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子宮頸がんとHPVワクチンの関係
日本産婦人科学会より
子宮頸がんは子宮の入り口付近にできるがんであり、発がん性HPVに長期間感染状態となることが原因で発症します。
日本では年間約10,500人が発症し、約2,800人が死亡していると報告されています・
子宮頸がんは20歳代後半から30歳代が好発年齢であるという特徴を有しています。
発がん性HPVは特別な人だけが感染するウイルスではなく、性交経験がある女性であれば誰でも感染する可能性があります。
この発がん性HPVに感染しても感染は一時的で、ほとんどの場合はウイルスは自然に排除されてしまいます。
しかし、ウイルスが排除されずに感染した状態が長期間続く場合があり、そのうちのごく一部のケースで子宮頸がんを発症します。
ヒトパピローマウイルス:HPVとは?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、100種類以上あり、そのうちの15種類が発がん性HPVであることがわかっています。
そのため、これらHPVに対するワクチンを使用することで、子宮頸がんの発症を予防することができるということです。
子宮頸がんワクチン:HPVワクチン
子宮頸がんワクチンHPVの摂取によって子宮頸がんを予防できるということが報告され、日本でも非常に注目をされ、多くの若年女性(性交渉経験前)に摂取が行われました。
しかし・・・
運動機能障害や慢性疼痛など『様々な副作用』が報告されたため、HPVワクチンの摂取は推奨されなくなりました。
HPVワクチンは摂取中止に・・・
非常に期待された子宮頸がんワクチンですが、『度重なる副作用報告』によって、摂取が推奨されなくなってしまいました。
HPVワクチンは実際どうなのか?
1994年から2001年までに生まれた女性71177人を対象とした研究(名古屋市で実施)によると、HPVワクチンの摂取によって生理不順、出血量の異常、関節などの痛み、重度の頭痛、倦怠感が増加したことが明らかになっています。
しかし、調査した全24項目のうち、HPVワクチンによって増加したと考えられる症状は上記の5つのみで、本研究では就学に影響を及ぼすような症状との因果関係は認められなかったと結論付けられています。
海外データ
400万人の女性を対象とした研究では、神経系の有害事象の発現は認められておらず、リスクを上回るベネフィットがあることが示されています。
子宮頸がんワクチンはぶっちゃけどうなの?
産婦人科学会より
WHOは世界中の最新データを継続的に解析し、HPVワクチンは極めて安全であるとの結論を発表しています。
一方、HPVワクチンは筋肉注射であるため、注射部位の一時的な痛み・腫れなどの局所症状は約8割の方に生じます。
また、若年女性で注射時の痛みや不安のために失神(迷走神経反射)を起こした事例が頻度は少ないですが報告されているため、接種直後は30分程度安静にすることも重要です。
平成29年11月の厚生労働省専門部会において、慢性疼痛や運動障害などHPVワクチン接種後に報告された「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されておらず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています。
また平成28年12月に厚生労働省研究班(祖父江班)の全国疫学調査の結果が報告されました。
これによると、HPVワクチン接種歴のない女子でも、HPVワクチン接種歴のある女子に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する人が一定数(12~18歳女子では10万人あたり20.4人)存在しました。
HPVワクチンのベネフィットはリスクを大きく上回ることが分かっています。
しかし、リスクが『絶対にない』という証明も難しく、市場には受け入れられていない(使いたくない臨床家も多い)のが現状かと思います。
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