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TC療法を受けているという人が来局…どうする?
総合病院にてTC療法を施行されているという患者さんが来局しました。
『がん』の患者さんであり、『TC療法』を受けているということを患者さんが教えてくれました。
TC療法のことがイマイチわからなかった私は、TC療法やがんの話題には触れずに当たり障りのない服薬指導をしました。
その後ネットで調べると、TC療法はカブボプラチンとパクリタキセルだということが分かりました。
TC療法を行われている患者さんには、どのような副作用に注意して聞き取りを行うのがよいでしょうか?
今後の参考に教えてください。
【注意】乳がんのTC療法と婦人科がん(卵巣・子宮)のTC療法は別物!
当該患者さんは『がん』であり、TC療法を施行されているということですが、その患者さんは『なにがん』なのでしょうか?
一般的に『カルボプラチンとパクリタキセル』を使用するTC療法は卵巣がんや子宮体(頸)がんに使用されます。(非小細胞肺がんの可能性もあり)
一方で、乳がんのTC療法では『ドセタキセルとエンドキサン』が使用されます。
このように、同じTC療法であっても、婦人科がんと乳がんでは使用する薬剤が全く異なります。
TC療法という言葉だけでがん種は分からない
卵巣がん・子宮がんTC療法:PTX+CBDCA
パクリタキセル 175-180 / m2 day1
カルボプラチン AUC5-6 day1
21日サイクル
- パクリタキセルによる末梢神経障害や脱毛に注意
- PTXによる過敏症に注意
乳がんTC療法:DTC+CPA
ドセタキセル 75mg / m2 day1
エンドキサン 600mg / m2 day1
21日サイクル
- ドセタキセルによる浮腫に注意→足のむくみには注意しましょう
- 脱毛に注意
- 爪の変成が起こる場合がある
似た名前のレジメンに注意!必ずがん種を確認しましょう!
レジメンに限らず、似た名前の略語にも注意が必要です。
一般名と商品名の聞き違いにも注意しましょう。
たとえば…アリミデックスとノルバデックスでは全く別物です。
一般名を使うことを心がけると良いでしょう。
参考書籍:がん必須ポイント
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