医薬品解説

【分かりやすく解説】ステラーラの作用機序?効能効果や副作用は?

こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life

 

ステラーラ(ウステキヌマブ)という新しい作用機序をもつクローン病の薬が存在します。

 

*)ステラーラというのが商品名で、ウステキヌマブというのが一般名(学名のようなもの)です。

 

ステラーラ『ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤』というタイプの薬で、新しい作用機序をもつ薬剤です。

 

ステラーラは乾癬の治療薬として多くの患者さんに使用されていることに加え、クローン病にも効果的であることが判明し、より多くの患者さんに貢献しています。

 

今回はそんなステラーラについてわかりやすく紹介します。

 

参考資料:添付文書・適正使用ガイド

 

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【ステラーラの作用機序】ウステキヌマブとはどんな薬?

ステラーラは、ヒトIL-12/23p40(IL-12およびIL-23が 共有するp40ユニット)に対する、ヒト免疫グロブリンG(IgG)1κモノクローナル 抗体です。

ステラーラは、IL-12およびIL-23に共通のサブユニットIL-12/23p40に高い親和性で結合し、IL-12およびIL-23が免疫細胞表面の受容体複合体に結合するのを阻止して、生物活性を中和するという新しい作用機序を有しています。

…というような、なんとも複雑な薬剤です。

 

この複雑な薬を、できるだけ分かりやすく解説します。

 

ステラーラの概要をざっくりと把握するためには、まずはクローン病の病態を理解する必要があります。

【クローン病の病態について】クローン病とは?

クローン病は、慢性の炎症性腸疾患で、小腸や大腸を中心に、消化管のいたるところに浮腫や潰瘍が発生し、再発・再燃を繰り返す難治性疾患です。

臨床症状としては腹痛および下痢などの消化器症状に加え、発熱、体重減少などの全身症状を伴います。

クローン病の病態とは?

Fig. ステラーラ適正使用ガイドより

クローン病では、腸の抗原提示細胞によるIL-12およびIL-23の分泌が増加していることが分かっています。

IL-12 は免疫細胞のヘルパーT細胞1(Th1)への分化を誘導しており、IL-23はヘルパーT細胞17(Th17)経路を誘導しています。

 

つまり、IL-12やIL-23によって自己免疫が異常に活性化しているということです。

 

異常に活性化した自己免疫は、大量の炎症性サイトカイン(炎症のもととなる物質)を分泌します。

このように、IL-12やIL-23などのサイトカインは、炎症性サイトカインであるTNFの産生を促進させるため、クローン病に大きく関与していると考えられています。

 

はいたっち

サイトカイン自体の説明は難しいので、『物質』だとイメージしてみましょう。

IL-12という名前の『物質』が増えて、それによって炎症性の『物質』が分泌される。

その結果、消化管に障害が発生するというイメージです。

 

クローン病の原因であるIL-12やIL-23をブロックすれば?

クローン病では、腸の抗原提示細胞によるIL- 12およびIL-23の分泌が増加しており、IL-12およびIL-23はTNFの産生を促進させ、それによって炎症が起こっているいうことがわかりました。

ということは…IL-12やIL23をブロック(阻害)することができれば、クローン病の治療となりえる可能性があります。

つまり、IL-12およびIL-23の分泌増加を抑制することで病態の改善が期待できるということです。

【ステラーラの作用機序】IL-12・IL-23を阻害する

ステラーラは、IL-12およびIL-23に結合することで、IL-12およびIL-23の各受容体への結合を阻害します。

その結果、炎症が抑制されて、クローン病の治療になるということです。

はいたっち

IL-12やIL-23を阻害することがクローン病の治療になります。

 

【ステラーラの有効性】ウステキヌマブの効能効果

ステラーラは、IL-12およびIL-23に結合することで、IL-12およびIL-23の各受容体への結合を阻害します。

その結果、炎症性サイトカインの活性化が抑制されることで、クローン病の病態を改善します。

 

ここからは実際のデータを紹介しながら、ステラーラの有効性を紹介していきます。

ステラーラの効能効果

ステラーラは点滴治療で導入し、皮下注製剤で維持療法を行います。

点滴静注製剤

中等症から重症の活動期クローン病の導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

皮下注製剤

中等症から重症の活動期にあるクローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

ステラーラの投与スケジュール

点滴静注製剤による単回投与8週間後より皮下注製剤に切り替えて投与していきます。

ステラーラの有効性(国際共同第Ⅲ相臨床試験)

*)添付文書より

中等症から重症の活動期のクローン病患者(日本人を含む)を対象とした、本剤の導入試験から移行した被験者を対象に、プラセボ又は本剤90mg(8週間隔又は12週間隔)を皮下投与した維持試験を実施した。

44週目にclinical remissionが得られた被験者の割合は、プラセボ群の35.9%に対して、本剤90mgの8週間隔投与群で53.5%、本剤90mgの12週間隔投与群で48.8%であった。

はいたっち

ちょっと難しいですが…

つまりは有効性が科学的に証明されているということです。

どの患者にもものすごく効くということではありません。

 

【ステラーラの安全性】ウステキヌマブの副作用

国際共同第III相試験における安全性評価対象症例1224例中412例(33.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。

主なものは頭痛61例(5.0%)、上気道感染40例(3.3%)、発疹32例(2.6%)、鼻 咽頭炎31例(2.5%)、注射部位反応31例(2.5%)でした(承認時)。

適正使用ガイドより

重大な副作用

  • アナフィラキシー
  • 重篤な感染症
  • 結核
  • 間質性肺炎
  • 悪性腫瘍(がん)

特に気をつけるべきは感染症です。

感染対策(感染予防)というのは、日常生活において患者さん自身で注意することが重要です。

患者指導を行い、徹底した感染対策を行いましょう。

ステラーラの薬価

ステラーラ皮下注45mgシリンジ:437,038円

1回投与量が90mgということは…かなりの高額薬剤です。

 

はいたっち

以上!

ステラーラの紹介でした!

クローン病患者さんの救世主となることを祈っています。

 

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【この記事の執筆者】

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瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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