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抗がん剤による血管痛(静脈炎)の原因は?
抗がん剤(化学療法)によって血管痛や静脈炎が発生する原因としては、薬そのものの性質による場合と、個々の患者側の要因が考えられます。
PHや浸透圧など、薬そのものによる刺激が加わることで血管痛が発生します。
また、長期間に渡る抗がん剤治療によって、血管そのものに障害(ダメージ)がある場合などは、静脈炎が発生しやすくなります。
その他には、穿刺部位の問題なども考えられます。
ひとつひとつ原因を調査することが大切です。
薬剤の刺激
- PHによる刺激
- 浸透圧による刺激
血管痛を起こしやすい抗がん剤
- エピルビシン
- ダウノルビシン
- ビノレルビン
- ベンダムスチン
- ダカルバジン
- オキサリプラチン
- ゲムシタビン
- など
抗がん剤による静脈炎・血管痛の対応方法は?
ホットパック:患部を温める
温かいタオルなどで静脈に沿って温める事で、痛みが緩和できることがあります。
温める事で血管が拡張し、血流を改善することが可能なため、血管痛を緩和できると考えられます。
点滴時間を遅くする
点滴の流量を遅くすることで、血管痛が緩和できることがあります。
ゲムシタビンの投与時間変更には注意が必要です!
60分以上の点滴で骨髄抑制が増加する可能性があります。
希釈する!側管から生食やブドウ糖液を投与
抗がん剤を希釈したり、側管から生食などを投与することで、血管痛を緩和できる可能性があります。
側管から水溶液を投与する際には相互作用に注意です!
静脈炎の評価方法:CTCAE(注射部位反応)
血管痛はCTCAEの注射部位反応で評価しましょう。
Grade1
関連症状(熱感・掻痒)を伴う/伴わない圧痛
Grade2
疼痛・脂肪変性・浮腫・静脈炎
Grade3
潰瘍または壊死
高度の組織障害
外科的処置を要する
Grade4
生命を脅かす
Grade5
死亡
参考≫CTCAE
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