看護師の業務は、日々さまざまな情報を受け取ることが多く「持ち歩きノート」が必須です。
しかしながら、新人看護師さんは「持ち歩きノートってどうやって使えばいい?」と疑問を抱くのではないでしょうか。
そこで今回は、看護師勤務の経験がある筆者が「看護師の持ち歩きノートの使い方とメモをとるコツ」を紹介します。
併せて、持ち歩きノートを選ぶポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
看護師の持ち歩きノートの使い方
看護師になったばかりの頃は「業務が覚えられない」という悩みにぶち当たることが多いです。
私が看護師になった当時、看護学生のときとは全く違う実践の多さに、ついていくのが精一杯でした。
目まぐるしい業務の中「自分の業務をサポートしてくれるアイテム」が持ち歩きノートです。
持ち歩きノートの使い方次第で、看護業務の負担が格段に少なくなります。
自分の業務をサポートしてくれる、持ち歩きノートの有効的な使い方を5つ紹介します。
- 自分がよく関わる疾患・観察項目・治療・薬剤をメモ
- 看護のポイントをメモ
- 先輩に指導されたことをメモ
- 常備薬や設備をメモ
- 1日の終わりにノートを見返す
それぞれ紹介します。
①自分がよく関わる疾患・観察項目・治療・薬剤をメモ
勤務している職場によって、よく関わる患者さんの疾患が異なります。
脳神経内科であれば脳血管疾患の患者さんが多く、心臓血管外科であれば循環系の患者さんが多いです。
多い疾患の病態や観察項目をメモしておくと、勤務中に役立ちます。
併せて治療や薬剤もメモをとりましょう。
特に治療で使われる薬剤は覚えづらい名前であることが多いので、メモをしておくと後から薬剤名を調べる手間が省けます。
②看護のポイントをメモ
患者さんの疾患と同じく、職場によって看護の内容も全く異なります。
清潔ケアが多い職場があれば、リハビリが多い職場もあります。
職場の特性によって、一般的な看護技術にプラスでする看護が多いので、メモをとると自分が看護をするときに活用できます。
そして、物品の位置や準備の方法は職場によって違うため、配属先の最初のオリエンテーションで物品の位置の説明をされた際に、忘れずメモをとりましょう。
③先輩に指導されたことをメモ
初めてのことばかりの新人看護師は、先輩から指導を受ける機会が多くあります。
指導の内容をメモすることで、後から振り返ったり次に活かしたりできます。
注意したいのがメモするタイミングです。
面倒と思うかもしれませんが、先輩によってはメモのタイミングを気にする人もいます。
タイミングをみて、実践的な看護の指導が入ったらメモをとるとよいでしょう。
④常備薬や設備をメモ
職場にある常備薬はよく使われる薬なのでメモをとり、後からどのような作用があるのか調べましょう。
設備も職場によって異なるのでメモをとります。
設備によっては普段の業務ではあまり触れないものがあり、説明を受けてから使うときまで期間が空くため、いざ使うとなったときに忘れていることが多いです。
メモをしておけば、使用方法がわかったり、説明を思い出すきっかけになったりします。
⑤1日の終わりにノートを見返す
持ち歩きノートはメモするだけでなく、1日の終わりに見返すことも重要です。
業務は覚える量がとても多いため、メモをとるだけでは知識として身に付きません。
持ち歩きノートを見返すことで、メモした内容をさらに調べたり、頭の整理になったりして身に付きます。
持ち歩きノートにメモをするときのコツ
持ち歩きノートにメモをするときのコツを5つ紹介します。
- 箇条書き・記号を活用・なるべく簡潔に
- 丁寧に書かなくてよい
- 余白をつくる
- 先輩に見られてダメなことは書かない
- メモは参考書代わりではない
それぞれ順に紹介します。
①箇条書き・記号を活用・なるべく簡潔に
メモをするときは文章ではなく、箇条書きで記号を使うと楽です。
