【モビコールの４つの作用機序】慢性便秘症に対するポリエチレングリコールの効果！

こんにちはHitouchの「T」です。
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モビコール配合内用液

慢性便秘症に適応を持つ、国内初のポリエチレングリコール製剤が登場しました。

モビコールは慢性便秘症に悩む患者さんの救世主となることができるのでしょうか。

そんなモビコールの基本から薬理作用までを詳しく紹介します。

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【モビコールの基本】ポリエチレングリコール製剤とは？

はいたっち

まずはモビコールの基本を確認していきましょう！

ポリエチレングリコール製剤は海外ガイドラインで推奨

慢性便秘症にポリエチレングリコール？？

なんだかあまり聞き慣れない治療のような気がしますが…

英国のNICEガイドライン、北米小児栄養消化器肝臓学会および欧州小児栄養消化器肝臓学会のガイドライン、世界消化器病学会のガイドライン、および米国消化器病学会のガイドラインにおいて、慢性便秘症の治療薬としてポリエチレングリコール製剤が推奨されています。

日本では腸管洗浄薬として汎用

日本では、大腸内視鏡検査（CF）の前処置で使用する、腸管洗浄薬としてポリエチレングリコール製剤は汎用されています。

内視鏡検査の多い施設では、当たり前のようにポリエチレングリコールを使用しているはずです。

ポリエチレングリコール製剤の作用機序は？

ポリエチレングリコールの浸透圧効果により、腸管内の水分量が増加します。

腸管内水分量が増加することにより、便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し排便が促されます。

はいたっち

生理的に大腸の蠕動運動が活発化することで、排便が促されます。

無理やり蠕動運動させるというタイプの薬ではありません。

加えて、モビコールには電解質が配合されています。

その結果、腸管内の電解質バランスを維持し、糞中水分の浸透圧を適切なレベルで保持することが可能になります。

【ポリエチレングリコール製剤】モビコールの４つの薬理作用（作用機序）とは？

モビコール®は高分子量化合物であるマクロゴール4000を主要な有効成分として含有する。

マクロゴール4000など高分子量のポリエチレングリコール製剤を投与すると、浸透圧により腸管内の水分量が増加する。

その結果、便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し用量依存的に排便が促される。

また、腸管内の水分増加に伴う滑らかな排便により、モビコール®の便秘治療効果が発現すると考えられる。

なお、腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持するため、モビコール®には塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩化カリウムが添加されている。

EAファーマウェブサイトより

モビコールには『ポリエチレングリコール』と『電解質』が配合されています。

このふたつの成分によって、慢性便秘症に対する確かな効果を発現することが可能となります。

簡単にモビコールの作用機序を解説します。

水分保持効果

ポリエチレングリコールによって保持された水分が腸に届き、腸管内の水分量が増加します。

便の軟化と便容量の増大

便中の水分量が増加することで、便が軟化して便容積が増大します。

生理的な大腸蠕動運動の活性化

便容積が増大することで大腸の蠕動運動が活性化し、自然と排便が促進されます。

生理的な蠕動運動というのがポイントです。

滑らかな排便が可能になる！

腸管内の水分量が増加しているため、スムーズな排便が可能となります。

【モビコールの基本情報】効能効果や用法用量

画像：EAファーマ

モビコールの基本情報を確認します。

＊）参考：添付文書、EAファーマウェブサイト

モビコールの効能効果

慢性便秘症（器質的疾患による便秘を除く）

【小児への投与は？】モビコールの用法用量

画像：EAファーマより

本剤は、水で溶解して経口投与する。

２歳以上７歳未満

通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与する。

以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで（1回量として2包まで）とする。

ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。

７歳以上１２歳未満

通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。

以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として4包まで（1回量として2包まで）とする。

ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として1包までとする。

１２歳以上及び成人

通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。

以降、症状に応じて適宜増減し、1日1〜3回経口投与、最大投与量は1日量として6包まで（1回量として4包まで）とする。

ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量として2包までとする。

モビコールの調製方法

本品1包あたりコップ1/3程度（約60mL）の水に溶解する。

溶解後は速やかに服用すること。

【モビコールの保存方法】溶解した後すぐに飲めない場合は？

溶かした後すぐに服用できない場合は、ラップなどでフタをして、冷蔵庫で保管してください。

【溶解後の安定性】モビコールの保存期間は？

やむを得ず保存する必要がある場合は、冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに服用すること。

添付文書

具体的な保存方法は明記されていませんので、出来るだけ早く内服する必要があります。

すぐに飲める分だけを調製しましょう。

モビコールをジュースに溶かしてもよいか？

味などが気になって服用しにくい場合は、水以外の飲料（冷たい飲料やりんごジュースなど）に溶かして服用することも可能です。

EAファーマ

モビコールは水以外に溶かして内服することも可能です。

モビコールの薬価は？

モビコール配合内用剤6.8523g：83.9円／包

＊）２０１９年６月現在

はいたっち

以上！

ポリエチレングリコール製剤『モビコール』の紹介でした！

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ABOUT ME

瀬古高行

医療と経済の架け橋である「医療経済学」を研究。テクノロジーとアイデアでヘルスケア関連の問題を解決すべく情報発信を行う。医療・介護サービスのDX化推進に向けたコンサルテーション事業に従事。株式会社femto代表取締役。