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イベニティ(一般名:ロモソズマブ)という、新規骨粗鬆症治療薬が登場しました。
イベニティは、スクレロスチンというタンパク質をターゲットとした、新しい作用機序の骨粗鬆症治療薬です。
イベニティの特徴的な作用機序や臨床効果を紹介します。
Contents
イベニティ(ロモソズマブ)の作用機序
イベニティは、ヒト化スクレロスチンモノクロナール抗体という、新しい作用機序をもつ骨粗鬆症治療薬です。
イベニティは、スクレロスチンというタンパク質をターゲットとした、分子標的薬に分類されます。
イベニティの作用機序を理解するためには、スクレロスチンについて知っておかなければなりません。
まずは、スクレロスチンについてご紹介します。
スクレロスチンの作用
スクレロスチンは、骨細胞によって骨の内部で産生される糖タンパク質です。
スクレロスチンは、骨芽細胞による骨形成を抑制し、破骨細胞による骨吸収を促進します。
その結果、スクレロスチンによって骨量の減少が惹起されます。
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イベニティのデュアルエフェクト
スクレロスチンによって、骨量の減少が引き起こされる事が分かりました。
ということは…
抗スクレロスチン抗体であるイベニティを使用し、スクレロスチンの作用を阻害すると、骨強度の改善が期待できるということになります。
イベニティは、骨形成促進作用と骨吸収抑制作用を併せ持つ薬剤です。
この2つの作用が、デュアルエフェクトとよばれています。
イベニティの骨形成促進作用
- 骨ライニング細胞を活性化
- 骨芽細胞を活性化
- 骨芽細胞前駆体の分化を誘導
イベニティの骨吸収抑制作用
- 破骨細胞の活性抑制
イベニティは骨形成作用と骨吸収抑制作用を併せ持つ薬剤である!
その作用はデュアルエフェクトとよばれている!
【FRAME試験】イベニティの臨床試験
参考文献≫Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis
試験デザイン
- 閉経後骨粗鬆症患者7180例を対象
- プラセボ対照
- 国際多施設共同第三相臨床試験
評価項目
主要評価項目:12か月および24か月時点の新規椎体骨折発生率
結果
Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis
イベニティ投与により、新規椎体骨折の相対リスクは73%低下しました。
プラセボと比較しても、有意に骨折リスクを低下させています。
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イベニティのDI情報
最新情報は添付文書をご確認ください
イベニティの効能効果
骨折の危険性の高い骨粗鬆症
イベニティの用法用量
ロモソズマブとして210mgを1ヶ月に1回、12か月皮下投与
イベニティの重大な副作用
- 低カルシウム血症
- 顎骨壊死
- 非定型骨折