こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
読者様からご質問をちょうだいしました。
リスペリドンを内服するとよだれがでると患者さんに言われました。
よだれが出やすくなるという副作用はあるのでしょうか?
ご質問ありがとうございます!
おそらく、抗精神病薬による錐体外路症状の一種だと思われます。
錐体外路症状について簡単にご紹介します。
薬に関してのご質問はこちらまで!
いつもご質問ありがとうございます!
順番に回答させていただきます。
薬剤師あるある満載の神マンガ
Contents
抗精神病薬の副作用によだれ?錐体外路症状ってなに?
抗精神病薬とよばれる薬剤にはリスペリドンやオランザピンなどの統合失調症治療薬が含まれます。
最新の抗精神薬はこちら
抗精神薬?向精神薬じゃないの?
抗精神薬と向精神薬
向精神薬には、抗精神薬や抗うつ薬、睡眠薬や抗不安薬などが含まれます。
抗精神薬(統合失調症治療薬)は向精神薬の一種であるといえます。
「まるこう」と呼ばれているのは、向精神薬のことだよね。
抗精神薬の副作用!錐体外路症状とは?
抗精神薬は脳内のドーパミン過剰分泌を制御する作用を持っています。
脳内で過剰に放出されるドーパミンを調節することにより、統合失調症の陽性症状を改善します。
一方でドーパミン受容体を遮断することによって、パーキンソン様の症状や、ジスキネジア、アカシジア、ジストニアなどとよばれる、様々な運動機能障害が起こります。
これらの症状をまとめて錐体外路症状といいます。
錐体外路症状の具体的症状
錐体外路症状の具体的な症状として・・・
- 手足の震え
- 筋肉の硬直(思うように動けないなど)
- 不随意運動(意図していないのに口元が動いたり、眼球が動いてしまうなど)
- じっとしていられない
- そわそわする
- 足がむずむずして座っていられない
- 不安
さまざまな症状が起こります。
この一環で『涎が垂れる』という副作用が起こります。
何も食べていないのに口元が動いているおばあさんっていませんか?
不随意運動の可能性があります。
【作用機序】なぜ錐体外路症状がおこるのか?
抗精神病薬で錐体外路症状が起こる作用メカニズムを確認してみましょう。
統合失調症の症状は、ドーパミンの過剰や不足で出現すると考えられており、統合失調症の陽性症状(幻覚や妄想、暴れるなど)を改善するには、D2受容体の遮断が有効です。
リスペリドンやオランザピンといった抗精神病薬は、D2受容体を遮断する作用を有しています。
一方でD2受容体を過剰に遮断してしまうと、パーキンソン病のような症状が出現します。
これが錐体外路症状です。
D2受容体の過剰刺激が統合失調症の原因となり、D2受容体の過剰遮断が錐体外路症状の原因となります。
近年では、D2受容体を遮断するのではなく、『いい感じに』安定させるという薬剤が登場しています。
リスペリドンによる『よだれ』の副作用
リスペリドンの添付文書を確認してみると、1%未満ではありますが『よだれ』という副作用が記載されています。
リスペリドンによってよだれが出る可能性はじゅうぶん考えられます。
不随意運動に連動するものなのか?
筋肉硬直(口元が動かしにくい)によるものなのか?
ただヨダレが出るのか?
食事への影響は?
そのあたりを聞き取ると、患者さんも安心されるかもしれません。
ちなみに、抗精神病薬の薬剤をスイッチするというのは非常に難しいので、専門医の力が必要です。
ヨダレが出るからと急に服薬中断をすると、病状が一気に増悪する可能性もあります。
副作用によって困っているのであれば、早めに専門医に相談するように伝えることも大切だと思います。
参考書籍
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者/編集者】
Hitouch「T」
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