こんにちはHitouchです。
@hitouch_life
医療現場で働くメディカルスタッフにとって、大切な仕事の1つが「研究」です。
臨床研究や看護研究など、名称は様々ですが、メディカルスタッフにとっての研究は、「日々の業務や日々の医療行為をまとめることで、未来の医療に繋げていく」という大切な使命があります。
とはいえ・・・
ただでさえ忙しい日常の中で、「今年学会発表してね」とか、「看護研究進んでる?」とか言われたら大きなストレスになりますよね。
どうやって始めたら良いか分からない。
何をやったらいいか分からない。
そんなメディカルスタッフのために、博士課程で学んだ僕が、研究のコツをお教えしましょう。
Contents
学会発表のテーマはどうすべきか?
研究の最も重要な部分でが「研究テーマ」です。
どうやってやるかではなく、何をやるかということが非常に大切です。
研究は疑うことから始まる
重要なことは雑誌に公表された論文をそのまま信じてはいけないと言うことです。
まず、疑ってかかることが科学の出発点です。
教科書を書きかえなければ科学の進歩はありません。
本庶佑
- 普段の業務はこれでいいのだろうか?
- なんでこの疾患にはこの治療なんだろう?
- なんで待合室はこんなに込むんだろう?
- なんでこんなに残業が多いんだろう?
日常の疑問や、「なんで?」という好奇心から研究テーマは生まれます。
本来研究は強制されてやるようなものではありません。
しかし、多くのメディカルスタッフにとって研究は、「やらなければならない」仕事の1つです。
加えて・・・
日常業務で忙しいのになんでこんな事やらなきゃいけないんだ?
そんな風に感じてしまう「やりたくない」仕事の1つでしょう。
だからこそ手っ取り早く片付けたいはずです。
ものまねでも全然OK!?
研究をする際には過去の研究が参考になります。
これは悪いことでもなんでもありません。
科学は過去の研究を検証することで進歩します。
具体的にはどんな風に過去の研究を参考にすればよいのでしょうか?
具体例をあげてみます。
スタッフ教育によって手洗い回数が増加
感染対策チームがスタッフ教育を行うことで、手洗い回数が増加した。
という看護研究があったとします。
これをそっくりそのまま「あなたの病院で」やればいいのです。
違う環境で同様の介入を行った結果、どんな変化があるのか?という事を調べるのも立派な研究です。
同じような方法で介入を行い、結果をまとめれば良いのです。
但し、考察には必ず自分の考えを書きましょう。
その結果を見てどう思ったのかを正直に書けば良いのです。
研究結果をスライドにまとめる
研究結果はスライドにまとめる必要があります。
学会発表には「口頭発表」や「ポスター発表」と呼ばれるセッションがありますが、いずれにせよスライドの作成は必要です。
パワーポイントやキーノートを使いこなす必要があります。
とはいえ、学会発表ではスティーブ・ジョブズのようなプレゼンをする必要はありません。
自分の研究の目的や方法、結果や考察をしっかりと伝えることが大切です。
ビジネスシーンでのプレゼンでは、あまりスライドに文字は使いません。
しかし研究発表は違います。
文字が多くなってしまったとしても、研究方法はしっかりと記述しておくべきです。
特にポスター発表においては、そのスライドを見るだけで研究の概要を知ってもらわねばなりません。
スライドの構成がビジネスとは異なるという事を知っておきましょう。
学会発表・看護研究のコツとは?
研究にはコツがあります。
やりたい研究があるなら、自分が思うようにそれをやるべきです。
しかし、ほとんどのメディカルスタッフは、現場で働く医療人であって科学者(サイエンティスト)ではないはずです。
ある程度の時間で研究を進めたいというのが本音でしょう。
そのコツを紹介します。
Step. 1 参加学会を選ぶ
参加学会を具体的に決めましょう。
感染学会なのか、がん学会なのか、透析学会なのか、研究分野を絞る必要があります。
*)学会ではなく院内研修会であっても同様です。
まずは参加学会を確認して、自分が研究すべき分野を絞りましょう。
Step. 2 過去の学会抄録からできそうな研究を探す
参加する学会もしくは、参加予定学会の分野に近い学会の抄録を手に入れましょう。
*)先輩からもらうとか、ネットで手に入れるとか方法はまちまちです。
その中から自分の施設でもやっている事、自分の施設でも取り組めそうな事を探します。
おすすめは既にやっている業務です。
業務を改善したり、アンケート調査をやるだけが研究ではありません。
日々当たり前に行っている業務をあらためて評価するということも、非常に重要な研究です。
自分の施設でも取り組めそうなことをトライするのであれば、「取り組む前」と「取り組んだ後」の比較研究ができます。
無理をせず、期限内にできそうな研究を探す事が大切です。
3ヶ月以内に学会にエントリーしなければならないのに、介入研究(何らかの取り組みを行う)を行うというは非常に難しいでしょう。
Step. 3 選んだ研究と同じような手順で研究を進める
先程の「手洗い」を例にしましょう。
例えば、選んだ研究が「1ヶ月に1度の講義」を行い、スタッフ教育をして、それによる手洗い回数の変化を測定していたとしましょう。
あなたの施設でできることを、この研究と同じようにやればよいのです。
スタッフ教育の方法を「月1回のポスター配布」にしても良いでしょう。
手洗いの方法に使う「消毒剤」を、より手荒れの少ないものに変えるという介入方法でも良いはずです。
たとえ全く同じように研究したとしても、環境が違うので全く同じ研究にはなりません。
しっかりと引用文献をつけて、過去の研究を検証する研究である旨を記載しておきましょう。
新規性がない?
この方法はあくまでも「研究のコツ」です。
片手間に学会報告を乗り切りたい人向けの方法です。
レベルの高い学会で発表したいとか、論文を書きたいのであれば全く話は違います。
論文には研究の新規性が求められますのでご注意下さい。
Step. 4 口頭発表?ポスター発表?
プレゼンが得意なら口頭発表にしましょう。
一見敷居が高そうに見えますが、ポスターのように長時間まじまじとスライドを見られないので、意外と簡単だったりします。
プレゼンに自身がない方は迷わずポスターを選択するのが良いでしょう。
そんなに難しくない
学会発表と聞くと、ものすごいことをしているかのように聞こえますが、そんなに難しいことではありません。
*)この記事は、有名学会で発表するサイエンティストや、インパクトファクターが高い雑誌へ論文投稿を予定している人に向けて書いているわけではありませんのでご了承下さい。
〇〇年目に〇〇学会で発表するというような「伝統」があってやらなければいけない。
先輩や上司から「研究したら?」と言われて断れない。
そんな悩みを持つ人のための方法です。
時間がないのであれば、とりあえず過去の抄録を読んで、自分の業務でもできそうなことを探して下さい。
そうすればなんとかクリアできるはずです。
Sincerely,
Hitouch
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【記事原案提供者】
DADAさん/保健師
現在は病院勤務の保健師
多くの現場での勤務経験を持つ
【執筆者/編集者】
Hitouch「T」
HitouchLIFEという雑記ブログの管理人
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