に発現しています。
MR受容体が過剰に活性化することで、血圧上昇や臓器障害を起こすことが知られています。
ミネブロの投与によって、MR受容体の活性化を抑制することが可能となり、降圧効果を発現すると考えられています。
MR受容体の活性化による各臓器への影響を、以下にまとめます。
腎臓
- 電解質異常
- 体液貯留
- 蛋白尿
- 糸球体障害 など
心臓
- 心線維化
- 心肥大 など
血管
- 内皮機能障害
- 微小血管障害
- 血管収縮 など
中枢神経系
- 交感神経活性化 など
ミネブロの詳細な薬理作用は?
MR受容体の活性化経路には、アルドステロン依存経路と、アルドステロン非依存経路があることが知られています。
MR受容体は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RA系)の最終産物であるアルドステロンが結合することにより活性化されるだけではなく、肥満や高血糖、食塩の過剰摂取などがトリガーとなって活性化されることが、近年明らかになってきました。
そのため、RA系をブロックするだけではなく、MR受容体そのものをブロックする必要性が注目を集めています。
【ミネブロの特徴】非ステロイド骨格が他剤とは違う!
ミネブロは非ステロイド骨格を有しています。
この構造は、スピロノラクトンやエプレレノン(ステロイド骨格)などとの大きな違いです。
【ミネブロの特徴】ミネブロはMR受容体選択性が高い!
ミネブロはMR受容体の選択性が非常に高いことが、in vitroの実験で示されています。
参考≫CS-3150, a novel non-steroidal mineralocorticoid receptor antagonist, prevents hypertension and cardiorenal injury in Dahl salt-sensitive hypertensive rats
【DI情報】ミネブロ(エサキセレノン)の基本
ミネブロのDI情報をまとめておきます。
ミネブロの効能効果
高血圧症
ミネブロの用法用量
通常、成人にはエサキセレノンとして2.5mgを1日1回経口投与する。
なお、効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる。
ミネブロの薬価
- ミネブロ錠1.25mg:46.9
- ミネブロ錠2.5mg:89.9
- ミネブロ錠5mg:134.9
ミネブロの禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者
- 重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者
- カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム)、アルドステロン拮抗剤(エプレレノン)又はカリウム製剤(塩化カリウム、グルコン酸カリウム、アスパラギン酸カリウム、ヨウ化カリウム、酢酸カリウム)を投与中の患者
血清カリウムの値に注意しましょう。