最近、日常の歩行や階段の上り下りの際に痛みを感じていませんか?
また、姿勢が悪くなったと感じていませんか?
それは、運動不足や年齢を重ねることにより膝裏の筋肉が固まっていることが原因かもしれません。
これらの症状で困っている方は、膝裏伸ばしが効果的です。
膝裏伸ばしは、膝の裏の筋肉を緩めるためのストレッチ方法です。
今回は、膝裏伸ばしの効果や方法について詳しく解説していきます。
膝裏が伸びないとどんな問題がある?
まずは、膝裏が伸びないとどのような問題があるのか考えていきましょう。
- 膝を伸ばすと痛みがでる
- 背中が丸くなり腰の曲がった姿勢になっている
- 歩き始めに膝がこわばる
- 腰痛がある
膝裏の筋肉は膝窩筋、大腿二頭筋、腓腹筋、半腱様筋、半膜様筋、足底筋で構成されています。
特に大事な筋肉が、膝窩筋です。
膝窩筋は太ももの外側から脛の内側についている筋肉で、膝を曲げたり脛を内側にひねる動きに使われます。
膝関節は足を完全に伸ばした状態で、これ以上膝が動かないように動きが自動的にロックされます。
膝を伸ばした状態から曲げようとすると、膝窩筋の内側にひねる動きでロックが解除される仕組みです。
このため、膝窩筋がなんらかの原因で硬くなってしまうと、膝関節の曲げ伸ばしが制限されるのです。
膝窩筋が固まることで、体を伸ばす力が弱くなり、背中が丸く腰の曲がった姿勢になります。
その姿勢が続くと、膝関節に負担がかかり、膝の痛みや腰痛が引き起こされます。
膝裏伸ばしにはどんな効果があるの?
ここでは、膝裏伸ばしの効果を解説しましょう。
膝裏伸ばしで膝裏を伸ばすと、体全体を伸ばす力が戻るため、膝裏が固まったことで起こる症状の改善が期待できます。
- 膝の痛みが軽減する
- 腰痛が改善する
- 血行や代謝、免疫力が改善する
以下で、それぞれを詳しく解説します。
膝の痛みが軽減する
膝の曲げ伸ばしが難しい状態の歩行や運動は、膝関節にとっては大きな負担です。
関節に痛みを感じると膝をかばう動作になるので、さらに負担がかかり痛みが悪化していきます。
膝裏伸ばしをおこなうと、膝が伸びた状態で体を支えられるようになるので、膝関節への負担が軽減され、膝の痛みの改善が期待できるでしょう。
腰痛が改善する
膝が曲がると前傾姿勢になるため、腰に負担がかかります。
膝裏伸ばしで膝裏が伸びると、背中がまっすぐになり正しい姿勢を保てるようになるでしょう。
正しい姿勢によって、腰だけにかかっていた体重が分散されるので、膝裏を伸ばすことは腰痛改善につながる方法です。
血行や代謝、免疫力が改善する
膝が曲がった前傾姿勢は、呼吸できるスペースを狭めます。
その結果、浅い呼吸になり血流が低下するので、体全体の機能が低下します。
体全体の機能改善には深い呼吸が不可欠です。
膝裏伸ばしで膝裏が伸びると姿勢がよくなり、それにより呼吸できるスペースが広がるので、深い呼吸がおこなえます。
深い呼吸は血流を改善するので、低下代謝や免疫機能が改善されるでしょう。
自宅でもできる膝裏伸ばしの方法
ここからは、自宅でも簡単にできる膝裏伸ばしの方法について解説します。
今回ご紹介する膝裏伸ばしは、壁を使うストレッチ方法とタオルを使うストレッチ方法です。
ご紹介するストレッチ方法に、特別なグッズは必要ありません。
- 壁を使うストレッチ方法
- タオルを使うストレッチ方法
以下で、それぞれ解説します。
今すぐにできるストレッチ方法なので、この記事を読みながら実践してみましょう。
壁を使うストレッチ方法
まずは、壁を使うストレッチ方法を紹介します。
やり方は以下の通りです。
- 背筋を伸ばし両足をそろえて壁の前に立つ
- 足を前後に開いて後ろ足の膝裏を伸ばす
- 壁を5回押す
