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【在宅での処方箋の受け渡し方法】本人以外や電子処方箋、リフィル処方箋について解説

「在宅医療での処方箋受け渡し方法にはどんなものがある?」

「自宅で処方箋もらえたりするの?」

このような疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。

在宅医療とはいえ、訪問診療や看護、介護を受けている方もいれば、入院はしていないけれど通院して家で服薬治療をしている方まで幅広いです。

本記事では、訪問診療、訪問看護、訪問介護の利用者さん、病院へ通院している在宅療養者すべての人へ、在宅での処方箋の受け渡し方法を紹介します。

在宅医療における処方箋の受け渡し方法は?

在宅医療における処方箋の受け渡し方法は4つあります。

  1. 本人が受け渡しを行う
  2. 代理人が受け渡しを行う
  3. 電子処方箋を薬局に送信する・してもらう
  4. リフィル処方箋を利用する

具体的な受け渡し方法を解説します。

本人が受け渡しを行う

通院しながら在宅で過ごす在宅療養者は、通院して発行された処方箋を受け取り、薬局へ渡して処方してもらいます。

訪問看護や訪問診療では、処方箋をもらうのは自宅であったり、医師が医療機関で発行して直接薬局に発行したりする方法の2つです。

自宅で発行された場合は、自分で薬局へ処方箋を渡して薬を受け取ります。

代理人が受け渡しを行う

本人による処方箋の受け渡しが難しい場合は、家族やヘルパーケアマネージャーに代行してもらう方法があります。

ヘルパーケアマネジャーに依頼する場合は、ヘルパー依頼者の担当時間でないと対応できないため注意が必要です。

電子処方箋を薬局に送信する・してもらう

電子処方箋は、紙によるやりとりではなく、スマホや専用の機械でやり取りが可能です。

通院の場合、大きめの医療機関だと電子発行で薬局にデータを送る機械を利用できます。

オンライン診療や訪問診療・訪問看護の場合では、医療機関によりますが医師が電子発行して直接薬局へ送信する方法、専用のアプリでスマートフォンから電子処方箋を受け取り、薬局へ送信する方法があります。

もし、電子処方箋を利用したい方は、医療機関によって採用している方法が異なるため、どの方法を利用できるのか確認しましょう。

リフィル処方箋を利用する

リフィル処方箋は、2022年4月にスタートした方法です。

一定期間内であれば、受診しなくても同じ処方箋を使用でき、同じ薬を同じ量で処方してもらえます。

ただし、医師や薬剤師との適切な連携のもと下3回までなら使用可能とし、一度の使用回数が制限されています。


利用の再開の条件は、処方箋を3回使用後、医師の診察を受けることです。

電子処方箋の対象者とメリット・デメリット

電子処方箋の対象者とメリットデメリットを紹介します。

利用可能な対象者

電子処方箋を利用できる対象者は決められていません。

電子処方箋サービスを利用している医療機関にかかっていれば、医師との相談で誰でも利用可能です。

電子処方箋のメリット

電子処方箋を利用するメリットは、以下の4つです。

  • 在宅療養者本人または家族が受け渡ししなくていいケースがある
  • 医療従事者が緊急時でも常用している薬の確認が簡単にできる
  • 薬局内での待ち時間を大幅に短縮できる
  • 複数の医療機関や薬局で薬の情報共有ができる

医療機関が取り入れている電子処方箋のサービスによっては、在宅療養者本人または家族が処方箋の受け渡し対応をしなくてもいいので便利です。

医師がすべてやり取りをしてくれる場合は、電子機器に慣れていない高齢者でも安心して利用できるでしょう。

従来の方法では、薬局に直接持って行き、薬局内で調合時間や確認のために長時間待つことがあります。

電子処方箋であらかじめ薬局に送っておけば、薬局に到着するまでに調合や確認が進み、待ち時間が短縮されます。待ち時間の短縮は体の負担軽減にもつながるため、大きなメリットといえるでしょう。

電子処方箋は、複数の医療機関や薬局で薬の情報共有ができたり、履歴が残ったりするため、迅速な薬の確認を可能とします。

例えば、事故や災害時などのといった緊急時に常用薬がすぐ確認できると、適切かつ迅速な医療措置が施せるため、命が助かる確率も上がります。

電子処方箋のデメリット

電子処方箋のデメリットは、以下の2つです。

  • コンピューターウイルスや不正行為による個人情報漏洩のリスクがある
  • 電子機器に慣れていない高齢者は使いこなせない可能性がある

コンピューター上で情報が保存されるため、コンピューターウイルスや不正行為によって個人情報が漏洩されるリスクは否めません。

また、スマートフォンで電子処方箋の受け渡しをしなければならない場合、利用に慣れるまでは使いこなせない可能性があります。

そのような場合は、家族の人や信頼できる周りの人のフォローが必要です。

リフィル処方箋の対象者とメリット・デメリット

リフィル処方箋の対象者とメリット、デメリットを紹介します。

利用可能な対象者

リフィル処方箋の利用可能な対象者は、症状が安定している人のみです。

リフィル処方箋は、同じ処方箋を3回使用するまでは医師の受診が必要ありません。

症状が不安定な患者さんは、定期的な診察のもと元、別の症状や症状の進行を確認しながらの治療となるため、受診せず処方箋が使用できるリフィル処方箋は利用できないのです。

