2023年、ケアマネとして働いている人や目指されている方の中には、給料状況や求人状況が気になる方が多くいます。
「仕事量と給料が見合っていない」、「ケアマネの数が足りていない」という情報を聞いて、将来性に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、給料のアップや2023年度の求人情報について解説をしていきます。
仕事や資格勉強のモチベーションアップに繋がるかと思いますので、参考にしてみてください。
ケアマネージャーを目指す人は減っている
ケアマネージャーの国家試験を受ける人は年々少なくなっていて、介護業界では求人が集まらず問題となっています。
高齢化社会は進んでいき介護職のニーズは高まっていますが、2017年以降から2023年にかけて試験合格者は減少傾向です。
ケアマネ試験は2017年までは介護の経験が10年以上あれば受験資格を得ることができましたが、2018年以降は介護や医療の資格の保有と5年以上の実務経験がある人に限定されたことが背景にあります。
介護業界の質を上げるための受験資格の見直しが裏目に出て、人員不足に拍車をかける形なったと考えられます。
ケアマネージャーは激務?給与状況についても解説
ケアマネージャーはニーズが高まっているのにも関わらず、処遇が変わらないことに不満を持たれている方もいます。
2012年に「介護職員処遇改善加算」が介護報酬に組み込まれるようになり、介護業界の処遇改革が進みましたが、ケアマネは対象外になっていて一向に改善されていません。
この出来事から「業務量と給料が見合っていない」と言われるようになりました。
ケアマネの平均月収は性別によっても多少異なりますが、介護職員よりは少し高めとなっています。
男性の平均月収は約30万円、女性の平均月収は27万円です。
ケアマネを約10年継続した場合、月収は約30万円ほどになります。
またケアマネの給料は看護師や理学療法士の職種に次ぎ、介護業界では高めの給与設定になっています。
ケアマネの給料は高めであるとはいえ、介護職員の給料はケアマネの給料より増額ペースが早く、今後はどんどん縮まっていくことが予想されます。
そのため「ケアマネージャーを目指すより介護職員のままの方が将来稼げるのではないか?」という点から、目指す人が少なくなっていることが今後の問題点です。
ケアマネージャーの今後の給料アップの可能性
2019年に「介護職員等特定処遇改善加算」が新たに運用されて、介護施設で介護業務も手伝うケアマネも加算対象となりました。
しかし、施設ケアマネは加算の優先順位が低く、居宅ケアマネに関しては加算対象外とまだまだ改善されたとはいえないことが現状です。
ケアマネの給料をアップする方法でおすすめなのは、事業所の役職に就くことです。
役職手当が加算されることで基本給も上がり、マネジメント経験も積めるため更なるキャリアアップも狙うことが可能です。
または、介護福祉士の資格を取得して資格手当や夜勤や早番などで手当てをつけることで給料のアップも見込めます。
ケアマネ業務と兼任しながら介護福祉士として活動をするのは大変なことなので、まずは管理職を目指すことをオススメします。
ケアマネージャーの働き方
ケアマネの働き方は、2種類の働き方があります。
「居宅ケアマネ」と「施設ケアマネ」の2種類がありますが、基本的には業務内容に変化はありません。
居宅ケアマネは居宅介護支援事業所に勤務をしますが、比較的自分のペースで業務をすることができます。
施設ケアマネの場合は施設で働きますので、受け持つ利用者さんの数は居宅ケアマネさんより多くなります。
給料に関しては介護業務も兼務する人が多く「介護職員等特定処遇改善加算」により収入が上がりやすいです。
もし、自身が転職を考えている方は給料面やプライベートのバランスを考えてみることも大切です。
ケアマネージャーの求人は多いのか?
2023年にケアマネージャーとして働きたい方は、求人数は多いのかを気にされている方は多くいると思います。
ケアマネは居宅ケアマネが3名程度、施設ケアマネは2名程度と介護職員と比べて採用人数が少ないため、転職が難しいとされています。
しかし、転職の際は3つのポイントをおさえることで、採用率を上げることができるので参考にしてみてください。
- 未経験歓迎の求人を探す
- 新規立ち上げの事業所を探してみる
- 正社員以外でも検討をしてみる
詳しく解説していきます。
①未経験歓迎の求人を探す
ケアマネージャーの資格を取得したばかりの場合は「未経験歓迎」の文を記載している求人を探すのがいいでしょう。
未経験者を歓迎するということは、教育環境が整った職場であると考えられます。
人材にも余裕があり先輩のケアマネージャーから業務を教わることができる環境は、馴染みやすく人間関係にも余裕を持たせることができます。
②新規立ち上げの事業所を探してみる
新規立ち上げ施設の場合は人材を一から探す必要があるため、多数のケアマネージャーを募集することが考えられます。
即戦力を求められることが予想されるため、新人ケアマネには厳しい条件になるかもしれませんが、ベテランのケアマネにはチャンスであると考えられます。
一から介護施設の立ち上げに関わることは、大きな経験になるために独立を考えている人にはオススメです。
③正社員以外でも検討をしてみる
ケアマネが未経験の方は、採用がなかなか決まらないケースも多いです。
その場合は一度、正社員で働くことから離れて考えてみて非正規社員を目指してみるとあっさり転職先が見つかることもあります。
非正規雇用で経験を積み、社員雇用を結んでもらうことや、キャリアを積み正社員転職を目指すことも一つの選択肢です。
パートタイムで働きながら、別の資格を取得したり自身の価値を高めたりすることでも転職の幅を大きく広げることが可能です。
ケアマネージャーは将来廃止されるのか?
2023年現在、ケアマネージャーの資格はなくなる予定はありません。
ケアプランは現在、AIで作成する動きがありますが現場の状態を目で見て判断することはまだまだ必要です。
技術の進歩によりケアマネージャーの役割は変化をするかもしれませんが、介護業界を支える重要なポジションであることに変わりはありません。
利用者さんのことを考える知識は現場でも活かせることができますので、悲観になる必要はないでしょう。
2023年、気になるケアマネージャーの給料と求人数について
ケアマネージャーになるには、難関である国家資格に合格する必要があります。
元々、働いていた場所でケアマネージャーとして働くのであれば不安はありませんが、未経験で転職する場合は厳しい傾向にあります。
給料面に関しても今後は「介護職員処遇改善加算」が適用されることが期待されつつ、不安を感じるようでしたら収入アップにつなげるようにキャリアアップを目指しましょう。
また、給料面で改善が見込めないのであれば、評価制度が整っている職場に転職することも考えてみるのもいいかもしれません。
現在、ケアマネの合格者は年々減少しているにも関わらず、介護施設の数は反比例して増えています。
給料問題であったり転職活動が難しいなどネガティブな情報が出回り、ケアマネージャーを目指すモチベーションを保つのは難しいかもしれません。
しかし、資格を持つことで自身のキャリアアップにもつながることも事実です。
自身が介護業界でどのように働きたいかをゆっくり考え、あなたに合った職場を見つけましょう。