- 両手を伸ばした状態で5秒間キープ
1.背筋を伸ばし両足をそろえて壁の前に立つ
背筋を伸ばした状態で両足をそろえて壁の前に立ちましょう。
この時、目線はまっすぐにし、あごを引きます。
2.足を前後に開いて、後ろになった足の膝裏を伸ばす
両手を肩と同じ高さに上げ、壁に両手をつきます。
足を肩幅に開きます。
そして足を前後に開き、前の足は軽く曲げましょう。
後ろ足の膝裏を伸ばして、胸を開きながら大きく息を吸い込みます。
この時、目線はまっすぐ前を見ることと、後ろ足のかかとを地面につけることがポイントです。
3. 壁を5回押す
息を少しずつ吐きながら、壁を両手で5回押しましょう。
おなかに力を入れ、後ろ足の膝裏の伸びを意識します。
4.両手を伸ばした状態で5秒間キープ
息を止めて、そのまま両手を伸ばした状態で5秒間キープします。
壁を5回押す動作と、5秒間キープする動作を2回繰り返しましょう。
反対側の足も同じ動作を繰り返します。
このストレッチのポイントは、両肘が曲がったり、後ろ足の膝が曲がらないようにすることです。
後ろ足のかかとが地面についているか注意しながら、ストレッチをおこないましょう。
タオルを使うストレッチ方法
次にタオルを使うストレッチ方法を紹介します。
やり方は以下の通りです。
- 仰向けになる
- タオルを足裏にかける
- タオルを引っ張り足を伸ばしたまま立てる
1.仰向けになる
まずは仰向けになり、片方の膝を立てます。
2.タオルを足裏にかける
膝を立てた足と反対側の足の裏側にタオルをかけます。
3.タオルを引っ張り足を伸ばしたまま立てる
息を吐きながらタオルをかけた足の膝を伸ばした状態で、頭の方向にタオルを引っ張ります。
5~10秒キープします。
膝裏、太ももの裏、アキレス腱の伸びを意識しましょう。
反対側の足も同じ動作を繰り返します。
体が固い方は持ち上げる足の角度は浅くてもかまいませんが、膝は曲がらないようにすることがポイントです。
膝裏伸ばしをする際の注意点
ここでは、膝裏伸ばしを行う際の注意点について解説します。
- 習慣にする
- 体が温まったタイミングでおこなう
- 無理をしない
- 専門家に相談する
以下でそれぞれを詳しく解説します。
習慣にする
他のストレッチにも共通していえることですが、膝裏伸ばしは週に1回長時間おこなうよりも、短い時間でもいいので毎日おこなうとさらに効果的です。
「まずは3日続ける」など簡単な目標設定をし、日常生活に習慣として取り入れてみましょう。
体が温まったタイミングでおこなう
筋肉が温まっていない状態で無理なストレッチを行うと、靭帯の損傷などのケガのリスクもあります。
入浴後は体が温まり、筋肉が柔らかくなっているため、膝裏伸ばしにおすすめのタイミングです。
体が温まったタイミングでおこないましょう。
無理をしない
体に痛みがある場合や、体調が悪いときは無理は禁物です。
自分に合ったペースでいいので、無理のない範囲で継続することを心がけましょう。
専門家に相談する
変形性膝関節症などの加齢や運動不足以外で痛みが生じている場合は、かかりつけ医など専門家に事前に相談しましょう。
変形性膝関節症以外にも、半月板断裂や関節リウマチ、靭帯の損傷なども膝の不調の原因です。
このような状態で膝裏を伸ばしのストレッチをおこなうと症状が悪化する場合もあるので注意が必要です。
膝裏伸ばしで健康な体を手に入れましょう
膝裏の筋肉が固くなることの問題点と膝裏伸ばしの効果、自宅で簡単にできる膝裏伸ばしの方法を解説しました。
膝裏伸ばしのストレッチをおこなうことで、膝痛や姿勢の悪化から起こる腰痛、血行や免疫機能の低下を改善する効果が期待できます。
膝裏伸ばしのストレッチを習慣にして、健康な体を手に入れましょう。