こんにちはHitouchの「T」です。
@hitouch_life
読者様からご質問をちょうだいしました。
シダトレンが販売中止になるということを耳にしました。
改めて舌下免疫療法について教えて下さい。
ご質問ありがとうございます！
鳥居薬品は、2019年4月1日付で、スギ花粉症に対する舌下免疫療法のシダトレンスギ花粉舌下液の販売を中止することを明らかにしました。
参考日経DI
販売中止のスケジュールとしては、2021年3月31日に経過措置期間の満了と薬価削除が予定されています。
舌下免疫療法という治療の特性上、シダトレンの治療期間は長期にわたり、最低でも1年半（18か月）～2年は継続する必要があります。
持続効果を期待するならば3～5年は続けることが推奨（メーカーは3年以上を推奨）されています。
シダトレンの販売が中止になれば、シダキュアへの切り替えを余儀なくされる患者さんが少なからず現れます。
ってことで・・・
シダトレンとシダキュアの違いや、切替時の注意事項をまとめておきます！！
薬に関してのご質問はこちらまで！
いつもご質問ありがとうございます！
順番に回答させていただきます。
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Contents
【アレルギー治療】そもそも舌下免疫療法とは？
そもそも舌下免疫療法とはどんな治療なのでしょうか？
アレルゲン免疫療法
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らしていく治療法です。
そんなアレルゲン免疫療法には、皮下免疫療法と舌下免疫療法があります。
アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」と、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」という治療方法に大別することができます。
舌下免疫療法のメリット
舌下免疫療法は、注射と違って痛みがないというだけではなく、自宅で治療できるという大きなメリットがあります。
アレルゲン免疫療法は、徐々にアレルゲン（アレルギー物質）を体内に投与して行く治療方法です。
その特性上、長期間の治療（数年）が必要になります。
通院の負担を減らし、自宅で治療できる舌下免疫療法は、患者さんのQOLを大きく向上させるといえるでしょう。
アレルゲン免疫療法のひとつが舌下免疫療法だよ！
舌下免疫療法の方法
スギ花粉に対する舌下免疫療法では、シダトレンもしくはシダキュアという薬剤を使用します。
シダトレンが液剤、シダキュアが錠剤だよ！
どちらも『舌の下』に薬を入れて使うんだ！
スギ花粉に対する舌下免疫療法の開始時期
スギ花粉飛散時期は新たに投与を開始しないこと。
シダトレン添付文書
注意しておきたいのが、シダトレンやシダキュアを使った舌下免疫療法の開始時期です。
スギ花粉の飛散が予想される1月から5月の間には、治療を開始することはできません。
ただでさえアレルゲン（スギ花粉）の量が多い時期に、免疫療法でアレルゲンを投与するのはリスクが高いです。
スギ花粉のピークを避けて治療を開始する必要があります。
継続治療は問題ないよ！
治療開始時のリスクを避けるためなんだ！
【メリット・デメリット】シダトレンとシダキュアの違いとは？
ここからはシダトレンとシダキュア（新薬）の違いを確認していこう！
【シダキュアのメリット】年齢制限無し
シダキュアの処方には年齢制限はありません。
＊）5歳未満の安全性は確立していないので、実質5歳以上です。
シダトレンは12歳以上という限定がありましたので、シダキュアのほうが幅広い年齢に使用できるということになります。
【シダキュアのメリット】錠剤かつ室温保存
シダキュアは錠剤で、シダトレンは液剤です。
両剤とも舌の下に保持する必要があるので、錠剤のほうが使用しやすいと感じる人は多いことが分かります。
また、シダトレンは冷所保存ですが、シダキュアは室温保存が可能です。
3年以上という長期間の使用が必要な薬剤ですので、保存の簡便さは重要です。
【シダキュアのメリット】舌下保持時間が1分
シダキュアは舌下の保持時間が1分でOKです。
シダトレンは2分必要です。
365日を3年で考えてみて下さい。
その1分がどれほど大切かということが分かります。
【シダキュアのデメリット】長期処方の制限がある
2019年4月現在において、シダキュアは長期処方ができません。
2019年の5月〜6月頃に長期処方が可能になりそうです。
シダキュアへの切替方法・切替時の注意事項
今後新規でスギ花粉の舌下免疫療法を開始される方は、シダキュア1択となります。
＊）新薬が登場するかもしれません
現在シダトレンを使用している患者さんの多くも、シダトレンの販売中止を受けてシダキュアへ切り替える必要があります。
＊）残りの治療期間やリスクを考慮して、切り替えが選択されます
切替時にはどのようなことに注意すればよいのでしょうか？
切り替えも新規と同様に扱う
切り替え時においても、シダキュアの新規患者と同じく、投与開始1週間は増量期の用量のシダキュアを服用し、2週目以降は維持期用量のシダキュアを使用する。
日経DI
切替時にも新規導入患者と同じように、増量期の用量から開始しましょう。
シダキュアの力価に注意
シダキュアの維持用量のアレルゲン力価は5000JAUです。
シダトレンの最大力価が2000JAUですので、倍以上の力価があるということになります。
臨床試験で安全性に問題がないことを確認されていますが、切替時には注意しておきましょう。
処方医はもちろん、薬剤師や看護師も知っておきたい情報です。
＊）参考資料
- 添付文書
Sincerely,
Hitouch
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【この記事の執筆者／編集者】
Hitouch「T」
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