加えて、過剰摂取すると重篤な副作用を起こす可能性がある薬や湿布薬を処方している方、新しい薬を飲み始めてまだ処方数が少ない薬を飲んでいる方も利用できません。

リフィル処方箋のメリット

リフィル処方箋を利用するメリットは、以下の4つです。

  • 通院回数が減るため体の負担を軽減できる
  • 残薬を予防できる
  • 通院に伴う感染リスクを予防できる
  • 再診療料や処方箋料、交通費を節約できる

リフィル処方箋は薬のための診察が必要ないため、医療機関に足を運ばずそのまま薬局へ行けます。

そのため、通院にかかる体の負担を軽減できるほか、再診療料、処方箋料、交通費を節約できます。足腰が痛くて歩くのがつらい、出費がつらいと感じている方の強い味方となるでしょう。

医療機関の待合室で診察待ちする場合、感染症にかかるリスクがありますが、そのリスクも最小限に抑えられます。

免疫力が低下している方、合併症が怖い方も安心して薬の受け取りができるでしょう。

従来、決まった日時に診察し処方箋をもらわないといけませんが、そのような縛りがないため薬を飲み切ってから新しい薬をもらえます。

余った薬を廃棄してお金が無駄になることも、余った薬が増えることもありません。

リフィル処方箋のデメリット

リフィル処方箋のデメリットは、以下の3つです。

  • リフィル処方箋の保管を自分でしなければならない
  • 睡眠薬、向精神薬、麻薬を服用している方は利用不可
  • 新しく飲み始めてまもない薬は適用外

リフィル処方箋の保管を自分でしなければならないため、認知症などで管理が難しい場合は周りのフォローが必要です。

睡眠薬、向精神薬、麻薬は、過剰摂取すると生命を脅かすため、医師による診察や量のコントロールが必要です。

そのため、受診がないリフィル処方箋は利用できません。

飲み始めてまもない薬は、副作用の有無や症状の改善が可能かどうかを日数をかけてチェックしなければならないため、リフィル処方箋は適用外です。

在宅の処方箋の受け渡しで気を付けること

処方箋の受け渡しで気をつけなければならないことをお伝えします。

処方箋には期限がある

処方箋には発行から4日以内の有効期限があるため、薬の受け取りを後日にする場合は気を付けましょう。

ちなみに、期限日数は、紙発行、電子発行どちらも同じです。

処方箋に期限があるのは、処方薬による薬を効果的にするためです。

診察した状態に合わせて薬を処方しているため、日数が経過しすぎると診察時から状態が変わり、薬が合わない可能性があります。

処方箋が発行された当日、またはなるべく早く薬を受け取り、服薬をスタートさせましょう。

薬は基本的に薬局まで受け取りに行かなければならない

従来の処方箋と同じように、電子処方箋も基本的に薬局まで薬を受け取りに行かなければなりません。

オンラインで処方箋の受け渡しができても、薬の配達まではサービスの範囲に入っていないためです。

自分で薬を取りに行くか、代理人に取りに行ってもらうか、薬の配達サービスを利用するかのいずれかを選びましょう。

薬の受け取りも在宅で完結する方法

薬の受け取りも在宅で完結させたい場合は、薬剤師による訪問サービスを利用する方法があります。

医師やケアマネージャー、薬剤師のいずれかに相談し、許可が下降りれば薬剤師が自宅に訪問して薬の配達や服薬指導を行ってくれます。

ただし、薬剤師の訪問サービスは無料ではありません。

介護保険または医療保険で加算され費用がかかります。

在宅での処方箋受け渡し方法は4つある

在宅で処方箋受け渡しをする方法は、以下の4つです。

  1. 本人が受け渡しを行う
  2. 代理人が受け渡しを行う
  3. 電子処方箋を薬局に送信する・してもらう
  4. リフィル処方箋を利用する

どの方法にもメリットとデメリットがあり存在します。

どの方法を利用するかは、ご家族やお世話になっている医療従事者、介護職員と相談しながら決めましょう。

とくに、医療従事者や介護職員は、処方箋の受け渡しに詳しいので、利用者さんや在宅療養者さんに的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

ABOUT ME
瀬古高行
医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。
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