介護支援専門員実務研修受講試験、別名ケアマネ試験は、豊富な知識と実践的なスキルを求められる試験です。
受験を考えている方は「具体的にはどんな問題が出るんだろう」「どんな問題をどのくらいの時間で解けばいいんだろう」と不安になっているかもしれません。
試験を前にするとどうしても不安な気持ちになってしまいますよね。
しかし、具体的な出題範囲や過去の問題を把握しておくことで、試験に対しての心構えができるでしょう。
この記事では、ケアマネ試験問題の内容や正答率を向上させるためのポイントについて紹介します。
ケアマネ試験問題の概要
まずは、ケアマネ試験問題の概要について説明します。
出題分野や形式を確認し、問題がどのように出題されるのかを確認しましょう。
出題分野
ケアマネ試験は、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野の2つの分野に分かれています。
医療・介護に関連する知識や利用者さんの抱える問題を解決するためのスキルを問われます。
出題形式
ケアマネ試験の出題形式はマークシート方式で、五肢複択問題です。
試験問題文の後に複数の選択肢が示されます。選択肢は数字などで示され、受験者は答えに対応する数字などを選び、解答用紙の数字を塗りつぶす(マークする)ことで回答します。
五肢複択問題とは、5つの選択肢から複数の正しい答えを選ぶ形式の問題です。
正しい答えを全て選ばなければ正答にならず、1つでも誤れば失点となります。
問題数
ケアマネ試験の問題数は、介護支援分野25問・保険医療福祉サービス分野35問の合計60問です。
保険医療福祉サービス分野は、基本問題30問・総合問題5問に分けられます。
さらに基本問題は、保健医療15問・福祉サービス15問に分けられます。
解答時間
ケアマネ試験の制限時間は、120分間です。
試験問題は合計60問なので、1問あたり約2分間で解答する必要があります。
ケアマネ試験問題の内容
ケアマネ試験問題の内容について説明します。
問題の難易度や内容、さらに実際にどのような問題が出題されているのかを確認しましょう。
問題の難易度
ケアマネ試験では、介護福祉・医療に関する幅広い範囲の問題が出題されます。
ケアマネ試験の合格率は約20%であり、他の介護福祉領域の専門職試験に比べて低い傾向にあります。
合格率の低さからも、問題の難易度が高いことがわかります。
問題の内容
前述した通りケアマネ試験は、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野の2つの分野に分かれています。
介護支援分野では、介護保険制度や居宅サービス計画について問われます。
保健医療福祉サービス分野では、疾患や薬剤に関しての医療的な基礎知識や介護サービスについての知識が問われます。
実際に出題された問題
実際に出題された過去問題をみて、具体的にどのような問題が出題されているのかを確認しましょう。
過去に出題された問題を2問紹介します。
介護支援分野の問題の例です。
第24回 問3 社会保険方式の特徴として正しいものはどれか。3つ選べ。
1.国民の参加意識や権利意識を確保し、加入者に受給権を保障する仕組みである。
2.リスク分散の考え方に立つことで、社会保障の対象を一定の困窮者から国民全体に拡大した普遍的な制度となっている。
3.社会保険制度の財源は、原則として公費である。
4.保険料を納付しない者や制度への加入手続をとらない者は、給付を受けられないことがある。
5.給付は、受給者があらゆる資産を活用することを要件として行われる。
出題形式は、五肢三択です。
社会保険方式について、制度の内容や財源について問われています。
正解は、1・2・4となります。
次は保健医療福祉サービス分野の問題の例です。
第22回 問41 訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1.真皮を越える褥瘡の患者は、医療保険による訪問看護を週4回以上受けることができる。
2.介護保険による訪問看護利用者の疾患別分類では、神経系の疾患が最も多い。
3.訪問看護の内容には、リハビリテーションは含まれない。
4.指定訪問看護ステーションには、看護職員を常勤換算で2.5人以上置かなければならない。
5.利用者又は家族から電話等で看護に関する意見を求められた場合に常時連絡できる体制にあり、かつ、計画にない緊急時の訪問を必要に応じて行う体制にある場合には、緊急時訪問看護加算が算定できる。
出題形式は、五肢三択です。
医療福祉サービスに含まれる訪問看護について、サービス内容や人員配置が問われています。
正解は1・4・5となります。
問題内容や出題傾向は試験ごとに異なるため、公式の過去問題集や試験対策書を活用して事前に対策を行うことが重要です。
また、解説付きの問題集を使用することで、誤った理解を正すためのフィードバックを得られるため、過去問題集は最大限に活用しましょう。
一方、制度や法律は、改正されているものもあります。
現在と過去では正答が異なる場合もあるため、最新の情報を収集しましょう。
ケアマネ試験問題に合格するには?
