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新規脂質異常症(高脂血症)治療薬であるパルモディア(ペマフィブラート)は、PPARαモジュレーター(SPPARMα)の概念に基づいて創薬された薬剤であり、標的遺伝子を選択的に調節することで、中性脂肪(TG)低下作用や、HDL-C増加作用等が期待できる薬剤です。
今回は、PPARαモジュレーター(SPPARMα)ってなに?という人のために、パルモディアの作用メカニズムを分かりやすくまとめます。
- パルモディアの作用メカニズムや特徴
- パルモディアの臨床試験紹介
- パルモディアの基本情報(DI)
Contents
パルモディアの特徴や薬理作用は?
パルモディアはPPARαの標的遺伝子を選択的に調節することで、TG低下作用やHDL-Cを増加させる作用を持つ薬剤である!
パルモディアの作用機序を説明すると、上記のようになるのですが、これではほとんど意味が分かりません。
そこで、もう少し分かりやすく作用メカニズムを紹介します。
パルモディアの作用メカニズム
- パルモディアは、核内受容体のひとつであるPPARαに選択的に結合する
- PPARαの立体構造を特異的に変化させる
- RXRと複合体を形成してコアファクターを動員
- 遺伝子の転写を調節
遺伝子の転写を調節して中性脂肪(TG)を低下させる
パルモディアの作用機序をみてみると、なんだかいろいろと難しい経路をたどっていますが、最終的には、『遺伝子の転写を調節することで』中性脂肪(TG)を低下させるということです。
加えて、HDL-Cを増加させる作用も持っています。
【パルモディアの特徴】PPARαの選択性が高い
パルモディアの特徴として、PPARαの選択性や活性が高いということが知られています。
受容体の選択性が高いことも、パルモディアの特徴の一つです。
パルモディアは遺伝子の転写を調節することで、TG低下やHDL-Cの増加が期待できる薬剤である!
パルモディアの臨床試験を紹介
パルモディアの臨床試験を紹介します。
参考サイト:TGnavi
第Ⅲ相 長期投与試験
画像:参考サイトより引用
パルモディアは長期にわたりTG低下作用を示しています。
臨床試験の概要
- 多施設共同、非盲検試験
- 脂質異常症患者(150mg/dL≤空腹時血清TG<500mg/dL)
- パルモディア0.2mg/日(効果不十分の場合、12週以降に0.4mg/日に適宜増量可)を1日2回に分けて朝夕食前又は食後に52週間経口投与
【DI情報】パルモディア(ペマフィブラート)の基本
参考:添付文書
パルモディアの効能効果
高脂血症(家族性を含む)
LDL-コレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬とはしないこと。
パルモディアの用法用量
通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までとする。
パルモディアの禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な肝障害、Child-Pugh分類B又はCの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者
- 中等度以上の腎機能障害のある患者
- 胆石のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
- シクロスポリン、リファンピシンを投与中の患者
胆石のある患者は禁忌です!注意しましょう。
パルモディアの薬価
パルモディア錠0.1mg:33.9円
同効薬のベザトール(100mg:20.5円)と比べてみると、特別に高い薬価が設定されているというわけではなさそうですね。
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