治療法Aの有効率は45%
治療法Bの有効率は40%
よって治療法Aの方が優れている。
医療従事者がこんな事を言ってはいけませんよ。
『有効率』という、不確実なデータを扱うときには、統計で根拠を示すべきです。
治療法Aと治療法Bの有効率に差がある
この命題を証明するためには『治療法Aと治療法Bの有効率に差がない』という結果を否定しなければなりません。
統計解析を行って、『治療法Aと治療法Bの有効率に差がない』を棄却することで、ようやく有効率に『差がある』と結論づける事ができます。
45%と40%の有効率を単純に比べれば良いという事ではありません。
では・・・
どうやって『治療法Aと治療法Bの有効率に差がない』を棄却すればよいでしょうか?
そんな時に使うのがカイ2乗検定です。
Contents
カイ2乗(χ2)検定とは一体なに?
カイ二乗検定とは、帰無仮説が正しければ検定統計量が漸近的にカイ二乗分布に従うような統計学的検定法の総称である。
ウィキペディア
これを読んで何のことか分かりませんよね…
分からない方だけ先に進んでください。
ウィキペディアを読んで理解できる人は、ウィキペディアをご参照ください。
そもそも、僕たち医療関係者はカイ2乗検定が何をしているのかを知りたいわけではない…ですよね?
カイ2乗検定を『何に使うのか』を知りたいだけですよね。
2群間の比率を比較する
カイ2乗検定を使えば、『2群間の比率を比較する』ことができます。
治療法Aと治療法Bの有効率
これはまさに2群間の比率です。
カイ2乗検定を使えば、この比率を測定する事ができます。
治療法Aと治療法Bの有効率をカイ2乗検定で比較することで、『治療法Aと治療法Bの有効率に差があるかどうか?』という疑問に答える事ができます。
帰無仮説を設定する
帰無仮説については先にこちらの記事で
≫帰無仮説とはなんですか?t検定を使いこなそう!
『治療法Aと治療法Bの有効率に差がない』という帰無仮説を棄却することが出来れば、『治療法Aと治療法Bの有効率に差がある』と証明することができます。
カイ2乗検定を行って、P値<0.05という結果が出れば、この帰無仮説は棄却されます。
『治療法Aと治療法Bの有効率に差がない』が棄却(否定)されるので、『治療法Aと治療法Bの有効率には差がある』という答えを得る事ができます。
パターン① 有意差ありの場合
- 治療法Aの有効率は45%
- 治療法Bの有効率は40%
- P=0.045(カイ2乗)
このような結果が得られた場合、「治療法Aは治療法Bよりも有意に有効率が高い」と結論づける事ができます。
パターン② 有意差無しの場合
- 治療法Aの有効率は45%
- 治療法Bの有効率は40%
- P=0.451(カイ2乗)
このような結果であれば、「治療法Aの有効率は45%、治療法Bの有効率は40%で、カイ2乗検定によると有意差はない」という結論になります。
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有意差を検定することは大切
根拠を示そうと思うならば、有効率を表示するだけではいけません。
A病院では患者満足度が60%であり、B病院では患者満足度が50%でした。
よってA病院の方が患者満足度が高い。
という情報に騙されてはいけません。
- A病院の患者満足度は60%
- B病院の患者満足度は50%
この研究で得られた結果はこれだけです。
不確実性が多いデータを比較して根拠を語るときには、単純に比率を比較してはいけません。
有効率や満足度、男性の割合や喫煙率など、『比率』を比較しようと思った時にはカイ2乗検定を使うことができます。
*)Fisherの正確検定やMcNemar検定を用いる事があります
無料で簡単にカイ2乗検定ができるおすすめフリーソフトを紹介しています。
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