ケアマネ試験問題に合格するには、どうすれば良いのでしょうか。
合格基準や正答率を上げる方法をみていきましょう。
合格基準は?
試験に合格するための合格基準は、各年度によって異なります。
基本は、介護支援分野・保険医療福祉サービス分野の両方とも70%以上の正答率を達成する必要があるといわれています。
第25回の合格者の正答率を参考にすると、介護支援分野72.0%、保健医療福祉サービス分野74.3%であり、どちらも70%よりもさらに高い数値です。
では、具体的に何点をとれば合格になるのでしょうか。
正答率を得点数に換算すると、介護支援分野17.5点、保建医療福祉サービス分野24.5点、合計42点となります。
第25回の合格基準の得点数は、介護支援分野18点、保険医療福祉サービス分野26点、合計44点です。
正答率を上げる方法は?
正答率を上げるためには、効果的な方法を組み合わせて学習を進めることが大切です。
地道な努力と工夫を重ね、自信を持って試験に臨みましょう。
具体的には以下のような方法があります。
苦手分野の克服
出題分野ごとに学習内容を整理し、どこが苦手か把握しておくと効果的です。
過去問題や参考書を使い、試験範囲を学習しましょう。
特に、自分の苦手な分野を重点的に学習することが大切です。
ケアマネ試験では、介護支援分野・保険医療福祉サービス分野の両方で正答率70%以上を獲得しなくてはなりません。
苦手分野をそのままにしておくことで、一方の正答率が下がってしまうリスクがあります。
間違えた問題や解説をしっかり確認し、理由や原則を理解することで同じ誤りを繰り返さないようにしましょう。
問題だけを覚えるのではなく、背後にある理論や原則を理解することで、類似の問題にも対応できるようになります。
過去問の活用
過去の試験問題や模擬試験を解くことで、実際の出題傾向や自身の弱点を把握できます。
解答後に解説を確認し、しっかりと理解しましょう。
過去問を実際の試験と同じ時間内で解くことで、試験本番の状況に慣れられるメリットもあります。
情報収集
最新の法律や制度の変更点にも注意を払いましょう。
ケアマネ試験で出題される法律や制度は改正されている場合があり、過去問題集の解答が全て正しいとは限りません。
情報収集をしっかりと行い、過去と現在の法律や制度の違いを把握するよう心がけましょう。
具体的な目標設定
正答率や得点数などの具体的な目標を設定すると、達成度を客観的に把握しやすいです。
目標を設定する時には、最終的な目標とあわせて、いくつかの中間目標を設定してくと良いでしょう。
試験当日までにどの程度達成されているかを確認しやすくなるので、最終目標の修正や達成するための準備もしやすくなります。
計画的な学習スケジュール
ケアマネ試験の幅広い内容をカバーするために、計画的な学習スケジュールを立てましょう。
各出題分野ごとに時間を分け、バランスの取れた学習を心がけましょう。
また、学習した内容を定期的に復習することで、知識が定着します。
スケジュールに復習の時間を取り入れることを忘れないようにしましょう。
スケジュールを立てるときには、週ごとや日ごとに学習する範囲を決めて取り組むのがおすすめです。
学習の進捗や遅れを把握でき、目標とのすり合わせもしやすくなります。
日々の忙しいスケジュールの中で、まとまった時間を多く割くことは難しいかもしれませんが、通勤時間や入浴時間などの隙間時間を活用することでトータルの学習時間をのばせます。
ケアマネ試験問題の学習は、過去問からスタートするのがおすすめ
ケアマネ試験は、広範で多岐にわたる問題が出題されます。
自信を持って答えられるようにするために、まずは過去問の解答から始めてみてください。
毎日少しずつでもコツコツと学習時間を設け、しっかりと学習しましょう。
皆さんの頑張りと努力が、実を結ぶことを祈っています。
未来のケアマネージャーとして、素晴らしい一歩を踏み出してください。