文章をそのままメモするのは時間がかかり大変です。
加えて、メモすることに夢中になり、重要な話を聞き逃すということもあります。
箇条書きで簡潔にメモをとり、時には記号も活用しましょう。
記号の例を挙げると、よいことは〇、ダメなことは✕、大事なことは☆など、言葉を書かなくても伝わるものは記号が便利です。
②丁寧に書かなくてよい
持ち歩きノートは自分のためのノートなので、丁寧に書く必要はありません。
丁寧に書くことにこだわると、メモをとるのに時間がかかり業務が疎かになってしまいます。
ただ、自分でもわからないほどの殴り書きはしないように注意しましょう。
③余白をつくる
ノートにみっちりメモをするのではなく、余白をつくってメモをしましょう。
余白をつくる理由は、後から振り返ったときに追記することが多いからです。
特に、自分がわからないことをメモしたときや、先輩から調べるようにいわれた時は、余白を多めにつくっておきましょう。
④先輩に見られてダメなことは書かない
突然先輩に「メモ見せて」といわれるときがあります。
先輩の中には「1日の業務でどのようなメモをとっているのか」「指導した内容のメモの取り方」を気にする先輩がいます。
いつ見られるかわからない持ち歩きノートには、見られてダメなことは書かないようにしましょう。
特に日々のストレスは、持ち歩きノートに吐き出さないように注意が必要です。
⑤メモは参考書代わりではない
メモは参考書代わりではないことを念頭に置いておきましょう。
メモにこだわり始めると参考書の内容をすべて書いたり、丁寧にイラストを描いたりしがちですが、それでは「きれいにまとめること」が目的になります。
看護師の持ち歩きノートは日々の業務をサポートするものであり、メモに時間がかかって日々の業務が身に付かないようであれば、本来の持ち歩きノートの目的を失います。
メモに参考書の内容をそのまま書かなくても、参考書は職場に持っていけます。
参考書が重く持ち運ぶのが嫌なら、コピーすればよいです。効率的にメモと参考書を使いましょう。
看護師の持ち歩きノートを選ぶポイント
ここからは看護師の持ち歩きノートを選ぶポイントを紹介します。
以下3つのポイントを抑えておけば、価格が安いノートでも十分です。
- ナースウェアのポケットに入るサイズ
- 分厚くないノート
- 台紙がしっかりしているノート
それぞれのポイントを紹介します。
①ナースウェアのポケットに入るサイズ
業務中に常に携帯しておく看護師ノートなので、サイズはナースウェアのポケットに入るサイズを選びましょう。
②分厚くないノート
分厚いノートだとポケットがパンパンになるので、分厚くないノートを選びます。
ポケットにはノート以外にタイマーやはさみなどといった、業務に必要な物が入ります。ノートだけで場所をとらないようにしましょう。
③台紙がしっかりしているノート
立ちながらメモをとることが多いため、台紙がしっかりしてないとメモが取りづらいです。
ちなみに、台紙とはメモの裏側にある土台をいいます。
手首に巻きつけるタイプのメモはおすすめしない
手首に巻き付けるタイプのメモがありますが、正直おすすめしません。
メモした内容が丸見えなので、患者さんのバイタルや受けた指示などを記載すると、個人情報がだだ漏れです。
そして、手首は清潔にする部分であるため、手首にメモする物があるのは不潔です。
ただ、手に直接メモをする癖がある人にとっては、よいかもしれません。
手に直接メモをするよりは清潔です。
日々の看護業務に持ち歩きノートを活用しよう
今回は看護師の持ち歩きノートについて紹介しました。
持ち歩きノートを有効活用すれば、日々の看護業務が円滑になります。
記事で紹介したメモの使い方やコツをぜひ参考にしてください。
そして、持ち歩きノート選びのポイントも紹介したので、選ぶ際に参考にしながら、あなたの気に入るノートを見つけましょう。